はじめに
Women Developers Summit 2023に登壇してきました。
登壇までの流れや実際にやったことについては、下記にまとめています。
登壇時に利用したスライドはこちらです。
登壇形式が座談会方式だったため、スライドは内容のエッセンスを抽出しています。
登壇時は、だいたい下記のようなことをお話しました。
なお、下記に記載する内容は私だけでなく、登壇した4名のエピソードに関するものをすべて記載しています。
多様な「エンジニア」のキャリアと、その中で共通するもの
エンジニアのやりがい・苦労
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弊社エンジニア職の醍醐味である企画~実装~テストまでを1人の開発者が主体となって進められる点
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私たちが提供するのは、約1,200法人グループが利用する「COMPANY」というパッケージシステム。個々のお客様のご意見を大事にしつつ、パッケージシステムであるという根幹を崩さずに機能を育て続ける点
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ルールの少ない自由な文化を大事にしつつ、チームで仕事にあたるにあたり気持ちよく前向きに働ける環境づくり
キャリアの転換点、その際の気づき
プレイヤー → マネージャー
- 「チームとして成果を上げる」という考え方へのシフト
- 「圧倒的リーダーシップ」ではなく「メンバーに伴走するマネジメント」という在り方への気づき
- 「今以上にチームメンバーが気持ちよく開発できる土壌を整えたい!」「チームの見通しをよくしたい!」という意志の芽生え
コンサル → エンジニア
- 大好きな製品を使い、良さを伝える立場から、作る立場を経験したいという想い
- 使う側を知るからこそできる機能へのフィードバックと、作る側に立ったからこそできる利用方法の発信ができる
ライフイベント(出産・育児)による働き方の変化との向き合い方
産後は働く時間が限られるため、時間の使い方がシビアになる
- 時間をかけるべき部分と人やツールに頼る部分を切り分ける
- 理由を説明したうえで、余裕を持たせたロードマップを敷く
産育休を取得するとは、後任者を置いて、一定期間お休みを挟めるということ
- (もちろん育児でてんやわんやするけれど)自身のキャリアを見つめるきっかけになる
- (もちろん育児との両立への不安がないわけじゃないけれど)後任がいるからこそ、これまでやったことのない領域にチャレンジするきっかけにもできる
育児時短勤務中は無理して成果を出そうとしない
- 時短勤務の期間は社会人生活のなかではかなり限定的
- マイナスにならないような工夫で乗り越える
時短勤務を解除しても、育児は続く
- 無理せず働き続ける工夫
- 成果については「ここまでできれば今期はOK」という最低限のラインを設ける
- それ以上できそうなら頑張ればいいし、自分をたくさん褒めてあげればいい
四者、共通していること
キャリアを重ねる中で、限られた時間をどう使っていくかを考えるようになった
- ライフイベントきっかけ然り、キャリアチェンジきっかけ然り
- 試行錯誤や工夫を重ねることで、その苦労も悩みも楽しみながら乗り越えていく
キャリアは一方向ではない
- マネージャーになってもまたプレイヤーに戻ればいい
- そしてまたマネージャーに戻ってもいい
- ずっと同じ職種である必要もない
「好き」の気持ちが楽しく前向きに働き続ける力になる
- 製品が好き、作るのが好き、開発が好き、人が成長していくのを見るのが好き
- キャリアチェンジやジョブチェンジ、ライフステージの変化があっても、試行錯誤しながらずっと「好き」を続けていきたい
伝えきれなかった(かもしれない)こと
ここからは、私個人の所感です。
また、質問や感想をくださった方、本当にありがとうございました。とてもとても嬉しかったです。
力不足で質疑応答にうまく答えられなかったなと反省しているので、改めて考えたことについても記載します。
ライフイベントによる働き方の変化やキャリアチェンジは交代制かつ役割分担制
「プレイヤー」とか「マネージャー」とか、
「時短勤務」とか「フルタイム」とか、
そういうのは、その時々の業務上や生きる上で順番に回ってくる役割なんじゃないかなと
最近はよく考えます。
大事なのは、必要なタイミングで役割分担ができる人を目指すことだなと思います。
私は今は「育児時短勤務」で「マネージャー」で、ライフステージ的にそういう役割を担っていて、
フルタイムのメンバーに業務時間外や看護休暇中のサポートしてもらったり、プレイヤーであるチームメンバーのエンジニアリングをサポートする立場にいたりします。
ただ、タイミング次第では私もフルタイムに戻る日が来るし、またプレイヤーに戻る日も来ると思います(やっぱり自分で考えた企画を自分の手で世に出すのは楽しいので)。
逆もまた然りです。
そのときにちゃんと役割を全うできるように、アンテナを張ったり、自己研鑽を積んでいかねばなと思います。
「凄腕マネージャー」とは?
