始めに
この記事はいつもと違い、UiPathの使い方は書いてありません。個人的な思いが書いてあるだけですので、使い方のノウハウを知りたい方は読み飛ばして下さい。
御礼
UiPathに関する最初の投稿のView数が1,000を超えました。
地味な内容にも拘わらず、投稿から1か月ちょっとでこの記事が読まれている所を見ると、やはりRPA
という言葉がだいぶ浸透してきているのかな、と感じました。
拙い記事ですが、読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
私なりに記事にはしていますが、書いてある内容については、UiPath Academyに網羅されているので、もっと深く知りたい方はそちらを使ってみてください。
RPAのメリットとデメリットについて
さて、ここで一呼吸して、そもそもRPAを入れるってどういうことかを整理してみたいと思います。
下記に私自身が感じたメリットとデメリットを挙げてみます。これはUiPathに限らず、様々なRPAのツールにも言えることだと思っています。
メリット
- **プログラムが組めれば、**簡単に業務の自動化を行うことが出来るので、とっかかりまでの間口が広い(専門スキルが低くても組める)
- 単純作業を自動化する事により、従業員の業務効率化を上げ、モチベーション低下に歯止めをかけることが出来る
- 複数のシステムにデータを受渡したい時の、APIの代替手段に成り得る(APIの開発コストがカットできる)
デメリット
- 簡単に組めるが故に、とんでもない設計のプログラムでも動かせて実践投入出来てしまう…
- その単純作業を、そもそも行う必要があるのか?業務全体を見直した方が、全社としては生産性の向上に繋がるのではないか?という発想をしなくなる恐れがある(部分最適化の温床になるのでは?という心配がつきまとう)
これらを踏まえて思う事
私自身、UiPathを使って様々な業務を自動化しています。例えば…
- 日々のサーバの稼働状況の数値をUiPathを使って抽出。自社のデータベースに記録する
- 経営に使う会議用の数値を、様々なシステムから自動的に取り纏めてExcel化する
- ユーザーのサポートに必要な情報を自動で抽出する。また、サポートに使うツールを自動起動する
こんな感じで使っています。プログラムがある程度わかる方であれば、簡単にこれらの機能を持つロボットを作ることが出来るでしょう。そして、個人としては非常に有用なツールとなってくれています。
ただ、一方で「何でもRPA
で解決というのも危険だなぁ…」という危惧も抱いています。野良RPAの一人歩きや、古くはExcelマクロのRPA版が社内中にのさばってしまう事も、十分に想定できるからです。
これらを統合して管理する製品ももちろん存在しています。(UiPathでは、UiPath Orchestrator)
ですが、そもそものRPA導入の前準備には下記の考慮が必須なのではないかと思います。
- RPAの設計方針とコーディング規約(いつかはフレームワークとかもできるのかな…)
- 事前の十分な業務フロー分析(社内全体を踏まえた最適化をしたい!)
最低限でも上記を踏まえたうえで、それでも発生する単純作業をRPAに置き換えていくのがベストではないかと思います。
RPAの技術は使ってみると本当に便利なのですが、便利がゆえに気を付けるべきこともあると思います。
その事を踏まえて良い自動化をしていきましょう!
2017年11月28日 追記
この記事「現場力の崩壊、日本企業はロボットとAIに支配されるぞ!」が割と自分の意見に近かったので参考までに紹介します。
言葉は非常に乱暴ですが、割と私の抱いている危機感と似ている気がします。
上記では書ききれていませんでしたが、
「導入後、数年もたてば、業務の作業手順を分かる人や、知見やノウハウを持った人はいなくなる。そこでまさかのシステム障害。誰も適切な対処ができず、システムが復旧するまで業務は完全に止まる」
というのは、まさにその通りです。「業務のブラックボックス化」というのもその通りかと思います。
だからこそ、上記で書いた「事前の十分な業務フロー分析」が必要なのかなと。
RPAの導入を検討される際には、ぜひ、読んでみてほしい記事です。