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【ゲーム開発】感想をN倍貰うアンケートの取り方

Last updated at Posted at 2021-12-13

この記事は、ゲーム制作者が自由な記事を作るアドベントカレンダー 12/14の記事です!
https://adventar.org/calendars/6783/

それなりにDLされてるのにSNSでも反応が少なくレビューも少ない上に辛辣・・・
エゴサしても感想を書いてる人がいない・・・

それアンケート取れば解決できるかも!?

という事でベータ版など含めて10回以上アンケート取ってるので、実践しているゲームのアンケートの取り方をざっくり解説したいと思います

まとめ

アンケート取れば何もしないのに比べて感想が10倍以上(当社比)集まる事もあるよ
アンケート作るのはそんなに難しくないし、手間もそんなにかからないよ
アンケート取るとフィードバックが得られるから改善点が見つかるよ
アンケート取るポイントをざっくり解説するよ

何故アンケートを取るのか?

 アンケートというと、たくさんの人に答えて貰って統計がどうのこうのみたいなイメージがあるかもですが、ゲーム開発においては統計とか取らない単発のアンケートでもやる意味があります

・感想を効率良く集める

 DM、SNSやストアレビュー等公開の場所に感想を書くのには抵抗がある人が多く敷居が高いです
だからエゴサーチやストアレビューを漁るよりも、アンケートを行う事で効率的に多くの感想を集められる可能性が高いわけですね
さらに、わざわざアンケートに協力してくれる人は褒めてくれる事が多いのでモチベも上がりやすいです

・面白さの確認

 テストプレイしすぎて何が面白いか分からなくなった時に他人の意見はとても参考になる事があります

・課題の発見

 ゲームを知り尽くしてる作者本人だと気づかない問題を見つける事が出来たり、バグを見つけてくれる事もあります

どんなアンケートがあるのか?

大体3パターンぐらいに分かれます
アンケートの取り方自体は大きくは変わらないと思いますが、設問は目的に合わせて考えています

・運営中/アップデート中

 継続的にアップデートしたり追加要素開発中のゲームで、アプデ内容やイベントが良かったか数値的に改善されたかどうかを定量的、定期的に計測する等

・クローズβ/体験版/早期アクセス

 開発中のタイトルで、課題を発見したり、長所を再発見、宣伝コピーのネタにする等

・製品版

 次回作に向けてユーザーの声を集める、感想を聞いてモチベーションアップにつなげる等

どれぐらいアンケートが集まったか?

Webアンケート回収率が一般的にどれぐらいか軽く調べたのですが、アンケート回答率を公開しているゲームの事例が見つからなかったので自分の例を載せます

・Frontier Black smith

 武器屋を経営する難易度高めのシミュレーションゲームです

 オープンβ中はアプデ毎にアンケート収集、また公開と同時にアンケート収集しました
 アンケートURLは付属のドキュメントに記載して、ゲーム内からのアンケート誘導は弱め

 公開初期の頃で50DLに1件程度の回答率、公開から日が立つほど回答率は下がって累計では70DLに1件程度の回答率
 2つのDLサイトでレビュー13件に対して、アンケート回答は260件
 自由記述欄に回答した人はその内約100件で、160件は選択肢の評価のみ記入

・ベータでの版アンケート

 3タイトルで延べ10回程度収集した事があります
実施毎に変わるがDL数は50~300程、DL数に対する回答率は10~15%程でした
 アンケート誘導はDLページと付属ドキュメントに記載したり、ゲーム内から誘導したりしたが目に見える回答率の違いは無かったです

・自分の例の分析

 βや体験版の段階だと、わざわざ作者ブログまで来てゲーム探すモチベ高いユーザーが多かったり、元々ファンの人が多かったりで回答率が高くなってます
 Frontier Black smithはアンケートへの誘導が弱かったので回答率がSteamの平均レビュー率より低いです、誘導を改善すれば回答率を上げる事も出来たかもしれなかったので課題を感じます
 とはいえレビューに比べて感想が集まったし、参考になる意見も多く得られました、モチベーションにも良い影響があったし、多くの物を得られたと思います

 感想欲しかったらSNSやってマシュマロ設置してSteamで出してレビュー誘導してエゴサしてアンケートも取るまで全部やるのが一番ですね

アンケートの取り方~サービス選び

 昔はパッケージに封入してある紙のアンケートハガキなんてのもありましたね

 今はWebアンケートサービスを使うのがお手軽です
イベント会場でその場で答えて貰うにしても集計が楽なWebアンケートサービスを使うのが便利そう

・ツイッター投票

 サクッと作って素早く結果を集められる
 最大4択の選択式の設問のみなので聞ける事が限られるがお手軽で便利
感想を集める目的だとあんまり向いてないけど、ピンポイントで改善した方がいいか確認するのには良さそう

・Googleフォーム

 Googleフォームを使うのが多分一番楽だと思います
 選択回答、自由記述他、基本的なアンケートの設問が作れて無料で使えるしスマホからの回答も対応!

