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Big Surで文鎮化したMacBook Proを復旧する

Last updated at Posted at 2020-12-24

###まず始めに...


この記事は今年は水没しなかったTokyo City University Advent Calendar 2020の25日目の記事です.
前日はましま氏の友人とともにCNCペンプロッタを作ってみたお話でした.

###導入


先日発表されたmacOS Big Surをご存知でしょうか.
このBig Sur, 「MacBook ProのMid2014モデル対応」と謳われていたのですが, アップデートを実施することで起動しなくなる=文鎮化するという報告が多数なされていました.
macOS Big Surアップデート中にMacが文鎮化するトラブルが多発

Macのアップデートで文鎮化はほぼ毎回のように話題に出ているので, 今回も限られた一部の人だけが発症してるんだろう...そう思って意気揚々とBig Surのアップデートを実行したところ

見事に文鎮化しました.

これといった解決策の書かれたサイトも見つからないので, 誰かの参考になれば, ということでクリスマスプレゼント代わりに置いておきます.

###概要


実のところAppleもこの問題を認識しているらしく, 公式で対処法を発表しています.
If you can’t install macOS Big Sur on certain 13-inch MacBook Pro computers from 2013 and 2014
それならこの記事必要ないじゃん! と思うかもしれませんが, そうは問屋が卸さないということで...

まずは事態の概要から見ていきましょう.
文鎮化した僕のMacBook Proの詳細を記載しておきます.

モデル:MacBook Pro retina 13" Mid2014
CPU: i5, 2.6 GHz
RAM: 8 GB
SSD: 128 GB
アップデート前OS: macOS 10.15.7 Catalina

今回, 文鎮化報告の多数は13インチのMacBook Pro Late2013, Mid2014に集中しているようなので, 僕の端末も当てはまります.

症状はBig Surアップデート中の再起動後にブラックアウトで文鎮化.
電源を入れるとバックライトは点灯するが画面は暗いまま. 林檎マークも表示されない.
キーコンビネーションは一切効かず, macOS復旧やPRAMリセット等も不可能.
外部モニタへの出力も当然不可.
Catalinaが入っている別のMacのSSDと交換しても起動せず.
といった具合です.

ちなみに上記のAppleの解決方法はキーコンビネーションが使えることが前提であり, それができないのであればAppleサポートに連絡してくれ, となっていますが, Appleに連絡してもロジックボード有償交換がオチでした. しかも生産終了品のため在庫がなければ有償修理すら不可能...

ネットの情報を見ているとどうやらEFIファームウェアの破損が原因らしいのですが, EFIファームウェアの上書きもどうにかして本体を起動しないとどうにもならないわけで...

では万事休すなのかと言えば決してそうではなく, とりあえず結果から書くと

OS 起動可不可 備考
OS X Marvericks~El Capitan 可能 I/Oボードの有無関係無し
macOS 可能 I/Oボードの有無関係無し
となりました.
要するにどうにかなった訳です.

根本的に解決したのかは疑問が残りますが, まぁ起動すればOKということで.

###方法


長い前節を経ていよいよ本題です.
方法とは言ってもI/Oボードを外すだけなのですが.

くれぐれも自己責任でおねがいします.

####1. I/Oボード無しで起動できるかの確認

まずMacBook Proの裏蓋を開けてバッテリコネクタを外し, I/Oボードとロジックボードの接続ケーブルを外します.

ここでAppleのサポートは消滅します.
バッテリコネクタのみを接続し直し, command+Rまたはoption等の適当なキーコンビネーションで起動できるか確かめます.
ここで起動できない場合は残念ながら今回の手法は使えません.

####2. Mavericksのインストール

EFIブートROMを書き込むために一度Mavericksをインストールします.
正直EFIブートROMを書き込んだ後にもHigh Sierraの動作が若干不安定だったので, これに意味があるのかはわかりませんが, とりあえずおまじない代わりにでもやっておきます.

command+RのmacOS復元や, 任意のバージョンのインストールディスク等適当な方法でMarvericksをインストールしてください.
Mavericksのインストーラは現在AppleのHPからダウンロードできないので, mas-cli等を使いどうにかこうにか入手します.

SSDをフォーマットせずに実行したら失敗したのでフォーマット推奨です.
当然データは消えるので, ターゲットディスクモードやシングルユーザモードでデータの移行をしておきましょう.

####3. EFIブートROMの書き込み

Mavericksを入れたらEFIブートROMを書き込んでいくのですが, Appleから落としてきたpkgファイルを実行しようとしても「もう最新バージョンが入ってるから意味ないで」というようなメッセージが出て実行できません.
そこで以下のように操作を行います.

  1. AppleからEFIブートROMのDL
  2. pkg内のscapファイルを取り出して
    sudo bless -mount / -firmware /path/firmware.scap
  3. 再起動

この処理をした後, I/Oボードをつけた状態でHigh Sierraにアップデートしたら見事に起動しなかったので, 十中八九失敗してます. (Sierraは起動しました.)
何か他にやり方がありそうなもんですが全くわかりません. 教えてエロい人.

####4. Big Surのインストール

何が最適な方法なのかはわかりませんが, 今回僕は検証も兼ねて

  1. Mavericks
  2. Yosemite
  3. El Capitan
  4. Sierra
  5. High Sierra
  6. Catalina
  7. Big Sur
    の順番でインストールしました.
    ただ, Sierra~Catalinaの時, すなわちBig Surを除くmacOS時にI/Oボードを接続していると起動しなかったので, 任意のOSをインストールする前に一度Big Surまで駆け抜けるのがミソなのかなと.

####5. I/Oボード再接続
一度システム終了してから, 1で外したケーブルを再接続してBig Surの起動確認をします.
(tweet内の「モッサモサ」は再起動で解消されました)

ここで起動しない場合はI/Oボード無しでの運用若しくはOS Xでの運用になります.
I/Oボードが無くても右側I/OポートとWi-Fi, BTが使えなくなるだけなので...

####6. 任意のOSにダウングレード
必要であれば, 適当なインストールディスクを作成する等して任意のOSにダウングレードしてください.
一度Mavericksに戻し, El Capitan -> High Sierra -> Yosemite -> Catalinaの順でインストールしましたが, Big Surインストール後ではI/Oボードを付けたまま全て正常に起動できました.

###終わりに

ここまでやっておいてなんですが, Macの起動プロセスが「POST -> ジャーン -> EFI」らしいので, EFIというよりもPOST(Power-On Self-Test)の方で問題が起きてそうな気もします.
とは言えI/Oボードは他のMacBook Proで普通に使えたので, ロジックボードとの相性問題でしょうか.
そういえば再度インストールしたBig Surのバージョンが11ではなく11.1でした.
ということは今回の故障は初期Big Surによるファームウェアアップデート時の破損ではなく, 元々の仕様でI/Oボードとの相性悪化が原因...?

最初I/Oボードを取り付けた状態でOS Xは正常に起動できてmacOSは起動しなかったことも気になりますが, ま〜〜〜サッパリです.

と、いうわけでいかがでしたか?

今回はBig Surに文鎮化されたMacBook Proの復旧方法について調べてみました!

やはり林檎なだけあって, 本質は皮に包まれて改善できませんでしたね!

しかし, 難易度が高いほどモチベーションが上がると言うもの!
今後もAppleの動向から目が離せませんね!

それでは, ここまで読んでいただきありがとうございました!

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