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「Develop fun!」を体現する! Works Human IntelligenceAdvent Calendar 2022

Day 21

仕事と子育ての間隙を縫ってAWS SAA-C03に合格するまでの2か月ちょっとでやったこと

Last updated at Posted at 2022-12-20

はじめに

先日、AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト試験(AWS SAA-C03)に合格しました。

この記事では、2022/09/30にSAA受験を思い立ち、仕事と育児をこなしつつ、2022/12/09に合格するまでの2ヶ月ちょっとの間にやったことを記載します。

受験のきっかけ

SAAを受験から遡ること約9か月、AWS認定クラウドプラクティショナー(AWS-CLF)に合格していました。

ただ、CLFはあくまでAWSのサービスを広く浅く知るだけに留まると感じており、いつかはSAAも受験したいと考えていました。
弊社が開発・販売しているCOMPANYという製品は、そのインフラストラクチャに多くのAWSサービスを利用しています。そのため、AWSのサービスの概要だけでなく、利用方法をもっと深く理解して今後の開発に役立てたいという気持ちがあったためです。
でも今年はCLF取ったし、来年の目標にしようかな・・・とのんびりと構えていました。9月下旬までは。

そんな中、AWSによる再受験無料キャンペーンが始まりました。12/15までに初回を受けて、仮に不合格だった場合でも2回目の受験料を無料にしてくれるというもの。これがあればもしも不合格でも安心です。

少し揺らぎました。

さらに、弊社内でAWS認定資格の取得キャンペーンが重なりました。
弊社は通年でSkill Ownership制度というものがあり、資格取得時の受験料を会社が負担してくれます。しかしAWS資格取得キャンペーンではそれに代わり、SAAの場合はなんと3万円分の報奨金がもらえます!1こちらは12/31までの開催でした。

もうほとんど受験を決めつつありました。
image.png
とりあえず社内外のSAA勉強法を調べて、Udemyの【SAA-C03版】これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座を活用すれば試験合格への道は見えそうだというところまでわかりました。

どうせいつかは取るつもりだったしやってみるか!ととにかく着手してみることにしました。

現状の把握

上記2キャンペーンを有効利用する2ためには、

  • 1回目は12/15までに初回受験必須3
  • 12/31までに合格必須

といきたいところです。
ただしこの時点で9/30。

改めて勉強開始時点での自身の状況

AWSの経験

業務上はあまりAWSを意識せずに開発業務に当たっています。
EC2でアプリケーションを動かしているため、その起動や停止を行う、製品モジュールをS3にアップロードした経験はありますが、それ以上深く触れることはありません。

ただし前述したとおり、AWS-CLFに合格した程度の基礎知識は持っている状態でした。

公私の状況

  • 6歳と2歳の2男児の子育て中です

  • 平日

    • 9:30-17:00の時短勤務
      • この時間内は勉強時間には充てません
      • 終業後、家事育児を終わらせて勉強着手可能は22:00頃です
  • 休日

    • 日中子供たちと遊び倒しているため、勉強時間には充てません
    • 夜は80%の確率で子供たちと共に寝落ちしてしまいます

実際に確保できた勉強時間

平日は週3-4日、平均1-2時間ずつ勉強しました。
やはり子供とともに寝落ちしたり、公私いずれかで疲労感が濃い日もあるので、そういう日は無理せず休んでいました。
また、子供が体調を崩して数日〜1週間ほどまともに勉強できず、という期間も何度かありました。

休日は子供と過ごす時間が長く、正直あまり勉強できませんでした。
2週間に1度ほど寝落ちせずに21:00頃から勉強に着手できるラッキーデーがあり、そういった日は3-4時間まとめて勉強していました。
また、試験直前の休日を丸1日追い込みに充てさせてもらったので、家族に感謝です。

学習の進め方

大きくは以下の流れで進めていきました。

  1. 戦略を練る(1日)
  2. SAAに関する知識をひたすらインプットする(約50日間)
  3. SAA試験の形式に慣れる(約20日間)

カッコ書きの日数はそれぞれの期間全体です。勉強できた日のみの累積ではありません。
日数だけ見ると結構なゆとりをもって対策できていそうですが、1日当たり1-2時間、毎日は勉強できない中だとかなり、かなーりギリギリでした。

