#概要・経緯
後輩がこれからエンジニアとしてのキャリアをスタートさせるとのことで、自分がこれまで大変お世話になってきたコンテンツ・やってきたことなんかを記事にまとめておこうと思い執筆。
また、技術の養成と同時にキャリアについて考えるのも重要だと思ったので、今回は技術(業務)・キャリアの両方に焦点を当てながらまとめていく。上から目線で恐縮ではあるが、どのコンテンツも非常に良質というか、説明が丁寧で分かりやすいことこの上ない。前提知識があまりない状態でもストレスなく理解していけるのが何より素晴らしいので、是非参考にしてもらえたらと思う。ちなみに私がつくったコンテンツは特に含めておらず、特に宣伝的な意はないのでご安心を。
※内容は2020年7月時点のものです。
##技術/業務編
主に用語を押さえる目的で利用。抽象的な解説がほぼ見当たらず、納得感を持って用語を理解できる。
特に1年目とかで開発現場入りたての時期は、技術的に期待されることはあまりないため振られるタスク自体は重くないのだが、如何せん飛び交う用語が一々分からなくて手が止まりやすい。
「DNS」や「テーブル」といった日常的に使われる用語もひとつずつ押さえていけばなんてことないのだが、知的負荷が高い環境下での作業だと固有名詞ひとつとってもバカにはできない(意味が分からないとその分無駄な質問や調査に時間を取られ、先に進めなくてコストがかかる)。すぐ調べる習慣を身に付ける上でも是非利用してほしい。
筆者(私)は入社当時、社内研修にてJavaが採用されていたのだが、まー意味が分からなかった。
特に理解に苦しみやすいとされる「オブジェクト指向」では自分も例に漏れず詰んでいたし、というかその前段階の「メソッド」「クラス」あたりから思考停止しかけていた。「関数だよ。鯛焼きの型みたいなもんだよ。」みたく図示しながら説明されていたらあんなにツラい思いはしなかったであろう。
そういう、一回説明を受けたときに生じるような疑問をきれいに解消してくれるのがこのサイト。今より結構前に書かれている記事が多いが、考え方としては今後も相違なく使っていけるものであるし、実際Javaに関してかなりイメージがしやすくなると思う。何かしらのコンテンツで学習しながら並行して使うと◎。こういう丁寧で分かりやすいサイトがあるよという意を込め紹介。
Qiita記事。新卒入りたての頃、全項目を印刷していつでも見れるよう鞄に忍ばせていた。お陰で現場での立ち回りや質問の仕方、今後考えるべき指針などに関して迷いを減らしてくれたように感じる。かなり情報量が詰まっているので、一気見するよりこまめに見て確認するのがいいかも。読み物的に流してもいいけれど、あんまり先輩や現場が教えてくれないようなエッセンスが1本に凝縮されているので本当にオススメ。ぶっちゃけ最初の最初はプログラミングとかのハードスキルよりも対人のソフトスキルを訓練した方がいいような気さえするからなおさら。伝え方は本当に重要っす、、、()
所謂「競技プログラミング」と呼ばれるもので、問題が与えられ規定時間内にプログラムを作成。解決に要した時間や完成度の高さなんかを競うオンラインコンテスト。
結構難易度が高かったり実務には直結しなかったりなど、賛否両論あるにはあるが、一つの問題に対して色々な人の解答を参考にできるため刺激にはなる。漫然とGitHubのソースを眺めたりするよりは実用的というか身になる活動になると思われる。
以下、動画コンテンツをいくつか。
こちらではプログラムを書くにあたって必要な考え方、手の動かし方を丁寧に解説してくれている。とりあえず基本的な文法とかは学習したけど、「書いて」と言われると何から手を付けていいのか分からない。総じてプログラムを考えて書けない。この初心者特有の書けないスパイラルを見事に解決してくれる良コンテンツ(と感じるほど筆者には有益な情報だった)。有料・無料関係なく、この考え方を実演込みで教えてくれるところはあまりないと思うので、是非参考にしてほしい。個人的にはお金を払ってでも教えてもらう価値ある動画だったと思う。
