ゲームでは定番の「ガチャ」をチェックする際の観点を紹介します。
観点
対象 | 観点 |
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ガチャタイトル | タイトルはガチャの内容と一致しているか |
ガチャバナー ガチャ画面 |
表示しているキャラクター、アイテムと排出内容が一致しているか 煽り文言の表現は妥当か(誤解を招く表示がないか) ・「お得」「大幅アップ」などの曖昧な表現 ・「最強」「唯一」などの性能に関する表現 ・「今回限り!」などの頻度に関する表現(復刻もしませんという意味になるがOKか?) |
└ガチャの並び | 同時開催しているガチャ同士の並び順 |
提供割合 | レアリティの等級ごとの確率が明記されているか ピックアップ対象と確率が正確か 排出対象のキャラクター/アイテムを全て記載しているか ※同一レアリティ内の確率が均一の場合、記載を省略するケースあり 排出対象に含んではいけないものが無いか 確定枠やステップ数に応じた確率の記載があるか |
確定枠 | 確定枠の発生条件(10回目はレアN以上確定など) |
天井 | 天井システムのカウントが正確か ※天井の仕組みの例 ・固定回数(100回引くと確定) ・累積ポイント(100ポイント集めると交換) ・ステップアップ(最後のステップで確定) ・補正(ハズレが続くと徐々に確率上昇) |
└累積ポイント | ポイントが交換できるショップの開催期間はガチャよりも長いか ポイントは別のガチャに引き継ぎ可能か |
ガチャの価格 | ガチャを引くために必要なリソース(有償/無償二次通貨、チケット) 有償通貨は古いものから使用されるか 有償と無償はどちらから優先して消費されるか リソースが不足していた場合のエラー表示・導線 |
開催期間 | ガチャの開始・終了日時(タイムゾーン含む) →終了後に引こうとしたケース →開始前に既にガチャチケットを所持しているケース 特定のユーザー、特定の条件でのみ表示(ゲーム開始後72時間のみ、特定のガチャチケット所持時のみ表示などの期間設定) |
排出キャラクター・アイテムの状態 | 排出時のキャラクターやアイテムの状態(強化済みで排出するか) |
おまけ | おまけの排出条件が明示されているか |
確定演出 | 確定演出の発生条件と排出結果が一致しているか 演出の頻度、発生タイミングは適切か(ギリギリまでハラハラできるか) →NG例:ガチャ演出の序盤で確定演出が無いことが分かってしまい(今回はハズレ)、ハラハラが一瞬も無い |
初獲得、重複獲得時の処理 | 初獲得時、重複獲得時の処理が適切か(New表示、アイテム付与など) |
タスクキル | ガチャの演出終了前にアプリを終了した場合のハンドリング →すべて正常に獲得できているか? →キャラを選択できるタイプのガチャの場合、演出途中から復帰できるか? |
排出結果 | 排出履歴を確認できるか(ゲーム内or管理ツール) 排出確率をシュミレートできるか |
ガチャのチェック時に必要になるツール
ガチャシュミレータ
大量(1万~100万回)にガチャを回した結果が出力できるツール。
新しいガチャを実装した際には特に利用して安心したい。
ユーザーのガチャ履歴閲覧機能
お問い合わせ対応のためにもユーザーの購入履歴が追えるようになっているとよい。
更に、ガチャのみならずユーザーが獲得・消費したアイテム全て追えるとなおよい。
- ガチャの種類、購入日時、消費リソース、獲得アイテム、増減数
- 所持数上限に到達した場合の処理状況(上限を超えた分は破棄、またはプレゼントBOXに送信など)
- 低レアは獲得時即売却、即合成といった機能がある場合は獲得アイテムが減るケースあり
- 課金日時、内容、増減数、課金反映状況(AppleやGoogleからの支払い情報)
これって法律に関わるかも?な観点
一人で調査して答えを見つけるのではなく、アンテナを張り巡らせ、これって専門家(社内の知的財産部門)に聞いておいた方が良いかも?というスタンスで行動しよう。(早め早めに!)
登録商標
例えば以下の名称は商標である。
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で検索して調査もできる。
特許
例えばガチャの自動合成、ボックスガチャで特許で登録されている。
他のゲームでの使用されている仕組みだから大丈夫でしょう、は禁物。
(ライセンス料を支払っていたり、特許に抵触しないような仕様になっていたり、そもそもその会社の特許かもしれない)
参考記事:ガチャの特許について
法律
-
特定商取引に関する法律
- 最終確認画面でも表示(記載されたページへのリンク)が必要
- 返品について記載が無いと8日間以内に返品が可能となってしまう
-
資金決済に関する法律
- 有償通貨(前払式支払手段)の有効期限を確認
- 6ヶ月を超える場合は供託金が必要
- 1年、5年、無期限など各社様々(無期限が多い)
- 有償通貨の購入上限は各社に委ねられている
- 年齢がカウントされるタイミングの確認が必要(生年月の当月か翌月か)
- 有償通貨(前払式支払手段)の有効期限を確認
-
景品表示法
- ゲーム内の全てのアイテムに価値がある(0円は無い)
- 「おまけ」という仕様があったら確認必須
- コンプガチャは当然NG
- 優良誤認、有利誤認はゲーム内だけでなく、口頭での発言も対象(例えばYoutubeの動画や配信)
- ゲーム内の全てのアイテムに価値がある(0円は無い)
参考記事:
通販事業者の皆さんへ 最終確認画面や申込書面の表示方法の参考となる資料を掲載しています。
スマホゲームとR3改正特商法の実務対応(最終確認画面の整備)
ゲームアプリ運営における「資金決済法」「景品表示法」の法的問題点とは
インターネット上の取引と「カード合わせ」に関するQ&A
ゲームの「優良誤認」「有利誤認」(景品表示法違反)の事例解説
事例でわかる景品表示法