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東京都のCOVID-19陽性患者数に指数関数とロジスティクス関数をフィッティングしてみた

Last updated at Posted at 2020-04-02

背景

世界のCOVID-19感染者数のトレンドを指数関数とロジスティクス関数にフィッティングし、倍増する期間を計算している人がいました (https://github.com/aatishb/covid) ので、clone して東京都が公開している患者数のデータに当てはめてみました。

なぜ東京都かというと、全国のデータだと地域による事情の差が一つの分布に紛れ込んでしまうので、限られた地域で理想的な感染爆発のモデルに当てはめるほうが合わせこみやすかろうという考えです。また、国内では今一番リスクを抱えている地域でもあります。

分析方法や注意点は Notebook に書かれています。

結果

Notebook はこちらにあります: https://github.com/msakuta/covid/blob/master/curvefit-tokyo.ipynb

** Based on Most Recent Week of Data **

	Confirmed cases on 2020-04-02 00:00:00 	 587.0
	Confirmed cases on 2020-03-26 00:00:00 	 212.0
	Ratio: 2.77
	Weekly increase: 176.9 %
	Daily increase: 15.7 % per day
	Doubling Time (represents recent growth): 4.8 days

** Based on Logistic Fit**

	R^2: 0.9753797360404987
	Doubling Time (during middle of growth):  12.02 (± nan ) days

** Based on Exponential Fit **

	R^2: 0.975379736914424
	Doubling Time (represents overall growth):  6.01 (± 0.38 ) days

image.png

注目すべきはR^2の値で、指数関数とロジスティクス関数の両方で0.97を超えており、典型的な爆発的増殖の軌跡をたどっているとみることができます。

直近の1週間の件数ベースでは倍増期間は4.8日、ロジスティクス関数では(最大勾配点で)12.02日、指数関数では6.01となっています。

外挿した場合

指数関数を外挿するのは一般的にはあまりいいアイデアではありませんが、仮に指数関数的成長が続いたとすると、30日後には2万件程度になっている計算です。

image.png

もちろんこのように推移するとは簡単には結論付けられません。都も外出自粛要請を出していますし人の認識もここ数週間で大きく変わりました。早く収束する可能性も十分にあると思います。
ただ、このグラフを見て「ぎりぎり踏みとどまっている」というのはかなり能天気なのでは……と思わざるを得ません。

COVID-19の恐ろしいところは無自覚な潜伏期間があり、この間にウィルスをまき散らしている可能性があるということです。この潜伏期間は日本感染症学会によると (https://www.kansensho.or.jp/ref/d77.html) 1~14日となっていますが、対策を取ってから効果が出るまで最長で2週間ほどの遅れがあるということです。個人的には今緊急事態宣言を出しても遅すぎるぐらいではないかと思います。

また、日本の検査数は外国に比べてかなり少ないので、未検出の感染者がどれだけ潜んでいるかは未知数です。

さらなる難しいところは、事態が毎週のように激変するので、普通の人の感覚が追いついていない部分があると思います。しかし東京だって、1か月後にはニューヨークのように病院から溢れた遺体を冷蔵庫に保管しているかもしれないのです。

幸い感染者数のデータは毎日更新されるので、できるだけトレンドをウォッチしていきたいと思います。

参考

Notebook のオリジナルの作者にも紹介されていますが、以下の動画はとてもお勧めです。

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