質疑応答の時に私が答えたのは以下のような主旨でした(ちょっとそこを質問されるとは思わず、しどろもどろになっていた気がする・・・失礼いたしました)。
プレイヤーとして圧倒的な成果を出してきた人がマネージャーとなってチームを束ねるようになる。そういった方は、マネージャーになってチームもまとめつつ、自分自身でも開発してアウトプットを出している。こういった方を、今回の登壇では『凄腕マネージャー』と表現しています
これも凄腕マネージャーの1つの像ではありますし、登壇した私たちが挙げた前任マネージャーはそういった方々だったとは思います。が、凄腕マネージャーとは?の回答としては、少々狭義だったなと。
上記のような、いわゆる優秀なプレイングマネージャーでないと凄腕マネージャーじゃないのか?というと、それははっきりと違う、と言えます。
どんなに超人的な人でも、マネジメント業務とプレイヤー業務両方を100%の力でやり切るためには、かなりの時間と労力を使わないと難しいはずです。
少なくとも私は、時代的にも世代的にも目指すのは難しいです。
どちらかというと、どうして私たちが考える凄腕マネージャーを凄腕マネージャーたらしめたかという方が大事かなと。
あくまでも私の所感ですが、
私の周囲にいらっしゃる尊敬する広義の凄腕マネージャーの方々は、1質問したら10返してくださいます。
反射神経的に答えられる内容ばかりではないはずで、日々質問された内容について考え続けているからこその回答の深さ広さなんだろうな、と常々感じます。
また、広義の凄腕マネージャーの方々は、マネジメントに専念されてる方もいらっしゃいますが、プレイヤーとしても超一流で、現役のプレイヤーと同等かそれ以上の議論ができます。
これは、プログラミングそのものについてももちろんですし、開発中の機能が本来どうあるべきかという根幹部分に関する議論についてもです。
1つ前のセクションとも通じますが、マネージャーとプレイヤーがいつでもスイッチできる方々なんだな、と感じます。
子育てできるか不安。出産に伴って退職は考えたか?
退職は1度も考えたことがなかったです。
結婚を機に退職する女性エンジニアがとても少ないという会社の風土も影響があると思います。
育児をしながらエンジニアをするロールモデルが身近にたくさんいらっしゃるので、不安がない状態でした。
育児と仕事の両立は、今でもまったく完璧にはできていませんが、他のメンバーも回答していたとおり、本当に「なんとかなる」に尽きます。
むしろ、仕事をしているから、業務時間外は育児に全力投球できますし、
育児があるからこそ、仕事に飢えて、モチベーション高く仕事を続けられているなとも感じます。
少し産育休前後の感覚も
1度目は産育休合わせて11ヶ月取得しましたが、産後半年を過ぎたころから、早く復帰したくて仕方がなかったです。
たしかに1人目の産後数ヶ月までは仕事を離れた解放感や初めての慣れない育児に追われ、復職とか想像だにしなかったです。
でも半年を過ぎると育児に慣れてきて、むしろ仕事をしていないせいで社会とのつながりが途絶えている感覚に陥りました。
そのため復職までの数ヶ月をうずうずして過ごし、ようやく迎えた復帰直後は復帰ハイになっていました。仕事が楽しくて楽しくてしょうがなかったです。
2度目はコロナ禍と保活の難航が重なり、産育休合わせて1年9ヶ月近く取得しました。さすがに感覚が戻るか不安が大きかったです。
産休中にコロナ禍に突入したため、想像どおり職場環境や利用ツールなどは変わっていましたが、1週間程度で慣れ、感覚も戻りました。
おわりに
今回はエンジニアとしての四者四様のキャリア等々についてお話ししましたが、
キャリアの中身というか、実際にやってきたこと、やっていることについては、あまり掘り下げられませんでした。
弊社ならではの開発の醍醐味そのものももっと掘り下げたいし、
マネジメントにフォーカスしたお話ができるように精進もしていかねばなと思いました。
なので、機会があればそのあたりに関してのアウトプット(登壇でも、記事投稿でも)をしたいなと思います。
改めまして、セッションをご覧になってくださった方、本記事を読んでくださった方、ありがとうございました。