はじめに
最近X(Twitter)では、ALTについてよく隠しテキストとしてハック的な使い方がされています。使い方としては、ライブ終わりなどの写真を載せてその中に感想を書くという、140文字しか書けてないという制約をうまく回避するために使われているやり方です。百歩譲ってプライベートでXを利用している人はまだいいですが、タレントなどお仕事としてXを利用されている方はぜひそのような利用の仕方をさけてもらいたいです。
つい先日もとある声優の方がALTをそのような隠しテキストとして利用してしまい、物議を醸しました。その中で、「声優の本渡楓さんと諏訪部順一さんのALTの使い方が素晴らしい」という情報を発見しました。
・https://x.com/Hondo_dagaya_/status/1865718830791868914
これが、本渡楓さんのX(Twitter)です。
・https://x.com/MY_MURMUR/status/1858848649717182951
こちらが諏訪部順一さんのX(Twitter)です。
(※この記事では念の為、Xの埋め込み機能で該当のポストを表示しないようにURLのみ載せてもらっています。万が一にも事務所の方から転載であると指摘されないようにです。)
このお二方は、常に自分の投稿にALTをつけています。本当にすばらしいなと思います。今回は、とりあえず本渡楓さんにしぼって、紹介したいと思います。
ALTが説明と気持ちを表している
・https://x.com/Hondo_dagaya_/status/1865718830791868914
例えばこのポスト、もし自分であれば、「自撮り」とか「〇〇の服を着てます」だけしか書かないかもしれません。でも、本渡さんは「どんな状態なのか」「何を着ているのか」をちゃんと説明しています。しかも、「ベルトを通し忘れている」という、無くても伝わる情報だけどあることによってユーモアが伝わってくる情報も加えています。
ファッションの情報も、アピールしたいものを重点的に書いています。
・https://x.com/Hondo_dagaya_/status/1865717303788417086
例えばこれなんかも、自分の着ているファッションの簡単な説明に加えてどんな状態なのか、そして感想も加えています。
・https://x.com/Hondo_dagaya_/status/1857795788031799406
こちらも自撮りですが、何の時に撮ってる自撮りなのか、そして髪型まで情報を加えています。
・https://x.com/Hondo_dagaya_/status/1854111655942336611
こちらは何かの作品のコラボドリンクを頼んだ時のポストのようですが、画像全部を細かに説明するわけでなく、自分が関わるキャラにだけ簡易的な説明をつけています。
これらの本渡さんのポストを読んで、ALTはただの画像の説明というわけでなく、その日その時その場所で伝える情報が変わるものだと、改めて感じることができました。自分は近視以外に目の障害はないので本渡さんの顔ははっきりと見えるのですが、もし見えない方でもこのALTの説明をスクリーンリーダーで聴けば、本渡さんがどういう人なのかとかがわかり、本渡さんのX(Twitter)を楽しめるのではないかと勝手ながら思いました。
画像を気持ちで表現しろ
「〇〇のツールを導入してアクセシビリティに対応しました」などの企業が最近増えてきました。アクセシビリティに関心を持つことは大変いいことだと思います。
ただ、そのように紹介されているサイトの商品画像を見ると、
「ネックレス商品名」のように、全てのその商品の画像にaltがついていました。その商品の説明、本当にそれだけでいいんですか?そのネックレスの輝きとか、画像から伝わる情報を精一杯伝えようとしなくていいんですか?
とある飲食店のECサイトには、バーガーセットA(バーガー含め全て仮名)というものがあり、バーガーセットAの画像には「バーガーセットA」とだけしか全ての画像につけていませんでした。もっとどんんな商品かとか説明しなくて本当にいいんですか?
先日こちらの記事を読んで、Apple StoreのALTが素晴らしいと読んでさすがだなと感心しました。文字だけでデザインのイメージが伝わってきました。iPhone 16 Proの商品画像は複数ありますが、それら一つ一つにちゃんと丁寧なALTがついていました。
あなたが例えば画像が全くない環境で文字しか読めないWebの世界にいたと仮定してください。「バーガーセットA」としか書いていない商品と、「北海道産のじゃがいもを使ったほくほくのポテトとオージービーフ100%の牛肉を使ったジューシーなハンバーガーのセット」、どちらの商品が買いたいですか?
その画像を撮った人の気持ちと同じ気持ちになって、ALTを書いてみてください。
声優さんへ
もしこの記事を読まれている声優の方がいらっしゃったら、ぜひ本渡さんみたくALTを利用してみてください。スクリーンリーダーはあなたの声では読んでくれませんが、もしかしたら読んだ方の頭の中ではあなたの声で再生されるかもしれません。
もしあなたの投稿した画像にALTをつけたら、より多くの人にあなたがどういう人なのかが伝わるかもしれません。ライブの感想とかでなく、今日の服装とかもいいです。どんなこと書けばいいか迷うなと思ったら、本渡さんのポストを参考にしてみることをおすすめします。
ちなみに、ALTをハックしてライブの感想とか長文ポストするぐらいだったら、絶対にブログに書いたほうがいいです。noteとか使ったほうが、たくさんの文章量書くことができて、X(Twitter)よりも絶対に書きやすいです。ALTに長文書く熱量があれば絶対にかけます!ブログに書けばあとからみんなが振り返りやすいです。あなたがやりたいことはALTでなく、画像に紐づく感想なのだから!はじめよう、ブログ!
終わりに
本渡楓さんのポストを通して、特にSNSでは個を表現するためにもただの説明だけに終わらせず、何を伝えたいのか、その気持ちが非常に大事だと思いました。最近アクセシビリティに関して受発信するようになり考えたのが、アクセシビリティは技術以上に誰に何を伝えたいかが大事って思いました。その、「誰に何を伝える」のあとに技術がついてくるものだと思いました。
声優って文字情報を音声情報に起こして表現するプロなので、本渡さんのそのALTを通して自分の写真を伝える表現力はとてもすばらしいと思いました。
参考
本渡楓さんX(Twiiter)
https://x.com/Hondo_dagaya_
諏訪部順一さんX(Twitter)
https://x.com/MY_MURMUR