まっつんぱっつん氏による言語習得プロセス解説動画。ご自身ではこれまでスキル習得に相当時間を要してきたと別動画でも語られており、なかなか身に付いてる実感がないという人が次に何をするべきか丁寧に明示してくれている。新しく言語を学んでみようとするときはある程度このプロセスに従ってみると習得が早まるかもしれない。彼はフロントエンド(主に画面側)専門だそうだが、サーバーサイド(主に内部処理側)を専門にしたい人も大いに参考になると思う。
Web系・業務系に関係なく知っていて損しない情報であると思う。「エンジニアたる者、何か革新的コードとか書いて頑張らないといけないのでは」と身構えていた当時の自分にも教えてあげたい本動画(動画内に出てくる「ITエンジニアの仕事は99.9%既存の誰かの仕事の組み合わせ」というのがまさにそれ)。
前の会社の上司に「こういうのはそこまで覚える必要はない」と言われたが、個人的には知っていて損するものでもないと思うし、仮にコーディング規約等が決められていても自分の中で工夫の余地を持てるかどうかで色々選択肢が増えるからいいじゃないか、と考えている。
有益な情報であることには変わりなかろう、ということで紹介することにした。あと、業務においても結構大事なことを言っているので参考にしてほしい。
株式会社div代表取締役の真子社長が運営するチャンネルの動画。啓発系やライフハック的コンテンツが多いが、個人的に一番ためになったのはこの動画。Webがどういう仕組みで動いているのかを短時間で体系的に知れるという意味で非常に有益。Excelしか使いませんみたいな人ならともかく、Webに1ミリでも関わる可能性があるなら必須の教養なので是非とも押さえておいてほしい。
真子社長といえばこっちの動画も業務の上では重宝するから知っておくと色々楽。時短テクはなんぼ知っていてもいい。
こちらはYouTubeチャンネル。業務未経験の方や業界をあまり知らない方向けにも非常にオススメしたい。
技術・業務風景・キャリアに関してバランスよく取り上げてくれており、「そうそうそれが知りたかった」みたいな痒い所に手が届く情報満載で見ていて勉強になるし楽しい。キャリア初期にはもちろん、この動画のようにデスク環境なんかも紹介してくれていたりして参考になる(家でも長時間の作業をする際にはなるべく快適な開発環境をつくるべきだと自戒を込めて書いておく())。
動画学習プラットフォーム。エンジニアが学習するにはうってつけのサイトで、各コース金額設定が高めに設定されてあるが、しょっちゅうセールで¥1,500とかになってるから安い時を狙って買うべし。また、購入後も30日間の返金保証もあるので、合わないと思ったら返金手続きも可能。ちなみに無料コースでもかなりクオリティが高いコースもあるので、気になったら積極的に視聴するべし。また、日本語に限らず英語のコースが非常に秀逸なのでそちらも是非。
##キャリア編
界隈では言わずと知れた重鎮、勝又健太氏の動画。基本的にはキャリアに関する情報発信が中心だが、あえて情報収集の手段について触れてあるこちらの動画をとりあげた。技術に関することで最新のトレンドを追う場合は、この動画に紹介されているような手法を試すと吉。また、筆者個人の意見としては必ずしも最新のトレンドを追う必要はないと思っているものの、あまり情報感度が高くないというのは技術者としてあんまりイケてないという印象もあるので、こちらも知っておいて損はないというスタンス。
ちなみにこの方のチャンネルはがっつり専門的なところに触れているので、あまり知識がないうちに見ると「???」となる動画も多々ある。勉強する傍ら参考にみるとちょうどいいかも。
