SORACOMのオンラインカンファレンスにて、なぜかサッカー元日本代表監督で、株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役会長の岡田さんが登壇されていました。
興味本位で見たのですが、 わたし的に今年一番ためになったウェビナー でした。
2022/9/10まではアーカイブ配信が見れるようです。少しでも興味を持っていただいた方は、ぜひ見てください。
(私の文書力では3/1も魅力が伝わらないです。。)
https://discovery.soracom.jp/2022/
講演概要
「自ら考えて動く」チームを育てる、グローバル水準の組織作りのメソッド
7/6 13:00~14:00
今年7大会連続でW杯に出場する日本サッカー代表。この数十年で、日本サッカーは世界で戦えるレベルに成長しました。
ゲストに、日本代表監督として2度のW杯に出場、Jリーグ、中国プロチームの監督を歴任し、現在は愛媛県FC今治で会長としてサッカークラブ経営と選手の育成、スポーツを軸に地域創生に取り組む岡田武史氏をお招きします。
本セッションでは、IoTという枠を取り払い、グローバル水準のチーム作り、FC経営とIT企業経営の共通点、テクノロジー活用について、ソラコムCEO玉川が対談形式で伺います。
講演内容
サッカー日本代表はこの先世界ナンバーワンになれるか?
- 日本のサッカーはヨーロッパや南米がやっていることを真似して強くなってきたが、今はある程度追いついてきた。世界でも例はないぐらい短期間で育成できた
- このままの方法で追いかけていても、距離は縮まるが絶対追い抜けないので、日本人にあった頂点の目指し方を模索している。(ジャパンズウェイ)
- 日本人はもともとチームワークなどチームへのロイヤリティはとても高い
- 大きく欠けているのは、 主体的に自律したプレー 。ここを変えたら世界で十分戦えると思っている。
日本人は主体的に生きるのが苦手
- 自分の人生は自分で決めれるのに、人のせい周囲のせいにする。自分の意志で生きれるのに。
- 周りに気を使って、自分で考えることをやめてしまう
ジュニアの育成から変えていく
- 以前は「ああやれ、こうやれ」と言うのを言っていたが、それを言わずに「考えろ考えろ、自由だ自由だ」と言うようになった。そこを変えた。
- 最初に原則を教えて、守破離の守、原則を教えてから、あとは自由にさせる。こうすることで主体的になるんじゃないかと思って取り組んでいる
- これまでなかった原則を岡田メソッドとして作成した。
- 自由なところから自由な発想が出てくるのではなく、縛りがあって抵抗しそれを破っていくことで驚くような発想が出るのではないかと思っている
サッカーにフィロソフィー
- 「俺たちって何者なの?」というものを持っていないと戻るところがない
- フィロソフィーを説明した上で監督と契約している
- フィロソフィーがあることで、「監督、フィロソフィーにエンジョイというものがあるが、選手がエンジョイできてないですよ」と議論ができる。フィロソフィーがないと、成績出しなさいということだけになってしまう。
- フィロソフィーがディスカッションの基準
- 経営にも通じるところがある
- 数字に表せない信頼や共感など、心の豊かさを大事にしたい。目先の100万円とスポンサーの信頼、どちらを取るとなった場面で、企業理念にある「信頼」を取った例
取締役会の内容も情報公開
- 付き合いのある中国のチームにコーチを1名送らないといけない場面が発生。断ると今後の経営に資金面で影響が出るが、優秀なコーチを送ると当然日本のチームに影響が出る。
- ひょうなことからコーチ陣がこの件を知ってしまい、全体で会議を開いた。財務状況や翌年以降も契約更新したいことなど全部伝えた後、誰が行くべきかコーチ全員で相談して決めてくれた。
- 組織をフラットにして権限委譲、情報公開、フィロソフィーを整備することでみんなが必死になって考えてくれる。
監督と選手は立場が違う
- 選手は「自分がこうしたい」「自分がこうなりたい」
- 監督は「選手をこうしたい」「チームをこうしたい」。主語にはなれず、見てる方向が違う。選手が嫌だと思うこともやらないといけない。
- 選手の意見も正しいと思ったら取り入れるが、違うと思ったら、全責任を負って、判断する。
- 意見をぶつけ合ってそれでも納得してもらえないのであれば、しょうがない。残念だが出ていってくれという判断をする。その時に肩をたたいてこうやってくれよとお願いするようなことをやりだすとチームにならない。これが リーダーとしての腹のくくり方 と思っている。
- 経営も同じような面がある。同じ目標に向かってみんなの力を最適に利用していく。個人の成長がチームの成長。業務のマネージメントより人のマネージメント。
もっとも重要なのは人のマネージメント
- 存在を認めることが最も大事
- 1年間1試合も使わないかもしれないけどお前をちゃんと見てるよ、必要としているよと存在を認めることが大事なマネージメント。(この前のシュート素晴らしかったな。あれ、忘れるなよ)
成長は困難や苦労の先にある
- 最も人生を変えてくれたのは日本代表監督をやったこと
- 決勝前日に、これで勝てなかったら二度と日本に帰れないと本気で思った。
- 急に名将にはなれない、明日俺にできるのは今持ってる力を100%出すことだけ、命がけでやってそれでだめならしょうがない。こう思った瞬間、怖いものがなくなった。 遺伝子にスイッチが入った
- 目の前の問題から絶対に逃げない。苦しいし苦しいことは嫌だけど、諦めなければ必ず解決策は出てくる。(後で笑い話になるのもだいたいそういう経験)
多様性の重要性
- 日本は組織をまとめるときに「心ひとつに」という
- 強いチームは心ひとつになっているが、心ひとつから始めると失敗する
- 選手はみんな違う。考え方も価値観も粗立った環境も違う。その多様なんだということをスタートラインにする。(この選手はどうも好かんけど、絶対に相手を止めてくれる)
- 一つの目標に向かってやっている中でお互いを認め合うことができる。そうやってやっていった先に、一つになっていく。
勝つためにベストを尽くす
- 試合間際のPKの選手選出をなんとなく、曖昧にやってしまい、勝ち点を逃した話
- この1本のPKによる勝ち点を失ったことで人生が変わるかもしれない。この一瞬のプレーで決まるというときの些細な判断を常にベストなものを行う必要がある。
- 本当は全体的におかしいと思っていても、「ここをちょっとだけこうして」といった判断をしてしまうのは、選手のモチベーションを気にしていたり、選手に嫌われたくないという思いがあるから。これが命取りになる。
- 勝負の神様は細部に宿る。90%は些細なこと
- 最初に決めたとおりにやる必要はない。途中で間違っていると思ったらやめて軌道修正。(はじめに決めたことを変えにくいと思う人は多いと思う)
- 失敗しないように考えすぎて動けないとか、動き始めたらもう戻れないと言うことはない。まず動いてみてだめだったらすぐやめればいい。
興味を持っていただけたら、ぜひ動画を御覧ください。
100倍伝わると思います。