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メインフレームモダナイズ、AWS Mainframe Modernizationで実現する新しい価値

Last updated at Posted at 2023-12-07

AWS Mainframe Modernizationとは

メインフレームは企業の基幹業務を支える重要なシステムですが、メインフレームは老朽化や技術的負債などの課題を抱えており、クラウドへの移行やモダナイゼーションが求められています。
AWS Mainframe Modernization は、オンプレミスのメインフレームアプリケーションを AWS 上のクラウドネイティブで完全マネージド型のランタイム環境に移行してモダナイズできるサービスです。

AWSメインフレームモダナイゼーションは、メインフレームアプリケーションをマネージドランタイム環境にモダナイズするのに役立ちます。AWS移行とモダナイゼーションの計画と実装に役立つツールとリソースを提供します。既存のメインフレームアプリケーションを分析し、COBOLまたはPL/Iを使用して開発または更新し、アプリケーションの継続的統合と継続的配信(CI/CD)のための自動パイプラインを実装できます。クライアントのニーズに応じて、自動リファクタリングとリプラットフォームパターンのどちらかを選択できます。

オンプレミスのメインフレームアプリケーションをAWS上に移行させることで、コストの削減やビジネスの俊敏性といったメリットがありそうです。

サービスに着目した理由

入社以来、モダナイゼーション案件のプロジェクトを多く経験し、現在はリホストのプロジェクトに参画しています。プロジェクト外でAWSの学習を行っているのですが、その中でAWS Mainframe Modernizationのサービスを知りました。また、私の所属組織がメインフレームのモダナイゼーション案件を担当する組織でもあることから、AWS Mainframe Modernizationについて理解を深めたいと思いました。

移行方法(リプラットフォームとリファクタリング)

アプリケーションのクラウドへの移行戦略として6Rがあります。

  • リホスト:既存システムのハードウェアとソフトウェアをそのままクラウドに移行する方法
  • リプラットフォーム:既存システムをクラウド対応のプラットフォームに移行する方法
  • リファクタリング:既存システムをクラウドネイティブ化するために、アーキテクチャを刷新する方法
  • 再購入 (Repurchase):クラウドで提供されているサービスを新規に購入する方法
  • 保持 (Retain):クラウドへの移行を実施しない方法
  • リタイア:既存システムを廃棄・削除する方法

6Rのうち、AWS Mainframe Modernizationでは「リプラットフォーム」と「リファクタリング」のサービスを提供しています。

【AWS Mainframe Modernizationのサービス画面】
aws mainframe modernization.png

① リプラットフォーム:Micro Focus Enterpriseソリューション

メインフレームの機能をエミュレートするソフトウェアであるメインフレームマネージドランタイムを利用することで、メインフレームアプリケーションをそのままEC2で動作させることが可能になります。具体的には、メインフレームアプリケーションのコードやデータは、そのままEC2のインスタンス上に配置します。そして、メインフレームマネージドランタイムをインストールして起動することで、メインフレームアプリケーションを動作させることができます。
つまり、アプリケーション資産やチームへの影響を最小限に抑えながらアプリケーションを最新のクラウドベースの環境に移行することができるため、以下のようなメリットがあります。

  • アプリケーションの言語、コード、アーティファクトを維持するため、アプリケーションの知識とスキルを維持できる
  • アプリケーションの変更は限定的であるため、移行のリスクを低減できる
  • インフラストラクチャとプロセスの近代化により、アプリケーションのパフォーマンスとセキュリティを向上させることができる

② リファクタリング:AWS Blu Age

AWS Blu AgeはレガシーアプリケーションをJavaに自動的にリファクタリングして、AWSクラウド上で最新のJavaベースアプリケーションとして実行できるサービスです。AWS Blu Ageを活用したリファクタリングの進め方は以下の通りです。

  1. インベントリの分析
  2. 依存関係の分析
  3. リファクタリング
  4. テスト
  5. デプロイ

レガシーアプリケーションの機能やパフォーマンスを維持しながら、アプリケーション全体を最新技術で書き換えることができるため、以下のようなメリットがあります。

  • 機能の同等性を維持しながら、レガシーアプリケーションスタック全体とそのデータレイヤーを最新のJava ベースのアプリケーションに変換してモダナイゼーションを加速する
  • Angular ベースのフロントエンド、API 対応 Java バックエンド、最新のデータストアにアクセスするデータレイヤーを備えた多層アプリケーションを作成する
  • プロジェクトの自動化を促進し、スピード、品質、コスト削減を実現し、ビジネス上のメリットをより早く実現する

AWS Blu Ageに関する学習コンテンツ

AWS Program.png
AWSパートナー向けにはなりますが、AWS Blu Ageを活用したリファクタリング手法について学ぶことができる研修が提供されているようですので、興味がある方は受講してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ミッションクリティカルな領域において不可欠なメインフレームは堅牢性や安定性には定評がある一方、システムの老朽化や技術的負債などの課題を抱えており、レガシーシステムからの脱却の動きは高まっています。
AWS Mainframe Modernizationを活用することでレガシーアプリケーションの移行やモダナイズを安全かつ効率的に行うことができるだけではなく、クラウドのスケーラビリティや柔軟性を活用してビジネスの変化にも迅速に対応することができます。
モダナイゼーションの手法やツールは様々なものがありますが、モダナイズ案件でのAWS Mainframe Modernizationの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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