以下のようなソフトウェアテストの解説マンガを描いているまつと申します。
https://testerchan.hatenadiary.com/entry/2020/10/13/221439
いつもはマンガですが、今回は会社のアドベントカレンダー向けの記事です。
どうせですので、いつもとは違う文章を書きます。
アウトプットすることの意義
この記事でのアウトプットは、基本的には技術ブログといった文章を意図して書いている。
会社やコミュニティで 「アウトプットに何のメリットがあるのか」 という話題が出ることがある。
純粋な質問である場合もあれば、損得の考えがあり得が損を超えなければ行動しないほうが良いという考えからきた質問の場合もある。
損得の尺度は相対的であるため「だからアウトプットしたほうがいい」とはならない。
よって、ここでは僕が思うアウトプットすることの意義を並べるに留める。
飽くまで個人的な考えであるため「それはメリットではないのではないか」と思う方もいらっしゃると思うがご容赦いただきたい。
楽しい
アウトプット全般の話だ。アウトプットすることは楽しい。
絵や音楽やDIY、コードでもいい。何か出力した経験がある人ならわかると思うが 自発的に行うアウトプットはそれ自体が楽しい のだ。
- 絵がきれいにかけた。
- ギターがうまく引けた。
- かっこいい本棚ができた。
- 計算量が少ないコードが書けた。
- 良い文章が書けた。
アウトプットすることで達成感を得られる。自己効力感を得られる。
僕がアウトプットすることの意義はこの「楽しい」に集約されている。
以降に並べる理由は後付けに過ぎない。
楽しいから書くのだ。
本来は人に見せる必要もないと考えている。
それを最も表していることとして、僕は手書きの日記を10年程度続けている。
これは人には見せない。自分でも読み返すこともない。
楽しいから書いている。
承認欲求を満たせる(こともある)
上述の通りアウトプットすること自体が楽しいのだが、やはりアウトプットしたら誰かに見せたくなるものだ。
特に文章であれば人に見せたいと思うであろう。
今はSNSで簡単にアウトプットを公開できる。
自分でうまくできたと思ったアウトプットが、さらに人からも「いいね」がついて認められる。
これはこの上ない快感である。またアウトプットしようとなる。
これが普段の数倍、数十倍の「いいね」だった場合は脳汁が出る。
逆に「いいね」をもらえない場合もある。
この場合は自分でよいと思ったものが人からは認められていないことになり認識にギャップが生まれる。一気にモチベーションは下がる。
承認されたときの快感はかなり大きなものだが、何も反応してもらえないときのダメージも相応なものである。
これまでマンガを描いてきた僕の意見としては、他者から認められた時の喜びは代えがたい。しかしこれを原動力とすると一喜一憂で踊らされるため精神衛生的にお勧めはしない。
ただし大きな快感は得られるためアウトプットすることの意義として挙げる。
経験、学びを整理できる/さらなる理解ができる
これはアウトプット自体ではなく、その過程で得られることだ。
技術ブログや業務系ブログならば、アウトプットをする過程で自分を含め読者がわかりやすいように内容・構成を考える必要がある。
まずは経験や手順を思い出す。これによって学びを反芻する。忘れていた部分も見つかる。
その後内容を整理し構造化する。自分の中でも散らかっていた事柄がまとまり、学びが俯瞰しやすくなる。
その時あいまいな部分はなぜそれを行ったかを再度調べ直し、ブログ上で説明できるようにすることもあるだろう。
これらのことで経験や学びのさらなる理解を得ることができる。
フィードバックで学びを得られる
アウトプットを公開すると、フィードバックを得られることがある。
フィードバックには、質問であったり、こちらの認識の違いを教えてくれるものであったり、はたまたマウントをとりたいだけのものなどがある。
質問は、こちらの書き方がわかりにくい場合もあれば、自分が勝手に前提だと思っていたことがそうではなかったことに気づくことができる。議論を行うことで曖昧だった部分が明確化される、補間されることもある。
間違いの指摘についてはその通りでしかなく、まっすぐ学びにつながる。慣れていない場合は間違いを指摘されて腹も立つ。感情は別にして「そうなのか」と学べばよい。
アウトプットをしているとマウントや誹謗中傷も来る。
全てにコメントを返すように頑張る人もいるが、必ずレスをしなければならないという法律はない。
得るものは得る。コメントしたくないときはしない。対応したくないときはしない。それでよい。
そのアウトプットが他のエンジニアの助けになる
自分が当たり前だと思って行っていることが、他のエンジニアが欲しい情報であることは往々にしてある。
自分がひっかかった場所は、同じくひっかかるエンジニアがいる。
自分がこれまで経験したことは、将来のエンジニアたちが通る道でもあったりする。
アウトプットを残しておくと、他のエンジニアの助けになる。
あれこれ並べずとも、これだけで十分意義があるように思える。
ポートフォリオとして使える
転職時にアウトプットした記事はポートフォリオとして使える。
具体的には職務経歴書にアピールポイントとして載せておくのが良い。
見せられるものが全くないよりもあるに越したことはない。
転職を何度かしているが、積極的にアウトプットする人のほうが企業に好かれるようだ。
自己のブランディングができる
アウトプットを続けていると、その業界での認知度が上がる。
例えばunit testにフォーカスをしてアウトプットしている人であれば、unit testで名前があがるようになる。
僕であれば「テスターちゃん(僕が描いているマンガ)の人」だ、と業界的には知られている。
アウトプットが自己のブランディングとなる。
アウトプットの期待値がわかるため副業や講演といった活動でお声がかかるようにもなる。あなたの市場価値も上がるであろう。
最後に
社内で「アドベントカレンダーを書いたら評価されるか」といった議論があった。
アドベントカレンダーを書くことは任意であるから出た話題だ。
僕はその議論がどうなったかはわからない。
以下は飽くまで僕の意見だ。
会社から言われたタスクであるのなら任意であれ仕事である。
「誰でもいいからこのバックログのタスクを持っていってほしい」の類の仕事である。
そう考えるのであれば「バックログのタスクを取ったので評価してほしい」はいささか難しい。
これが毎回率先して持っていってくれる、またはみんなが認める功績があるなら評価されるかもしれない。
報酬が欲しいといった話であれば、先に述べた通り会社から言われたことなら任意であれ仕事だ。
よって業務時間に行われたのであれば給与に含まれる。
業務時間外、土日に稼働が発生したのであれば規定に基づき支払いが発生する。
叩かれないために繰り返すが個人的な意見だ。
他所はどのようにやっているのだろうか。
今回の記事は上述のことから派生して書いた。
自発的に行うアウトプットはその行為自体が楽しい。
そのアウトプットで助かるエンジニアもいるのだから公開してみてはいかがか。
これがこの記事のまとめだ。