スマホアプリ開発黎明期からエンジニア活動を続けているあんまさ氏による発信動画。ご本人は既に個人開発で生じた収益のみで不労所得が得れる状況下にあるそうだが、そのような立ち場も踏まえて個人開発やフリーランス活動に対し、比較的中立かつ現実的な見解を示してくれている。個人的にはバイアスが少ないと感じる発信が特に好きなので、今回取り上げた次第である。
こちらはiOS開発の発信をはじめ、YouTubeで活動しているKBOY氏の動画。本動画では質問する際の注意点や、質問された側の心境等も合わせて解説をしてくれている。そしておそらくほとんどの現場でこうなんだろうなと筆者も感じるため、参考までに。
また、彼のチャンネルでは会社員時代の小話がおもしろく、そういう世界があるのかと思いながら見ることができるため息抜きとしても楽しめると思う(これは完全に個人の感想)。
現役でIT企業の人事を務める毛呂淳一朗氏による発信動画。どうしてもエンジニアからの情報となると市場の状況や技術以外のキャリア情報に関して偏りが出がちになってしまうが、この方の場合は人事の観点から最新の市場の動向なんかも発信してくれているため大変参考になる。本動画で取り上げている話題に関しても、筆者がエンジニアであるというバイアスが当然あるが個人的には大いに賛成である。
一部インフルエンサーに噛みついていることを批判されていたりするが、総じて有益な情報を発信してくれていると思う。とはいえ、自分の目と耳で市場の動向を確認することも怠らず参考にしてほしいと思う次第である。
ともすた合同会社代表、株式会社エイチツーオー・スペース代表取締役のたにぐちまこと氏による発信動画。
業界が隆盛して以来騒がれている「エンジニア35歳定年説」に対する見解を示してくれている。どの発信者も一度は話題にする内容であるが、ご本人の経験談も交えながら分かりやすく解説されているのが好印象だったためここで紹介することにした。
また、先に取り上げた動画学習プラットフォームのUdemyでも講師を務めており、大変評価が高いことで有名。筆者もPHP学習においては大変お世話になった。質問に対する応対も大変丁寧で早いので、彼のコースを受講するのは大いにオススメする。
外資系IT企業で営業を務め業界トップの成績を残したことで知られる宇都宮隆二氏によるWebエンジニアに対するキャリア解説。ご本人もObjective-CやPHP等の開発スキルがあり、ITやその他あらゆる業界に精通する経歴や知見を持つ。
総じてプログラマーやテスター等の下流工程よりも要件定義や基本設計といった上流工程に身を置くべきだと主張されている。これまでのエンジニアたちとは意見を違える内容も多いが、将来的に選択肢を持ってキャリアを見つめるという意味ではこのような見解も視野に入れるべきであろう。なにより事実ベースかつ経験に裏打ちされた確かな発信内容であるため、発信の信頼度はこの上なく高い。と思っている。
ちなみに本動画で我々駆け出しエンジニアに有益な情報は動画の14:33~あたりからなので、そのあたりから重点的に見てほしい。
##まとめ
まだまだ紹介したいコンテンツは山のようにあるが、今回は筆者が特に参考にしていた(一部現在も参考にしている)情報をまとめてみた。
これから業務に携わる方は特に、今後のエンジニア人生を幸せに働いていくため、今の自分には何が不足していてこれから何が必要なのかを、技術面とキャリア面の双方で考える視野の広さを大切にしてほしいと思う。これはおそらく意識しているかしていないか、そのような機会に触れるのが早いか遅いかの違いでしかないと感じている。どうせなら早いうちに色々なものを吸収して考えて力をつけてステップアップしていった方が企業にとってもあなたにとっても有意義であると感じる。
大そうな解説と所感でつづってきたが、私自身もどんどん調べて試して失敗してという渦中にいる。
どんどん前に出て挑戦する技術者が出る、そんなエネルギーに満ちた界隈があってもいいと思っている。
これが我が後輩に幾ばくかでも伝わってほしいと願うばかりである。