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UiPath Test ManagerとRedmineを連携させてみた。

Last updated at Posted at 2023-08-07

はじめに

UiPath製品の中でテスト自動化に関連する製品である Test Manager をRedmineと連携する手順をご紹介します。

Test ManagerはOrchestratorと連携することも可能ですが、当検証の内容では触れておりません。
Test ManagerとRedmine連携部分のみにフォーカスした内容です。

公式ドキュメントはこちらです。
https://docs.uipath.com/ja/test-suite/automation-cloud/latest/user-guide/redmine-integration

概要図

当検証で実現する構成を抽象化した概要図です。
image.png

概要図の説明:

  1. Redmine上でテストの「要件」チケットを起票します。Test Managerに連携されます。
  2. Test Managerにテスト結果を入力します。
  3. テスト結果の失敗に対しTest Managerで不具合作成の操作をします。Redmine上に「不具合」チケットが起票されます。

検証に使用した環境やバージョンなどの概要は以下です。

  • Test Managerはクラウド(Automation Cloud)
  • RedmineはAzure上のWindows Server環境。
  • Redmine v5.0.5、Ruby(+Devkit)v2.7.8

1.Test Managerの設定

Redmineの設定がまだの場合は「2.Redmineの設定」を先に実施する必要があります。

対象のプロジェクトを開きます。
プロジェクト設定 > 連携 > 新しい接続 を選択します。
image.png

一覧の中から Redmine を選択します。
image.png

Redmine接続の設定例です。

image.png
OCのTest ManagerがRedmineへ接続が可能な状態となったら、
上図のように Redmineのトラッカー(③)を認識した状態 となります。

上図①②③④がRedmineのどの設定に紐付いているか、以降 「2.Redmineの設定」 で触れていきます。

不具合のトラッカー(③)は1つ、要件のトラッカー(④)は複数設定可能です。

2.Redmineの設定

本検証ではAzureに構築したサーバーにRedmineを設定し、デフォルト(ポート:3000)で稼働させています。
ご利用環境によってはポート開放等の手順が必要な可能性がありますが、当検証手順では触れていません。

当手順では新規に構築したRemine環境を使用しています。
この章では Test ManagerとRedmineを連携する という目的において、
必要な Redmine上の手順 をまとめています。

1)プロジェクトを作成する。

Myプロジェクト という名称でプロジェクトを作成しました。名称は任意のもので良いです。
image.png

識別子を 「my」 とした点をご確認ください。

※ Test Managerの連携設定の①と紐付いています。

image.png

2)ユーザーを作成する。

「user1」 というユーザーを作成しました。

※ Test Managerの連携設定の②と紐付いています。

image.png

管理者権限を持たないユーザーを作成することをおすすめします。
管理者権限ではどんな操作も可能であることで、例えば一般ユーザー用のロール設定に不備があった場合に気づきにくいです。

3)トラッカーを作成する。

「要件」、「不具合」 というトラッカーを定義しました。

※ Test Managerの連携設定の③④と紐付いています。

image.png

「不具合」トラッカーの設定の例です。初期のままとしています。
image.png

4)ロールを作成する。

「一般ユーザー」 というロールを作成しました。
image.png
このロール作成の手順はRedmineの操作の仕様上、必要な手順です。
ユーザーに対して、ロールを割り当てる必要があります。
(プロジェクトごとにユーザーのロールを変えることも可能です)

作成したロールでチケットを起票するので、チケット関連の権限を適当に付与します。
image.png

ロール設定の下部に「チケットトラッキング」という トラッカーごとの権限設定 もあるので注意が必要です。
image.png

5)チケットのステータスを作成する。

下図の定義を作成しました。
連携の確認のみが目的の場合は、最低限の入力でも良い内容です。
image.png
(運用で「あったら良いな…」を考えながら適当に入力しました)

6)ワークフローを定義する。

  • ワークフロー は、チケットの各ステータスが どのステータスに遷移可能であるか
  • 各ステータスでのチケットのどの入力項目の編集を求めるか。
    …の設定です。当検証では最低限の定義があれば良い内容です。
    image.png
    上図のステータスを、編集画面でそれぞれ遷移可能とするステータスにチェックを入れます。
    image.png

7)プロジェクトにユーザーを割り当てる。

対象のプロジェクトを選択します。
image.png

設定 > メンバー > 「新しいメンバー」 を選択します。
image.png

プロジェクトに追加するユーザーと、ユーザーに割り当てるロールを選択します
図では 「user1(たろう テスト)」 ユーザーに 「一般ユーザー」 ロールを割り当てて追加しています。
image.png