戦略を練る

学習の肝に据えたUdemyの講座は動画だけで47.5時間あります。
とりあえず1日1時間ずつ講座を進めていこう、とふんわりした目標を定め、とにかく着手してみました。

しかしその状態で数日間やって、自分の現在地がわからないことに大きな危機感を覚えました。

毎日欠かさず1時間ずつやったとしても1ヶ月半は優にかかりますし、機械ではないので毎日そんなに規則正しくできるわけはありません。

「1時間」という時間ベースでの決め方も曖昧です。ただ講座を眺めているだけなら毎日動画1時間分で区切っていけばいいですが、実際は動画だけ見ているわけではありません。
自分用のメモを残したり、理解しきれない箇所を追加で調べたり、ハンズオンで実際に手を動かしたりします。
結果的にずるずると遅れてしまい、受験が間に合わないのが容易に想像できました。

ガントチャートでを引いて自分の現在地を把握する

そこで確実に進めていくために、Udemyのコース内容からセクション一覧を取得し、それをもとにGSSでガントチャートを作成して進捗を可視化することにしました。

  • 1日あたり50-60分程度で講座の時間を区切る
  • ハンズオンはなるべくキリのいいタイミングで切れるようにする
    • AWSだと従量課金のサービスも多いので、サービスごとに区切り良くできるよう心掛ける
  • 週に1回分はバッファを取る(ある1日だけは確認テストのみにする、など)

結果出来上がったガントがこちら。長い。
image.png
思い立った9/30からスタートして、最後の模擬試験完了予定日が11/26。

これだけでも綱渡りであることがありありとわかる状態ですが、「平日これだけきっちりやっていってもギリギリなんだ」という危機感が生まれました。このガントのおかげで平日夜間の勉強時間を緊張感を持って確保できました。
これが可視化されていなかったら確実に間に合わなかったと思います。

SAAに関する知識をひたすらインプットする

ガントに沿ってUdemyの講座を進める

メインはひたすら前述したUdemyの講座を進めていきました。

やっぱりUdemyの講座は予定通りには進められなかった

講座は1.5-2倍速で見ていましたが、それでも下記を含めると動画の時間の2-3倍かかりました。

  • ハンズオンで実際に手を動かす
  • 動画だけではイメージが定着しづらい部分を調べる
  • 章末の確認テストとその見直しをする

でも言葉だけでは定着させづらい知識も、ハンズオンも交えて実際のAWSの画面を見たり操作したりすることでかなり記憶が定着しやすくなりました。
動画やテキストだけで学習したCLF受験時と比較して、たとえばVPCの概念など、暗記した内容が腑に落ちるという感覚が何度かありました。

あと単純に手を動かしてモノを動かした方が、勉強感がなくて楽しく継続できました。

また、記憶の定着と復習のために、せっせとまとめノートを作成しました。
講座内で利用しているスライドは添付されていますが、自分の知識として定着させるために、自分の言葉でメモを取るように心掛けました。4

逆に、ハンズオンをせずとも知識が定着しやすい領域やあまり突っ込んだ内容のないセクションは受講せずに進めていき、11/19に前倒しで一巡させました。

自社システムでのユースケースでイメージを鮮明にする

これは自社システムがAWSを利用している場合にとても有効だと思いました。
私自身、COMPANYの中でのAWSサービスの利用方法を知ることでイメージを具体的にすることができました。5

AWSサービスやキーワードをSlackで検索する

運用がイメージしづらいAWSサービスやキーワードを定着させる際に特に有効だと感じたのは、社内のSlackでそれらを検索してみることでした。

たとえば社内Slackでインスタンスタイプと検索してみると、実際に運用の中でチューニングするためのSREの方々の思考プロセスやリアルな会話が引っかかります。
生々しい会話を垣間見ることでよりイメージが自分の中で鮮明になるのでとてもおすすめです。

自社システムのネットワーク図やシステム構成図とそのレビュー内容を見る

Slack検索と重複する部分もありますが、弊社のSlackは割と開かれたチャンネルが多いので、自社システム全体のネットワーク図や個別プロダクトのシステム構成図などを貼ってくれていることがしばしばあります。また、レビュー中のものだったりするとSlack上で改善点とその理由などもスレッドで展開されていたりして、サービス間の正しい連携とその理由なども含めて記憶に定着させることができます。