 DLページや説明書にアンケートフォームURLを乗せるか、ゲーム内からGoogleフォームを開けるようにすると良いです

 「Googleフォーム 使い方」で検索すれば画像付きで解説サイトが複数見つかるので導入や設定方法の詳細は割愛します

 高度な使い方としてURLに回答を埋め込む事が出来ます
 例えばユーザーIDは何か? 何時間プレイしたか? ハイスコアはいくつか? どのキャラを使用したか?等を収集したい場合にゲーム内からURL指定してGoogleフォームを開く事で入力を省略する事が出来るのでいくらか回答の負担を減らせます

URLに回答を埋め込む例を解説してる記事

・その他のアンケート媒体

 基本的にGoogleフォームで十分ですが、難しい事もあります

・ブラウザ遷移を無くしてスムーズなアンケート回答体験を提供する
・非公開でプレイ情報と紐づけしてデータ収集する
・アンケートページを開いただけでなく、最後まで回答したかどうかを取得する

 この辺りがどうしても必要なら、費用や手間がかかるけどGoogleフォーム以外のサービスや自前実装も考える事になると思います、知らんけど!

アンケート設問のポイント

 回答率をいかにして高くするかが大事かなと思います
しつこくなく分かりやすいアンケートへの誘導をゲーム内に入れるのがまずは大事

・設問数を絞る

 設問を増やしていくと多くの情報が得られる反面、回答に時間がかかるので回答率が下がっていきます
なので必要な事だけを聞きましょう、5~10分で答えられるぐらいに抑える気持ちでやっています

・分かりやすく答えやすい設問にする

 設問文は分かりやすく簡潔に、主語を省いたり複数の解釈が出来る文章にしないようにします
また自由回答より選択式の方が答えやすいので、選択式で良い質問は出来るだけ選択式にしましょう
選択式回答+その他で自由入力の形も有効です

・複数の事を同時に聞かない

 例えば設問数を減らすために「良かった所や不満な所は何ですか?」みたいにまとめて聞くと、答えにくくなって回答時間は減らないし集計結果の確認も手間です、違う質問は分けて聞きます

・必須回答、任意回答

 選択式の回答は必須にして回答漏れを防ぎ、自由入力欄は任意回答にします
自由入力欄を必須にしても、特にないですと入力する手間が増えるだけです

・プライバシーへの配慮

 企業だと色々マーケティングやプロモーションに活用するのか設問してる事もありますが、年齢や性別など個人情報に関する質問は聞かないようにしています、自分の場合は聞く必要もなく怪しく見えたり回答率が下がる要因になると思うからですね

アンケート設問例

 よくある設問の紹介

 何を知る必要があって、何を知る必要が無いか考えて設問するか考えます

 感想だけ欲しいのであれば、面白さ5段階評価+良かった所+不満な所+自由記入欄の4つで十分ですが、ゲームの改善のためのマーケティングとして考えるなら、そこそこ設問数は多くなると思います

・まずは挨拶文/導入

 アンケート協力への感謝、アンケートの目的(現在のサービスまたは次回作の改善のため、感想が欲しい等)、回答予測時間、アンケート結果を個人を特定出来ない形で公表するかどうか、個人情報を収集するなら扱いをどうするかを書きます

・名前、年齢、性別、世帯構成、年収、SNSアカウントなどの個人情報

 基本的に個人情報は必要なければ聞かないようにします
コアターゲット層を知りたい具体的な理由があるなら聞いても良いとは思います

・ユーザーID

 サーバーにユーザーIDを保存して色々計測しているみたいな場合は、アンケ―トの分析をする上で連動させておいた方が良いと思います
プレイ時間とかプレイ開始時期とか聞かなくても良くなって設問数も減らせます

