はじめに
VMware Cloud on AWS は SDDC 1.24 から vSAN Express Storage Architecture (vSAN ESA) が IA (Initial Availability) tech preview として利用できるようになっております。
今回は vSAN ESA と、従来から使える vSAN OSA を VMware Cloud on AWS を使って比較してみます。
vSAN ESA とは?
vSAN ESA についての解説は以前記事として作成しておりますので、そちらを参照下さい。
vSAN ESA の利用
VMware Cloud on AWS における vSAN ESA の利用のステップについては、@sanjushi003 さんが既にまとめているので、そちらを参照下さい。
本記事の投稿時点では IA tech preview の扱いの為、ESA を利用する為には、VMware に連絡をし、ESA が利用できるよう Org の設定変更をしてもらう必要があります。
vSAN OSA と ESA の比較
i4i.metal 3 ホストを使って実際に OSA の環境と ESA の環境をそれぞれデプロイし、比較をしてみました。
容量の比較
VMC コンソール上では、vSAN OSA でのデプロイの場合、59.94 TiB と表示されるに対して vSAN ESA では 81.85 TiB の表示でした。
vCenter で見ると vSAN OSA は 61.39 TB と表示されるに対して vSAN ESA では 81.85 TB の表示でした。
vSAN ESA については TiB 表記も TB 表記でも同じ値だったので若干不明な箇所がありますがいずれにしても i4i.metal 3 ホストの場合 33% 以上と、大幅に容量効率が向上しているのがわかります。
vSAN の設定・ストレージポリシーの比較
vSAN OSA の場合の設定及びストレージポリシーは以下の通りとなっています。
i4i.metal 3 ホストの場合、Management Storage Policy - Regular というポリシーが利用されており、RAID-1 が利用されています。
vSAN ESA の場合の設定及びストレージポリシーは以下の通りとなっています。
i4i.metal 3 ホストの場合、vSAN ESA Default Policy - RAID5 というポリシーが利用されており、RAID-5 が利用されていました。
比較のまとめ
本記事の投稿時点での比較は以下の通りとなります。
※ VMware Cloud on AWS における vSAN ESA は現在 IA tech preview の為、GA 時には一部変更となる可能性があります。
vSAN OSA | vSAN ESA | |
---|---|---|
対応インスタンスタイプ | i3.metal, i3en.metal, i4i.metal | i4i.metal |
1 ホストあたりのストレージ ※ | 20.46 TiB | 27.28 TiB |
利用できるホスト数 | 1 ホストから | 3 ホストから |
デフォルトストレージポリシーの RAID 構成 2 ホスト |
RAID-1 | 現時点で構成不可 |
3 ホスト | RAID-1 | RAID-5 |
4 ホスト | RAID-1 | RAID-5 |
5 ホスト | RAID-1 | RAID-5 |
6 ホスト以上 | RAID-6 | RAID-6 |
選択可能なストレージの保護レベル 2 ホスト |
RAID-1 | 現時点で構成不可 |
3 ホスト | RAID-1 | RAID-1, RAID-5 |
4 ホスト | RAID-1, RAID-5 | RAID-1, RAID-5 |
5 ホスト | RAID-1, RAID-5 | RAID-1, RAID-5 |
6 ホスト以上 | RAID-1, RAID-5, RAID-6 | RAID-1, RAID-5, RAID-6 |
※ 1 ホストあたりのストレージは VMware Cloud Sizer で表示される値を元に記載しています。
vSAN ESA のサイジング
VMware Cloud on AWS Sizer で vSAN ESA のサイジングが既にできるようになっています!
Sizer では 2 ホスト構成でも vSAN ESA としてサイジングがされるのですが、本記事の投稿時点では 2 ホスト構成では vSAN ESA は利用できない為ご注意下さい。
まとめ
vSAN ESA を利用する事により、ストレージ容量をより効率的に利用する事ができます。また、パフォーマンスも向上していますので、vSAN ESA が選択できる構成の場合、積極的に vSAN ESA を利用していきたいです。
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