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【統計検定】自分のキャリアヤベェと絶望して奮起した40代が統計検定2級に合格するまで。

Last updated at Posted at 2022-11-20

突然ですが統計検定2級に合格しました!

この記事は、"データサイエンスに興味がある"、"久しぶりに机に向かって手を動かす勉強をする"、"自分の仕事・スキルが組織に最適化しすぎていて焦燥感に苛まれる"、"試験勉強とか久々過ぎて何から始めていいかわからないよぅ"、"ほかに統計検定の記事あるけど、なんか専門的過ぎてよくわからん、もっと泥臭いのないの?"、"専門家でもないけど、かといってズブの素人でもない、そんなちょうど[興味あるしちょっとやる気になってるんだけど~]という層"に向けて書きました。

著者の属性
理系卒40代会社員

大学院時代
統計や数学が嫌いすぎて全く単位を取ってない(標準偏差すら理解していない状態)
修論で指導教官から「t検定やれ」っていわれたけど、言われたとおりにエクセルにピコピコ数字入れてクリックして出てきた数字をコピペしたそれっぽく書いただけ。で、なんで卒業できたのか、マジで謎。とにかく当時は苦手でした。
通り一辺倒の文献読みやデータの読み方、くらいはできるけどデータから何かを計算することはとにかく苦手。

就職後
就職して数年後に品質管理講習を受けた。このとき初めてt検定や標準偏差の意味が分かった気になった。
ところが業務で使わない(本当は使わないといけないんだけど能力不足で実務に使うことができなかった→我ながらこのあたりが若いころ本当に良くなかった!!!)。

現在
統計や数学は嫌いだけど、エクセルの関数の楽しさにハマる。

「これ、人間がやる必要あるのか??」っていう業務に辟易して関数を勉強しだした結果、
MOS Excel Expertを取得。その勢いであちこちの業務効率化を推進する、社内自動化おじさん化する。
だんだんと効率化のネタがパターン化してきて面白くなくなってきたあたりで世相がAIや機械学習でざわつき出す。
業務でリサーチを行うことが増え、RPAやスクレイピング、もろもろの自動化が出来ないか検討する傍ら、PythonやRを触りだして、データサイエンススキル標準について知る。

そこから自分のキャリアを見直して、「多少世間的に信用のある資格がないと色々とヤヴァイんじゃないのか」「製造業に身を置いておいて数字に弱いのはちょっと恥ずかしいな」と、今更ながら思い腰を上げて流行りのAI・データサイエンスに照準を定めた。
ここで学生時代に逃げ続けた統計とあらためて対峙した。

というわけで、まとめるとこの記事の対象は、
「理系的科学的リテラシーはあるものの、数字は苦手、学校卒業してから紙とペンで勉強することしばらくなかったな」
な人向けとなってます。
もしくは、
書籍「統計学が最強~」などを読んだことがあって、読み物としての面白さは知っているものの、自分の仕事に未だ落とし込めていない方向け
でもあります。

まずはロードマップを書いた(雑に)
大学院卒業後20年近くたっていて、頭が「勉強したことをしっかり覚えて書き出せる」状態じゃ無くなってる。実際の仕事ではわからないことはすぐに調べられるし、むしを記憶だけを頼りに物事をアウトプットすることは禁忌中の禁忌、必ず確認、これ常套である。

まずは、自分の頭を「試験勉強」に慣れさせるために、統計検定3級の学習から始めることに。

統計検定3級の学習

統計検定3級の受験
受験会場のPCに慣れるためでもある。

統計検定2級の学習

統計検定2級の受験

完璧なプランである。
今思い返しても、3級を先に受けておいて本当に良かった。
受検画面やマウスのクリック感が、普段使っているPCと違うだけであんなに違和感感じて焦るとは思わなかった。
※普段からペーパーテストやCBT試験に慣れている人は飛ばしていいと思う。

3級受験までに受検に使った本

学習方法
とにかくパターンを覚える。
書いて覚える。
この本にも書いてある通り、人間書かないと覚えない、書きながらインプットとアウトプットを同時にやれるからマジお得。
この時、大事なのは「自分の書き癖にあったボールペンを用意すること」
著者はユニボールONEを愛用しています。ちょうどいい引っ掛かり具合で書き味が良くて
手が疲れにくく、長時間過去問解いていても苦にならなかった。
それまでに使っていたジェットストリームは滑りが滑らかすぎて手に力が入って疲れてしまう。
モチベーション維持のためにもお気に入りの筆記具を用意するのは好手です。

