はじめに
もはやプログラミングでもなんでもないが、僕が市場調査やデータ分析をこれまで行ってきたにあたり、色々と共有できる知識や、書き置き程度に誰かの参考になるんじゃないかとふと思ったので、市場調査や統計学的な観点から、「君の友達の意見は、果たして実証できるか(信ぴょう性があるか)」ということをつらつらと書いてみたいと思う。 途中から式がいきなり出てきたり、小難しい統計用語を使ってわかりにくい説明文にしないよう、極力統計的に、ただし日常的な話題を扱う形で書いてみたい。「私、年収1,000万以下の男は無理」
昨今、未婚の時代とも言われるくらい生涯未婚率が上がっていると聞く。 現実問題、2019年の未婚率は中々下がっているようだし、まぁ時代的な背景を考えると結婚というシステムが色々と破綻してるんじゃないか的な意見もあるかもしれないので、そこらへんは特に触れないで割愛しておく。 まぁともかく、この見出しのようなことを言う人がどのくらいいるのかは定かではないが、近年の平均年収は「432万円」という情報を見ると、2倍以上の開きがある。しかもおよそ労働人口を20代~60代として平均を算出したものだとするなら、全年齢で見てもこのくらいに落ち着いてしまうという話だ。日本の公式発表なのだからまぁ本当だと信じたい。労働人口の4.2%程度を見つけてみろ
さて、年収1,000万円以上の稼ぎがあるという人たちは、実際どのくらいいるのだろうか? このサイトによると、日本の給与所得者数4869万人を母数としたとき、平成28年度(2016年)時点で4.2%、つまり228万人くらいだという。 意外と多いなぁという感想をお持ちかもしれない。横浜市の人口372万人よりは少ないが、川崎市の人口147万人よりは全然多い。これだけ日本にいるのなら、なんとか狙えるんじゃないか?と思ってしまうかもしれないが、パーセンテージで見るのがミソだ。なぜなら、ダンバー係数という、人一人当たりが友達になれる数は150人と決まっているので、228万人という数はまったく現実的ではないから。 もっと言えば、このサイトによると、たまに連絡する人の数ですら50人を超えないのだから、1,000万円稼いでて、更に親しくなって…という数になると、ますます希望は遠のく。ちなみにパーセント、とよく言うが、パーセントってそもそもなんなの?という方がもしいたら、念のため解説しておく。
パーセントとは、percentと表記し、100を母数にした場合、その中にどのくらい含まれるか、ということを示す数学記号である。つまり、100%というのを全体とした場合、N%というのは「100のうちN個存在する」ということだ。
今回の例で言うと、4.2%というのは「100人いたとしたら、4.2人が当てはまる」ということになる。
4.2人というのは現実的ではないので、4人としよう。100人いたらたった4人だけがいわゆる1千万プレーヤーということになる。
もっとわかりやすくするために、これを大体学校のクラスの人数くらいに換算すると、1クラス30人くらいとしたら、クラスに大体1人いるかなくらいの計算となる。さらに注意すべきは、この給与所得者は全年齢層や性別をその割合に含んでいるため、その平均となる。
別のサイトで見てみると、男性で6.7%くらいらしいが、それでも4人→6人ちょっとと、2~3人増えたに過ぎないし、この男性陣が20代~30代前半であるという保証はどこにもない。20代、30代で年収1千万は割合的に1%もないくらいっぽい(このサイトでの計算が正しければね)
つまり、100人中1人いるかどうかであり、1,000人探してようやく1人いるかな、くらいの割合である。
1,000人って大企業の従業員の人数レベルだぜ?
中小企業の50人くらいの会社を20社くらい集めて、くまなく探しているかなーくらいのレベルである。
まぁ、とはいえ東京や大阪みたいな大都市であれば有数の大企業もあるし、そこで働く超エリートの人たちもいるわけだから、もう少しターゲティングしながら探せば見つからないこともなさそうだが、問題はその人が果たして君を好きになってくれるかということである。
1,000人中1人しかいない人を見つけて、更にその人が自分のことを好きになってくれる確率は、果たしてどのくらいだろうね、って話。