ネット検索すればAWSサービスを利用したネットワーク図やシステム構成図などのサンプルはたくさん出てきますが、自社システムだとプロダクトの内容、背景、利用シーンといった部分を知っていることが多いので、その中でAWSサービスがどこに配置されてどのような役割をしているのかがイメージしやすかったです。

SAA試験の形式に慣れる

インプット時点ではあまりSAA試験のクセや、SAAでここは頻出 このサービスとセットで出題されるといった試験ベースの知識はあまり意識していませんでした。

そのため、一通りインプットが終わった後は試験の形式に慣れるため、模擬試験やサンプル問題をひたすら実施→不正解問題とマークを付けた問題(悩んだものは一通りマークをつけていました)の解説を読んだり自作メモを見返したりネット検索したりを繰り返しました。

なお、インプットでお世話になったUdemyの講座は「これだけでOK!」と言ってくれていましたが、そうは言われても信用しきれい自分の性から、複数の経路からサンプル問題を入手して本当に受験できるレベルになっているのか確認しました。

試験前々日まで:複数の模擬試験やサンプル問題を反復

受験前日:初見の模擬試験やサンプル問題を解く

試験当日の所感

本番試験は、自信を持って解けたのが約半分、これ意味不明だわ・・てのが5問程度、それ以外がたぶんこれだろうな・・・けどちょっと自信ないかも・・という感じでした。
自信のない問題に後で見直すフラグをつけて見直した結果、半分ほどが該当してしまったため、時間内に全部を見直すことができませんでした・・・

そして自信を持てていたものが半分くらいしかなかったこともあり、試験中~試験終了直後は「あ、これだめなやつだわ・・・」と落ち込んでいました。
(前掲の理由2から再受験無料バウチャーを使わなかったため、一発合格を目指していました)
1時間ほど落ち込んで、落ち込んでいても仕方ないので次の受験スケジュール立てるか、と切り替えていました。

そして結果連絡ですが、
10:00-12:20の回を受け、その日の22:00前に認定メールが来ました。6
image.png
最初理解できなかったんですが、「おめでとうございます」と書いてあるような・・・
と思い、AWSの認定ページを見に行きました。

image.png

ご、合格してたーーーーー!!!
でも合格ラインが720点に対して752点って結構ぎりぎり・・・
実際スコアパフォーマンスも高性能アーキテクチャの設計は及第点には達していませんでした。
image.png

反省点

重箱の隅をつつくような問題を気にしすぎた

特にUdemyの模擬試験の2回目は相当難しかったです。
わからなさすぎて呆然としてノートや講座の再受講もしたりしたんですが、よくよく考えると解説を読んでも記憶の奥底から引っ張り出す感覚がなかったですし、講座内ですら取り上げられていない内容もありました。つまり、そもそも知らない内容が問題として出題されていました。
模擬試験問題集の説明にもあるとおり、難易度はもともと高めに設定されているようです。

試験レベルで難易度の高めの問題などを中心に構成しており、今一歩合格が出来ていない方向けの最終仕上げとしての問題集です。

実際に受験してみた結果、そういった重箱の隅的な問題は2, 3問出たかな?という程度でした。それよりも、もっと基礎的な内容が問い方を変えて出てきている方が多かった印象です。なので、基礎を確実に理解しておく方がずっと大事だと感じました。

古いネット記事は最新情報と合わせて確認するべき

AWSは新サービスや機能追加のリリース速度が速いので、数年前の記事だとそこからさらに機能追加がされていたり、以前はサポートされていなかった部分のサポートが開始されていたり、逆に非推奨になっていたりすることがあります。
まだ知識が定着していない頃はそれによって混乱することがあったので、最終的にはAWSの公式ページでちゃんと裏取りが必要だと感じました。

受験してよかったこと

CLFの勉強後、社内のAWS用語が駆使された会話についていけるようになったことに感動していたのですが、今回の勉強を通じてその感覚が一層強くなりました。
CLFの受験前後で変わったことは、AWSのサービス用語が含まれた会話にもついていけるようになったことでした。CLFはクラウドの概念やAWSサービスの知識について網羅的に学習できるため、たとえばDynamoDB DirectConnectなどといった単語が出てきてもどんなサービスかのイメージがなんとなく想像でき、何とか食らいつけるようになっていました。