3級は出題がほぼパターン化していたので、とにかく表とグラフの読みでポイントを稼いで
計算問題でミスっても合格できるように、言葉の定義や読図は徹底的にやりました。

詰まった所
確率、特に条件付き確率
学生時代に倣った覚えがないことと、問題文の表現が実に独特で
心の中のサンドウィッチマン富澤氏が「ちょっと何言ってるかわからない」と叫ぶ事態に。

解決
数学ガールを一語一句覚えるように繰り返し読みました。
また、条件付確率は最初面食らったけれど、何パターンかの出題で
分母と分子に使う項目がどれになるかわえ分かればすぐに式を立てられるので
難易度の低い問題で多くのパターンを書いて解き方を覚えました。

統計検定3級を受験
ギリギリ合格
本番は悪魔的に焦ってほぼ記憶なし。
しかもCBT独特の罠にはまった。
著者の癖で、試験を受ける時は場に慣れるために少し早めに行く習慣がありまして、
試験開始の15分ほど前に到着して本人確認を済ませ着席、さぁ最後の
確認をしようかな、と思ったらまさかのこの時点で手荷物隔離!
え!?って思ってる間に係りの方が立て板に水のごとく説明を施して最後に、
「このラミネートシートとペンで計算下書きしてください」
「では、クリックして始めてくださいね(ニコォ」

そう、係りの方には全く悪気はないのだ、著者のことを「会場に早めに来るやる気満々の受検者」
と思われていたらしい(あとで聞いた)。
この時初めて知ったのだが、CBT試験は係りの方の事項説明終了後は好きなタイミングで自分でスタートできる。というか、席についてしまうとやることがないからスタートせざるを得ない。

予想外に復習時間を失ってしまったことから不意な焦りに襲われ、まさかのギリギリ合格でしたとさ。

そして2級受験へ。
3級受験を失敗しかけた教訓から、2級は本腰を入れて学習をすることに。

2級の受験までに購入した書籍とWeb、動画
書籍

正直いろいろ買いすぎた。
それぐらい必死だったってことで。
ただ、メルカリにたくさん出ているので、使わなくなった人から
ありがたく頂戴しましょう。

サイト

基礎、というよりは過去問の解説でお世話になりました。

とけたろうさんは動画で知りました。
動画の補完として、ブログに助けられました。

動画

ひたすら周回してました。

不偏分散のn-1を知るために繰り返し聞いてました。

学習方法
とにかく過去問が正義、ひたすら過去問を解く。
ボールペンでノートに書きまくる。
分母のσを何で割るのか?指に覚えさせた。
最初は写経状態でもよくて、出題に対する過学習を起こしてしまうけれど
過去問の出題パターンを頭と体に叩き込む。
3級から2級の間が開きすぎていて、いきなり難易度が上がってしまう感覚はあった。
Rを使った多変量解析の読み方が毎回出題されるが、R使ったことないと相当不利だと思う。
似ている言葉や似たような式がたくさん出てくるし、何度公式テキストを読んでも「なぜそうなる??」とう事態に直面することはしょっちゅうだった。
普通に会社行って働いて家族と過ごしていると一日のうちで統計検定2級の学習に避ける時間は
せいぜい30分、多くて60分だった。
公式や解法は、1日見ないと本当に忘れてしまうし、1日サボるとサボり癖がつくと思い、
1問でも解くようにしていた。

3級受験から半年くらいをこのやりかたで無理せずに学習して
合格ラインに到達できると見積もっていたが甘かった・・・。

2021年6月過去問むずかしすぎ問題にブチあたる。
購入していた過去問集は2017年までのもので、これを覚えるほどにやりこんでから、
初見の問題にどう対応できるかをロールプレイする目的で、試験1か月前まで
公式サイトに掲載されている最近の過去問には手を付けずにいました。

試験の1か月前に公式サイトからダウンロードした2021年06月実施分の過去問に
挑戦して、結果3割にも満たなかったのである。
この回の問題はそれまでに出題されてこなかった指数や不等式の定義を覚えていないと
解けない問題や、およそ試験時間中には計算時間が足りなくなるような問題など、
異常に難易度が高かったことをあとから知りました。

結果、
「え?自分が買ってた過去問から難易度挙がってる??」
という恐怖心にかられることになる。
こうなるとあとはいけない、これまでにやってきた1日30分の学習では
記憶の定着を維持するのが精いっぱいで、フォローしていなかったマイナーな公式や
定理の導出を新しく覚える時間がとれない。
結果、焦る。