・どこまでプレイしたか、プレイ時間、ハイスコア等

 途中でやめた人と最後までクリアした人の意見を分けて分析すると得られる知見もあります
こういった回答欄はGoogleフォームの自動入力を使うと親切です

・新規/継続、前作プレイ済み/未プレイ

 β版テストを複数回やる場合や運営型のゲームの場合は聞きます
 UIを変更したが、継続テスターにはやや不評だが新規には前回より良い結果が出たら改善されているとなるとか、そういう分析が出来ます

・満足度 or 面白かったか

 5段階評価で聞きます、わりと高評価が出やすいと思います
 自由記述で良かった所を聞く前に点数を付けながら感想をざっくり考えてもらった方が後の質問も答えやすくなると思うので、統計とか取らなくても基本聞いたほうが良いです

・グラフィックの良さ、UIの分かりやすさ等

 個別要素の評価も、5段階評価で聞くとよいでしょう
 サウンド、チュートリアルなんかも分けて聞いても良いです。それぞれの要素が前回より改善したか、何の要素が評価されているか分析するのに使えます
 ただ設問数が一気に増えるのでメインが感想を貰うことなら細かく聞かなくても良いと思います。単発のアンケートだと比較対象が無いので聞く意味も薄くなります

・他人におすすめするか

 ネットプロモータースコアと言われる項目です、0~10の11段階で聞きます
 9~10を選んだ割合から0~6を選んだ割合を引いたスコアが満足度を聞くのに比べて業績向上との相関性が高い指標になるとかでアンケートに良く使われています
 満足度だとほぼ5点満点まで行っても、他人におすすめまでするかというと難しくなります
 暗に他人におすすめして欲しいと促す効果もあるかも?
 ゲームの場合、業界平均で何点とかはちょっと分からなかったので、アプデ前後でどうなったかとか前作と比べてどうだったかとか、知り合いでアンケート取ってる人はどうだったかとか調べないとあんまり計測する意味はないかも

・評価した点

 良かった所を聞きます、狙った所が評価されていたり、意外な所が評価されていたりで参考になったりモチベアップに繋がります

・不満のある点/改善して欲しい点

 作者が気づきにくい不満点が見つかったりします
あんまりネガティブな事を書かれすぎると凹むかもしれないけど、そんなに酷いことを書かれた事はないです
感想聞いて気持ちよくなるのが主目的なら無くても良いかもしれない

・他人におすすめするかの点数を付けた理由

 理由を掘り下げると新たな知見が得られると思います

 ゲームをヒットさせたいなら満足させるだけでは不十分で他人に勧めたくなるレベルまでいかないと厳しい
大ヒットなりバズるなりを目指してるなら聞くと良いと思います

・どこまで遊んだか/途中でやめた場合は理由

 ゲームのクリア率は良くて30~40%とかスマホゲームは初日で半分以上辞めるとか言われており、購入したゲームでも最後まで遊ぶ人は少数派だったりします。離脱ポイントを調べる事で改善が出来るので聞くことが多いです

・どこで知ったか

 SNS、口コミ、プレスリリース、広告、イベント出展、PV動画など色々試した結果何の宣伝が効果的であったか参考になると思います

・何故DL(購入)しようと思ったか

 各種広告やストアの文面、グラフィック、セールスポイントなどで何が有効だったか参考に聞きます

・課金しようと思ったか/したか?何があったら課金するか?

 スマホ向けのゲームだとこういう事を聞くのも大事そう、知らんけど

・次回作に期待する事/欲しい要素

 続編なり出す予定がなくても聞いても良いし聞かなくても良い

・各種人気投票

 気になる場合は人気投票するのも良いですね
アンケートフィードバック記事で話題にする事も増えます

・自由記入欄(感想/応援/要望/バグ報告など)

 最後に自由記入欄を用意しておくと、設問しそびれた事を聞けたり感想が貰えたりして嬉しいので設問するのが大事

・その他聞きたい事

 その他、気になっている事があれば自由に設問に入れましょう
 例えば自分のブログをどの程度の頻度で見に来るか、初期音量設定に問題が無いか、有料で出すなら何円まで払うか等を聞いた事があります

・お礼の文章

 アンケート送信後にお礼文を表示して、アンケートは完了です

アンケートあれこれ

・レビュー欄やSNSよりアンケートの方が感想が集まる理由

 作者以外に見られない、匿名性が高い、フォーマットが決まっていて答えやすい、気難しい作者もおり感想を欲しがっているというポーズを取っている事で心理的に感想を言いやすい等の理由が考えられます
 レビューやSNSの場合、良い作品なので広めたい or 時間や金を無駄にしたクレームを低評価で憂さ晴らししたい と言った別のモチベーションが出るので、ストアレビュー欄とは役割や誰に対する物かがそもそも違うと思います
 あと感想欲しい場合はアンケートだけレビューだけSNSだけでなく全部窓口を作って置くのが有効だと思われます

