はじめに
Microsoftが11月12日にProfessional相当のCommunity版を公開しました。
Visual Studio Community & Express
Pro版は拡張機能が入れられたり便利ですが、5~6万円出して買っても二年ぐらいで古くなるしDreamsparkで手に入る学生ならまだしも、趣味でゲーム作ったりOSS開発してるレベルだと購入するか微妙でしたが、これからはProと同等のCommunity版を使えるようになったわけですね。
Communityの利用条件とProfessionalの違い
機能的にはCom版はPro版に相当し、違いはないとの事。
違いは利用条件だけで、大雑把にまとめると。
1.個人利用なら商用利用だろうが制限無し。
2.教育/研修と学術研究とOSS開発目的なら団体利用も制限無し。
3.年間売上100万$未満かつPC保有台数が250未満の団体は5ユーザーまで利用可能
4.3を満たしていても、委託開発の場合は利用不可
5.それ以外ならPro版を購入するかExpressを使おう
※正確な情報を知りたい人はホワイトペーパーをちゃんと読んでください
3についてはサイトによって記述が違うので、問い合わせて確認した方が良さそうです。
※12/2追記、日本語ページが修正されて、ほぼ同じ記述になりました
ホワイトペーパー(こっちだと100万$)
http://www.visualstudio.com/support/legal/dn877550
日本語のページ(こっちだと1億円)
http://www.microsoft.com/ja-jp/dev/products/community.aspx
PC250台以上で年間売上1億円を満たしていないケースは従業員が一人一台PCを持っていたとして一人あたりの売上が年間40万円以下なので、普通の企業の場合年間売上がネックに、非営利組織だとPC台数がネックになる感じでしょうか?
ソフトウェア開発者の人月単価的に考えて、年商1億円の条件だと開発者数10人程度になるはずなので、日本語のページには中堅企業や中小企業とありますが、小規模事業者と表現した方が誤解が無いように思えます。
学生や個人開発者、小規模スタートアップ、OSS開発企業は方針転換で得したと言えます。
5ライセンスフルに使うと30万円ぐらい節約出来るし、学生もわざわざDreamsprak登録しなくて良くなって楽です。
Express 2014以降の配布は予定されずCommunityに統合されるそうなので、Express版で開発している企業や団体からすると今回の方針転換は今後困る感じでしょうか。
やはりMicrosoft的にはWindowsStoreアプリを増やしたいとか、学生にVisualStudio使わせて将来の顧客にしたいとか、Expressで開発してる企業にProを売りたいみたいな思惑があるんでしょうか。
※追記:
「出す予定がない=出すか出さないかまだ決めてない」だったようでExpress2015は今まで通りリリースされたようです。
ちなみにOSI承認のライセンスでも社内利用(あるいは客先の社内利用)の場合、ソースコードを公開しなくても良いので、社内用のツール等の開発には緩い制限で何人でも使えるという抜け道があるように見えますが、MSが意図してるのだろうか?
あるいはGPLにして100兆円で販売した場合、入手した人はコードを再配布出来るが、実際誰も買えないので社内専用に出来るぞみたいな事が出来るような?(※やるならMSに確認してね)
ExpressとCommunityの違い
・拡張機能が使える
拡張機能を導入するとエディタの使い勝手等が向上します。一番重要。
・iOSやAndroid開発が出来る
Visual Studio Tools for Apache Cordova
まだ自分は試してないけど、そういう機能が使えるらしい
・複数エディション入れる必要が無い
Express版だとDesktop版とWindowsStoreApp版が別だったりしたが、Communityだと一緒になってたりして色々楽。
Express版は同じPCに違うエディションを入れてはいけない縛りになっているので、かなり違う。
(一人で複数のPCを所持していてそれぞれにインストールするのはOKなので、OS一本につきVisualStudio Expressが一つ無料みたいな感じ)
・その他
MFCやATLが開発出来る、Peek Definitionが使える、テスト機能やコード分析機能が強化されている等
拡張機能の紹介
まだ二週間しか使ってないので、有名所だけ。
C++がメインなのでC#系の拡張機能はまた試してないです。
殆どの拡張機能は無料で使えて、削除も簡単なので気軽に試すことが出来ます。
詳しい情報が欲しい場合は参考リンクの『Visual Studio 2012/2013 の拡張機能を紹介 (2)』を見て下さい。
Community版が出た結果、拡張機能の利用者が増えると思われるので、拡張機能の開発者も増えたりするかもしれないですね。
Productivity Power Tools 2013
解説サイト/非公式/英語
Microsoft製の定番拡張、とりあえず入れたい。
必要な機能だけON/OFF出来る。
入力中の文字のフォントが変わるのが嫌だったので、Syntactic Line CompressionはOFFにした。
VSColorOutput
エラーの出力結果が見やすくなる、これもとりあえず入れたい。
カーソル行の強調が効かなくなる場合があるそうですが、その場合「オプション>環境>フォント及び色>現在の行を強調表示する」の色を変更したらよいです。
Highlight all occurrences of selected word
選択した単語と同じ単語がどこにあるか分かりやすく表示される。
ただ、これを入れるCtrl+ClickでPeek Definition出す機能が効かなくなるっぽいので微妙かも。
RockMargin
縦スクロールバーにプレビューが表示されるようになります。自分には合わなかった。
スクロールバーのマップモードの設定と似ている。
CodeMaid
空白やタブ等の整形が自動で出来る。
ConfigurationのProgressingだけチェック外して使ってます。
プロ生ちゃん IDE
プロ生ちゃん(暮井 慧)をテキストエディターの背景に表示します、システムボイスとかも入れられる。
※以下は試してない
Visual Studio 2013 Tools for Unity
ゲームエンジンのUnity開発環境にVisualStudio使いたい人用。
Visual Assist
有料の拡張機能、30日は試用可能。IntelliSenseが強化されるとか色々便利らしい。
VsVim
vimをエミュレート出来るそうです。
感想
思ったより拡張機能便利でした。(小並感)
とはいえ、5~6万円だして2年前にPro版買っておけば良かった~って程便利ではないとは思います(個人的感想)。
他にお勧めの拡張機能あったら、VisualStudioタグで他の人も記事書いて欲しいですよ。
参考記事
「Visual Studio Community 2013」&「Visual Studio 2015 Preview」ファーストインプレッション
Visual Studio ProfessionalとExpressの違い
Visual Studio 2012/2013 の拡張機能を紹介 (1)
Visual Studio 2012/2013 の拡張機能を紹介 (2)