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PHPでPDFを作成するときはphpwkhtmltopdfで戦え [2016年度版]

Last updated at Posted at 2016-12-21

PDFは相変わらずつらい

ブラウザの印刷機能にPDF変換が実装されて久しい、西暦2016年。
今もまだ色々なしがらみに押し負けたPHPerたちの不毛な戦いは続いています。
もう年の瀬ですが来年もPDFと戦っていくための情報をお届けします。

wkhtmltopdfとphpwkhtmltopdfで幸せになろう

wkhtmltopdf

http://wkhtmltopdf.org/

HTMLをWebkitで解釈してPDFに変換するGoogle謹製のツールです。
HTML5 も CSS3 も難なく解釈します。
2016年12月の時点での最新バージョンは0.12.4です。

mikehaertl/phpwkhtmltopdf

https://packagist.org/packages/mikehaertl/phpwkhtmltopdf

wkhtmltopdfをPHPで扱うためのラッパークラスです。
packagistで配布されています。

導入方法

wkhtmltopdfは64bit版Linux用バイナリを利用します。
導入環境は、CentOS 6.5 (64bit版) の想定です。
他の環境の場合は、本家サイトから適切なバージョンを入手しましょう。
また既にcomposerを導入しているプロジェクトを前提として話を進めます。

wkhtmltopdfのインストール

まずはwkhtmltopdfのインストールから進めていきます。
今回利用するバージョンは0.12.4です。

$ cd /usr/local/bin
$ wget http://download.gna.org/wkhtmltopdf/0.12/0.12.4/wkhtmltox-0.12.4_linux-generic-amd64.tar.xz
$ xz -dv wkhtmltox-0.12.4_linux-generic-amd64.tar.xz
$ tar -xf wkhtmltox-0.12.4_linux-generic-amd64.tar

上記の操作を終えると、wkhtmltox ディレクトリが解凍されています。
実行ファイルのフルパスは /usr/local/bin/wkhtmltox/bin/wkhtmltopdf となります。
バージョンチェックのコマンドを実行してwkhtmltopdfの動確を行いましょう。

$ /usr/local/bin/wkhtmltox/bin/wkhtmltopdf --version
wkhtmltopdf 0.12.4 (with patched qt)

※ たいてい以下のパッケージが足りずに怒られるので、追加でインストールしてください

$ yum install -y libXrender libXext

日本語フォントのインストール

wkhtmltopdfには日本語フォントが入っていないので、日本語を通すとその部分だけが真っ白になります。
必ず日本語フォントを別途インストールしましょう。

今回はIPAフォントのお世話になることにします。
http://ipafont.ipa.go.jp/ipaexfont/download.html

$ wget http://dl.ipafont.ipa.go.jp/IPAexfont/IPAexfont00301.zip
$ unzip IPAexfont00301.zip
$ mv IPAexfont00301 /usr/share/fonts

mikehaertl/phpwkhtmltopdfのインストール

composerでインストールします。
導入したいプロジェクトで以下のコマンドを実行してください。

$ composer require mikehaertl/phpwkhtmltopdf

PDFの出力サンプル

mikehaertl\wkhtmlto\Pdfをインスタンス化して addPage() にHTMLを投げ込むと、ページが追加されます。
HTMLファイルの場所をフルパスで渡すこともできます。

send() を叩けばブラウザにPDFが表示されます。
またsend('xxx.pdf') のように第一引数を指定すると、定義したファイル名でPDFがダウンロードされます。

pdf.php
require './vendor/autoload.php';

$html = <<<EOF
<!DOCTYPE html>
<html>
    <style>
    body {
        padding: 7px;
        background-color: black;
    }
    .red {
        color: red;
        font-size: 50px;
    }
    .opacity {
        opacity: 0.3;
    }
    </style>

    <body>
        <div class="red">
            <p>PDF化してください!</p>
            <p class="opacity">何でもしますから!</p>
        </div>
    </body>
</html>
EOF;

use mikehaertl\wkhtmlto\Pdf;


$pdf = new Pdf([

     // バイナリの位置とエンコード形式
    'binary'   => '/usr/local/bin/wkhtmltox/bin/wkhtmltopdf',
    'encoding' => 'utf-8',

    // 以下の指定があるとPDFをページ端まで利用できる
    'margin-top'    => 0,
    'margin-right'  => 0,
    'margin-bottom' => 0,
    'margin-left'   => 0,
    'no-outline',

]);

// ページを追加
$pdf->addPage($html);

// ブラウザにPDFを表示
$pdf->send();

pdf.php.png

拡張して便利に

バイナリの位置とエンコード形式を初期設定。

pdf.php
use mikehaertl\wkhtmlto\Pdf as BasePdf;

class Pdf extends BasePdf
{
    const DEFAULT_OPTIONS = [
        'binary'   => '/usr/local/bin/wkhtmltox/bin/wkhtmltopdf',
        'encoding' => 'utf-8',
    ];

    public function __construct($options = null)
    {
        $this->setOptions(self::DEFAULT_OPTIONS);
        parent::__construct($options);
    }
}
example.php
(new Pdf($html))->send();

使用上の注意点

https://github.com/wkhtmltopdf/wkhtmltopdf/issues/1524

wkhtmltopdfはテーブルを使用すると、2ページ目以降にも自動でヘッダを付与してくれるのですが、
それがズレたり次の列と被ったりしてデザインが大きく崩れます。
こちらのスタイルを付与すると解決できます。

style.css
tr {
    page-break-inside: avoid;
}

まとめ

以前書いたこちらの記事から一年が経ち、色々な変更が見受けれての改訂版でした。
PHPでPDFを作成する時はwkhtmltopdf + snappyで戦え

v 0.12.3からwkhtmltopdfのインストール方法が変更され、アーカイブを解凍して配置するだけとなっていたり、
IPAフォントが以前のURLではダウンロード出来なくなっていたり、
SnappyがフォローしてくれていなかったHTTPヘッダの出力までラッピングしたphpwkhtmltopdfの存在を知ったり。
たった一年で色々起こるものです。

今後もPHPでPDFを操作する方法は定期的に調査して行こうと思います。
なにか気付いた点がありましたら、編集リクエストもお待ちしております。

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