・アンケートを取るタイミング

 基本的にゲーム公開と同時にアンケートを集めます

 プレイ後時間が経つと記憶が薄れて答えにくくなるし、アンケートを取っている事を認識して貰いにくくなると思います
とはいえ多少間が空いていても何かの折にアンケート取っても良いと思います、多少は回答してくれます、きっと多分

 製品版の場合は期限を区切らず集めても良いですが、運営中や早期アクセス中のゲームはアプデ毎に収集期間を区切ります
UIの変更は直後でなく一定期間慣れて貰ってからアンケート取った方が良いと思います

・回答者のバイアス

 回答するのはプレイした人からランダムに何%ではなく答えたいと思った人だけが回答するので高評価にバイアスがかかります
 宣伝やストアを見て面白そうと思った人の中で、さらにアンケートを答えるぐらい好印象を持った人しかアンケートに答えてくれないので良くも悪くもアンケート結果は好評になりやすいです、その結果を分析すると見えてこない物もあります
 例えば序盤でやめてしまう人の意見が欲しい場合はアンケート分析では難しいかもなので、身近な人にテストして貰う方が効果がありそうです
 ゲームの場合、合わなかった人に向けて何か改善打つとターゲットがブレてよくない事もあります、バイアスがかかって好評が多くなっているアンケートを元に改善した方が逆に良かったりもあるかもなのでそこまで気にしなくて良い面もあるかも

・回答者への謝礼/インセンティブ

 解答者にお礼として何かを配布するとアンケート回答率向上や満足度向上に繋がるかもしれません
抽選配布にSNSアカウント等の入力を要求する場合は必須ではなく任意にしましょう

 β版のアンケートで名前をクレジットに載せたり製品キーを謝礼とする場合は、完成しなかったり問題がある名前を要求された時にそなえて、「載せます」ではなく「載せても良いですか」等と聞くようにしています

・アンケートに対するフィードバック

 アンケートの結果を公開する/しない、返事をする/しないは自由ですが、公開するなら配慮を
公開する予定がある場合は個人を特定できない範囲でアンケート結果を公表する旨をアンケートの最初に書きます

・アンケートで上から目線でアドバイスされたり酷評されたり変な意見が来そう

 リアルやSNSでアドバイスなりされると、相手に返事しないと感じ悪いし無視しにくかったりしてムカつく事もあったりしますが、アンケートだとその辺は気楽だし、結局100%自分に決定権があるし別にそういうのが来ても気にはならないです

・ゲーム会社もやってるの?

 任天堂がアンケートでポイント集めてマイニンテンドーでグッズを配布とかしてたり、多くのゲーム会社がアンケートを収集しているみたいです
 どういう風に活かしているかは企業秘密みたいですが、体験版フィードバックの記事書いて公表してる会社もあります
「アンケート ゲーム」「アンケート 体験版」なんかでググるといくつか事例が見つかります
自分もゲーム会社のアンケートを参考にしてアンケート作ったりしてるので、見かけたら答えてみるのも良いと思います

・統計とかが分からない

 平均値が前より上がった下がったぐらいの知識量で全然いけるし、点数で聞く質問無くても別にいいです

・アンケート駆動開発とかどうなの

 自分の場合、アンケート取りながら作ったゲームがアンケート関係なく3年迷走して完成しなかったので、銀の弾丸って事はないです
そもそも最低限遊べるβやモック段階まではアンケート取れないですし

・細かいことはいいんだよ!!

 設問に抜けがあったり、分かりにくい設問文だったり最初はアンケートの取り方の細かい部分で悩むかもしれませんがあんまり気にしなくていいです、自分も良く設問を入れ忘れたり別に聞かなくて良い設問を入れたりしてます!気にしない!!

最後に

 カレンダー序盤でアンケート取って、後半で結果発表する二段構えの記事でも良かったかもしれない・・・

 ということでせっかくなので最後にこの記事のアンケートも取ってみたいと思います
短時間で回答できるので、よろしければ是非協力お願いします

 ここまで読んでいただきありがとうございました、何かの役に立てば幸いです
それでは~

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