8)プロジェクトにトラッカーを割り当てる。

設定 > チケットトラッキング > トラッカー で、
対象とするトラッカーにチェックを入れ保存します。
図では「不具合」と「要件」トラッカーを割り当てています。
image.png

9)「選択肢の値」(優先度の値)を設定する。

今回利用した Redmine v5.0 では、チケットを新規に起票時に 「優先度」プルダウンの入力が必須 です。
プルダウン項目なので、この値を事前に定義しておく必要があります。
image.png
また、いずれかの値を デフォルト値 と設定します。

今回利用した Redmine v5.0では優先度が必須入力 ですが、
Test Managerから連携される「不具合」には優先度が設定されない ため「デフォルト値」の設定が必要です。
この手順が漏れるとRedmine側で 「エラーコード422:Unprocessable Entity」 (期待する書式/データでない場合に発生するエラーコード)が発生します。

10)Redmineの動作を確認する。

作成したユーザーでログインしなおし対象のプロジェクトを選択し、
「チケット」タブ > 「新しいチケット」 を選択します。
image.png

下図のように、「トラッカー」や「優先度」の項目が設定した通りになっていればOKです。
image.png

3.Test ManagerとRedmineの連携を確認します。

1)「要件」の連携を確認します。

手順概要:

Redmineで要件を起票し、Test Managerに自動連係されることを確認します。

image.png

Redmineに 「要件」 を起票しました。
image.png

Test Manager側に自動的に「要件」が取り込まれました!

しばらく待ってから、Test Managerを確認すると…、
Redmineの要件が自動的に取り込まれたことが確認できました。
image.png

取り込みの頻度は「ポーリング間隔(秒)」で設定されています。
初期値は120秒です。
image.png

2)「不具合」の連携を確認します。

手順概要: 

  • Test Managerでテストの "失敗" の結果を入力し「不具合」を作成し、Redmine側に不具合が自動連係されることを確認します。
  • 事前準備として、Test Manager上にテストセットとテストケースの作成が必要です。
    (連携の設定とは少し逸れるため、4章に補足として記載しています)

以降、手順の詳細です。

対象のテストセットを開き > 右端の三点リーダー > 手動で実行 を選択します。
image.png

テスト結果を入力するウィンドウが開きます。
テスト結果やコメントを入力します。今回は 「セットが不合格」 を選択しています。
image.png

左ペイン > テスト結果 でテスト結果を参照できます。
入力した結果は下図のような表示になっています。
image.png

テスト結果に対し「不具合」を起票していく手順を実施します。

対象の「テスト結果」を開きます。
表示されているテストケースの結果リンク(青字部分)をクリックします。
image.png

右上の「タスク」 > 「不具合を作成」 を選択します。
image.png

「不具合を作成しています。」 のメッセージが表示され、
再表示をすると不具合のリンクが表示されます。
image.png

数字のリンク をクリックするとRedmineのチケットに遷移します。

Redmineに自動的に「不具合」チケットが起票されています!

image.png

「不具合を作成しています。」の後に何も起こらない場合:
Redmine側でエラーが発生している可能性があります。
Redmine側のエラーコードを元に原因を推定するような作業が必要になります。

4.補足情報

Test Managerのテストケースとテストセットの作成手順。

テストケースの結果を入力するまでには以下の手順が必要です。

  1. テストケースを作成する。
  2. テストセットを作成する。
  3. テストセットにテストケースを割り当てる。

以降、概要をご紹介します。

1.テストケースを作成する。

左ペインから「テストケース」を選択します。
image.png

「+テストケースを作成」ボタンを押下します。
image.png

必要な情報を入力し、「作成」ボタンを押下します。
image.png

2.テストセットを作成する。

左ペインから「テストセット」を選択します。
image.png

「+テストセットを作成」ボタンを押下します。
image.png

必要な情報を入力し、「作成」ボタンを押下します。
image.png

3.テストセットにテストケースを割り当てる。

対象のテストセットを開きます。
右上の「タスク」 > 「テストケースを割り当て」 を選択します。
image.png

テストケースの一覧が表示されるので、対象としたいテストケースにチェックを入れます。
image.png

以上の手順で、テストケース、テストセットの定義が作成できます。

Orchestratorの実行結果と連携することも可能ですが、当検証の内容からは割愛しています。

まとめ

Test ManagerとRedmineを連携する手順のみにフォーカスした内容をまとめました。
今後はこの設定を前提とする形で、活用アイデアなどもまとめていきたいと思います。

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