ホウレンソウって大事よ。
家族に正直に、今の状況を説明して「このままでは自分は落ちる」「7千円が無駄になるから1か月だけ協力してほしい」「受かったらアイスとケーキ買ってあげるから!」と、なかば遊びたい盛りの子どもたちを買収して週末は半日の学習時間を確保することに成功した。
自分のおかれた状況が悪ければ悪いほど、早く情報を共有するのは仕事も家庭も同じである。

原点に立ち返る。
ノートに書きなぐってひたすら解法を叩き込む作業を一旦やめて、
原始的だけれど受験を経験した人間ならみんな最適化されている方法で
「似ている式」「ややこしい式」「間違えやすいことば」などをインプットし直すことにした。

使用したのがこちら。
手のひらサイズのKOKUYOのメモ帳です。
コクヨそふとリングA7タイプ

分散や共分散、期待値当たりの公式、
一元分散分析表の構成、
真偽(第一種の誤りやβ値、検出力の定義など)、
条件付確率の式などを
メモの裏表に書いて単語帳のように使いました。
隙間時間にもサっと使えるし、子どもに渡して出題させることも出来たので
重宝しました。

他の過去問が残っていることを知る。
公式サイトのトップからリンクをたどっても2021年06月の過去問にしか
たどり着けませんが、ドメイン指定して検索をかけるとそれ以前の
過去問を公開しているページに行けました。
これを使って、通常難易度の初見の問題でも6割はなんとかいけそうと
手ごたえを得ることが出来ました。

我、公式テキストに帰る。
気が付けば相当の金額を書籍に費やしており
※他の学習にも使えるからいいんですが、
本の冊数も増えてきて学習効率が落ちてしまっていました。
逆説的ですが思い切って、あまり評判の良くない公式テキストを1から音読して
全ての練習問題を解きました。
ここまでくると、なんというかやっていることは既に知っている式の確認や
写経状態に近かったんですが、「公式テキスト」を隅から隅まで読むことで、
理解はできていなくても「やれることはやった」という安心感を得ることは出来たと思います。

結果
見事合格。

いや、出題傾向が、これまたランダムな出題の結果かとは思うんですが、
まぁ、意外でした・・・。
※規約的に内容を口外できないのでこのあたりの表現がギリギリかな。

長々と書きましたが、最後にこれだけは言いたい!

・名配信者の動画コンテンツは素晴らしい!
とけたろうさんには本当にお世話になりました、相当再生した、町であっても声でわかるかもしれないレベル。
だけれど、あれを見ていると自分が解けるようになったような錯覚に陥るので、恥ずかしくても口に出して動画の説明を復唱したりちゃんと紙に書くことをオススメします。

・あれこれと本を買うのはちょっと待て!
東京大学出版会の「統計学入門」が2級学習に最適と聞いて買いましたが、全然使えなかった。
私にはちょっと難しかったです。
公式テキストが結構なページ数なので、どちらか1方を写経&音読することをお勧めします。
硬軟おりまぜて、公式定理的な本と、実務や生活での応用を教えてくれる実用的な本を
両方読んで興味と好奇心とモチベを維持するのも大事たと思います。

・ちゃんと使おう!
学習しながら、並行して仕事、学生なら研究で学んだことをなんでもいいから使ってみよう。
業務で使うデータがないようなら、e-statから適当なデータ拾ってきて(家計調査とか)エクセルでt検定やカイ二乗検定やってみましょう。
実務でやってる感を身に着けると、試験でも「何の検定をすればいいのか?」のひらめきまでの時間が短縮できますよ!

・マジで時間ないです。
CBT試験なので画面に残り時間がでるんですが、中盤あたりで残り時間を確認しても
「自分はいま、時間に余裕があるのか?、ショートしてるのか?」を冷静に計算できないくらい
切羽詰まります。
残り時間30分刻みくらいで、設問進行の標準時間をあらかじめ自分の中で設定しておきましょう。人間、焦ると単純な時間比例計算もできないくらいアホになります。

不惑過ぎてスキルなし無し親父の焦りポエムでしたが、
足掻きながらもなんとか人並みのデータサイエンス力を手に入れようとする
体験が誰かの学習意欲に少しでも寄与できれば幸いです。

2級は、やっとデータサイエンスの入り口に立った状態だと思います。
半年後を目標に、準1級に向けて準備を始めています。

次回:G検定1週間で受ける編。

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