JDLAのE資格は、ディープラーニングの実装知識に関する資格試験です。
今年の3月までは、Pythonに興味はあったもののAIを学ぼうとは思ってもいなかった自分が、
GCI、マナビDXを経験して、E資格を受験してみようと決意するに至った経緯を起承転結の流れで思いつくままにまとめます。
0.マナビDXQuestとは
マナビDXQuestは、経産省と情報処理推進機構が主催する人材育成プログラムです。
このプログラムの目的は、デジタル人材の育成と、中小・零細企業のDX化、の二つとされています。
経済産業省 「マナビDX Quest」について
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/manabi-dx-quest.html
運営はBCG、学習コンテンツはSignateが提供しています。
受講生は、最初の1ヶ月でSignateのオンラインコンテンツでAI技術について学ぶことができます。その後の2ヶ月間は、PBLと呼ばれる架空のビジネス課題に対してITコンサルタントの立場でPoC(Proof of Concept)を顧客に提案する、という課題に取り組みます。課題の山場は、顧客課題解決策のためのAIモデル実装と顧客経営者へのプレゼン資料作成です。
1.起
きっかけは、純粋にPythonへの興味でした。
大学院で光半導体の電磁界シミュレーションをやっていた時期があるのですが、学部で習っていたC++を使うのかと思いきや、Fortranという古いプログラミング言語を使うことに。FortranもC++も可読性が高いとは感じなかったし、当時のプログラミングの教科書やオンラインの学習コンテンツに良質なものも無く、興味を失った経験があります。
就職後は、主にexcelやaccessをVBAで動かして100万件程度のデータ分析をする経験をし、データ分析の面白さを知ったのですが、VBAもまた、可読性が高い言語ではなかったので深く学ぼうとは思わなかった。
表1 各プログラミング言語の特徴比較(ChatGPT4により生成)
そんな中、Pythonの可読性の高さ、ライブラリの豊富さ、等をNewsや友人からの情報で知り、好奇心を持ちました。
2.承(2023/4~2023/7)
東大松尾研のメタバース講座の一つであるGCI2023_Summerへの参加について社内公募があり、申し込んだところ参加できることになりました。全15回、4ヶ月間の質の高い講義のおかげで、知的興奮を感じ続けながら学ぶことができ、初級レベルの機械学習を難なく扱えるようになりました。
GCIの良いところ
・中学生〜社会人(含む、育休取得中の方、失業中の方)まで、年齢も10代〜60代まで色々な方が受講している。
・年々参加者を倍増させていて、松尾教授はこのまま倍増させる構想のようだった。
・前年の優秀修了生を中心にしたTA(Teaching Assistant)が10〜20人いて、その方達が週数回、slackで1時間程度のオフィスアワーを開催してくれる。そこでは、授業内容に関する質問、お勧めの参考書籍、コンペの攻略方法、最終課題の取り組み方などをQ&A式に回答してくれる。
あるオフィスアワーで、GCI修了後の学習の進め方について相談したところ、E資格とマナビDXクエストをTAから紹介されました。E資格合格レベルとGCI修了レベルの距離感をTAに聞いてみたところ、GCI修了レベルはE資格出題範囲の2/3をカバーしているので、残り1/3=深層学習を身につければ合格するという、分かりやすい目安を示してもらえたので、チャレンジすることを決めました。
マナビDXクエストは、Signateのオンライン講座を無料で受講でき、画像認識に関する深層学習を勉強できる点と、地域の中小企業のDX化のお手伝いができる点が魅力で、参加を決めました。
3.転(2023/8~2023/10)
マナビDXクエストに2023年から8月から参加。終えてみた感想としては、PBLが楽しかったです。眠くなってきたので、良いところと改善して欲しいところを箇条書きして、本稿を締めくくりたいと思います。
良いところ
・受講生はほぼ社会人で、住所、職業、年代、性別、動機、が多種多様で興味深かったです。ソフトウェア開発会社のプログラマ、中小企業のSE、自然言語の研究者、などなど。普段の人生では関わることができなかったであろう方達なので、時間が許せば11月からの中小企業のDX化にも参加したかった。
・Signate Cloudの無料講座は内容が充実しています。デジタルスキル標準別、AI技術の分野別、などの括りで、多様な講座が公開されていて、すべて無料で受講できます。
・PoCの課題については、課題発掘〜AIモデル構築〜中期計画立案までベースラインは提案してもらえるので、時間がなければ、そのベースラインを改善して提出することも可能です。2ヶ月弱でPoCをやるのは時間的にきついので、ベースラインが示された点はすごく助かりました。(GCIの最終課題では基本的に自分で1から考える必要があり、1ヶ月という期間の短さもあり、より厳しかったです。)
・Slack上で受講生の投稿が活発な点。色んな外部イベントのアナウンス、自主的な勉強企画のアナウンスなど。
改善して欲しいところ
・Slackの情報整理をして欲しい。特に初期の頃は新規投稿が多過ぎて、運営のアナウンスを見落としそうになったことが何度もあった。
・受講に関する各種説明会の時間が長時間(4時間とか)が長いものが結構ありました。半日潰れるような説明会はどうかと思いました。長くても2時間くらいに、短くできないでしょうか。
不満に思う点は上記2点ぐらいで、全体としては非常に良くできた学習プログラムだと思います。
4.結
現在、E資格合格目指して勉強中です。
仕事しながら100時間/月のペースで勉強していますが、苦になりません。
E資格に合格したら、来年のマナビDXクエストに参加し、今度は企業のDX化にも参加します!
以上!