一方、SAA勉強後では、社内で利用されているAWSサービスが、なぜ採用されているのかの背景までイメージがつくようになりました。
SAAの学習範囲は、CLFの知識に加えて、どのAWSサービス同士を組み合わせられるのか、どう組み合わせるのが最適か、どういう要件でどのAWSサービスを利用し、チューニングするかといった部分まで踏み込んでいるためです。

弊社はアーキテクチャにさまざまなAWSサービスを利用しています。各プロダクトやその構成を見ていると、その特性に応じて異なるAWSサービスを使い分けていることがあります。
SAAの勉強をするまでは、なぜそのプロダクトにそのAWSサービスを選定しているか、その背景まで推し量ることはできませんでした。

また、ちょうど業務でバッチ処理に関する社内wikiを書く機会がありました。解説のために調べていくと、バッチ用のjarファイルがCICDジョブを通してバッチサーバーに配置される際、いくつかのAWSサービスを介していました。
サービス名はもとより、ユースケースなども学習した後だったため、その流れが手に取るようにわかる。採用した背景すら理解できる。
この感覚が備わっただけでも、SAAの勉強してよかったなと思いました。
また、最終的にまとめたwikiページを有識者に確認してもらったところ、AWSサービスに関する領域には指摘は入らなかったため、SAAの勉強を通じてシステムの流れを正しく理解できたんだなと自信を持てました。

アプリケーション開発者とはいえ、その背後で動いているインフラストラクチャを理解しているのとしていないのとでは、自身が開発したものがどのようにデリバリされるのかのイメージが違います。
ビルドやデプロイなどのタイミングで"謎"のトラブルに巻き込まれたりしたときも、AWSの知識があるだけで"謎"ではなくなる場合もあります。ただ翻弄されるのではなく掌握して解決していった方が解決スピードも上がるし、シンプルに精神的によいと感じます。

おわりに

以上が、仕事と子育ての合間を縫って合格に漕ぎつけるまでにやったことです。
・・・と、差別化を図るためにそのような謳い文句をつけていますが、実際そこは何らすごいことではないです。

私は育児時短勤務のために勤務時間が決まっています。

裏を返せば、それ以外の時間が確実に勤務時間外です。
そこをのんびりとするのではなく、少しの期間、勉強時間に充てただけに過ぎません。

むしろ、フルフレックス・業務多忙の中でSAAやさらなる上位資格に挑戦し、合格している同僚もたくさんいます。みなさん業務時間と勉強時間のバランスを取りながら受験できているので、本当に尊敬します。

そんな猛者たちの合格体験記、Qiita内だけでもたくさんあります。
それぞれの立場、状況、合格までの道のりなど多岐にわたっておりいずれも参考になるので、ぜひご一読ください(数多くあるため過去1年分、かつ今回はSAAの体験記のため同試験に関する記事のみです)。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

おまけ:模擬試験の結果の推移

  1. Skill Ownership制度とは併用不可ですが、それでも15,000円の受験料に対して30,000円分の報奨金(課税対象)が貰えるのはとても魅力的でした。

  2. とてつもなく悩んだ末、2回目受験無料ではなく、CLF合格時にもらった受験料半額バウチャーを使いました。報奨金は受験料に関係なく定額だったため、お金に目がくらみました。 演習問題を解く中で結構正答率が上がってきたなと感じたタイミングがあり、退路を断って試験に向けた良い緊張感を作りました。 2

  3. AWSの認定試験の場合、再受験可能となるのは14日後なので、いずれにしろこの日までには初回受験をしたいところでした。

  4. メモはObsidianで取っており、それをスキマ時間に読めるように、Obsidianの内容をiPhoneで見られるようにしました

  5. こちらでご紹介いただいています。

  6. 他の方の体験記でも書かれていますが、2022/12/09のAWS-SAA受験時は合否はその場でわからず、5営業日以内に知らせますという案内のみでした。また、私はメール起点で気づきましたが、AWSの認定ページでは夕方頃に合否の確認ができたという話も聞きました。

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