久しぶりのQiita!!
今年の3月からPMOとしてDXのお手伝いをしています。
そこで学んだことや感じたことは、自身の今後のキャリアを考えていく上でもかなり刺激的でした。
先日社内LT会で発表したことをブラッシュアップして共有いたします。
PMOという仕事だったり、自身のエンジニアキャリアだったりとエンジニアライフをより多角的に考えるヒントになれば幸いです。
PMOとは
社内基幹システムのSaaS移行プロジェクトにPMOとして配属になりました。実は配属当初、「PMO」とは何か全くわかっていませんでした。
「PjMのサポート」
そんな風に聞き、なんとなくわかったつもりでいたのですが、調べてみると奥深いことがわかりました。
PMO協会のホームページに下記のような説明がありました。
PMOは、組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム。
PMOはあらゆるプロジェクトマネジメントの支援を通じて、その成功率を高め、経営戦略の履行をより確実にし、ビジネス価値創造の最大化をしていきます。
PMOには様々な視座が求められ、かつPjMの先を考えて行動することが求められます。
これを聞いて
「もしや影の支配者!?」
「みんなが仕事をしやすい環境づくりのお手伝いができ、職場をハッピーにするお手伝いができかも」
というそんなワクワク感がありました。
3種類のPMO
さらに調べてみると、PMOには上記に示す3種類があることを知りました。
私が配属された現場は
「やりたいことはふわっとあるのだけれど、具体策はこれから」
という環境でした。そのためコントロール型を中心に指揮型、支援型の全ての形で貢献できる可能性がありました。
配属される現場によって求められるスキルは異なります。様々な顔を持ち、臨機応変に対応できるスキルがPMOには求められます。また一貫して言えるのは
「現状を正しく分析する力」「相手に伝える力」
この2つの力が必須であるように強く感じました。
必須能力
前項で述べたとおりPMOには 「現状を正しく分析する力」「相手に伝える力」 が必須であると感じました。
現状を正しく分析する力
PMOが配属される現場はPjMが困っている可能性が高いと考えます。困っている原因は「細かく見ていくとかなり複雑である」とPjMは問題点をしっかり理解されています。しかし理解していても「現状が手いっぱいで、どうすれば良いかわかならい」となってしまっていることがあります。
それを解決するには現状を客観的に整理し、正しく理解、そして困っている原因を分析していく必要があります。つまり 「現状を正しく分析する力」 です。この能力は前項で述べた3つのPMOの型全てに必要となります。
相手に伝える力
プロジェクトの解決策を思いついても提案力がなければ意味がありません。またPMOは資料作成をする機会が多くあるのですが、「伝わる資料」でなければ意味がありません。 私も配属され、ステークホルダーや経営層のための資料をたくさん作りました。伝わる資料の奥深さを身に沁みて感じました。
「相手に伝える力」 とは 弁論力 だけでなく デザイン力 も指すのです。
PMOとはDXのカギではないか?
DXの問題点とは
日本のDX推進は欧米諸国と比べるとスローペースです。
※出典:総務省(2021)「デジタルトランスフォーメーションによる経済のインパクトに関する調査」
上記のグラフで示されているとおり「人材不足」「資金不足」などの原因が挙げられます。これらの原因は実は密接に繋がっています。
複雑な現行業務
日本の場合、中小企業の多くは現場ごとに業務内容が大きく異なります。そのためこの複雑な業務をシステムに落とし込むには「既存のSaasを導入する」では補いきれず、どうしても「受託開発」となってしまいます。しかし受諾開発には資金が必要です。そのため、なかなかDXが進みません。
業務をSaaSなどのパッケージに合わせる 「Fit to Standard」 という思想があります。この思想に合わせ、業務を整理することができれば、DXが一歩前進する可能性はあります。しかしこれ、なかなか大変です。
中小企業の多くは、「複雑な業務である」かつ「業務内容が属人化してしまっている」というケースが少なくないのではないかと感じています。これらを整理する必要があるのですが、その整理にリソースを避けられない現場も多く、前進したくても前進できないのです。
そんな時にPMOの力が生きるのではないでしょうか。
内部人材の育成
DXを継続的に推進するには外部人材がアドバイスするだけでなく、 内部の人間が内部の人間だけでできる状況にすること が大切となります。そのため、PMOのように社内のPjMの自走を助けるポジションは大切になります。社内のPjMだけで自走できるように慣れれば、PMOとしてはしっかり役割を果たせたことになるのではないでしょうか。
※出典:McKinsey&Company「デジタル変革が失敗する要因の割合」
技術者視点は大切
PMOには私のようなエンジニアだけでなく、コンサルタント出身の方もいらっしゃいます。それぞれの視点を活かし、PjMのサポートができます。そのためチームによっては複数人PMOが所属する場合もあるようです。
DXに必要なことは
現行を正しく整理し、システムに落とし込む力
そのためシステム開発に関わったことのあるエンジニア出身のPMOは重宝されると考えます。
エンジニアキャリアで思ったこと
PMOをする前はバリバリコードを書いていました。コード書くのは楽しく、業務を通して日々成長できている実感がありました。しかしこの案件に入ってから業務でコードを書いていません。
正直にいうと
「エンジニアキャリアとして成長はもうできないのでは?」
と自暴自棄にもなりました。しかし日々の業務を通してエンジニアキャリアとしての考え方が変わり、くだらない悩みだったなと今は思っています。
今までは
「つよつよエンジニア」 とは 「技術力のあるエンジニア」
そんな風に思っていました。しかし今は
「ものづくりを通して人の幸せに寄り添えるエンジニア」
これが本当の「つよつよエンジニア」なのではないでしょうか?
スキルだけでは人を幸せにすることはできません。クライアントへの向き合い方も大切です。みんなが働く環境も大切です。大切なことはたくさんあるのです。このたくさんある中から相手の求めていることと、自分のやりたいことをしっかり重ねて考えられることが「つよつよエンジニア」の近道なのではないかと思いました。
「自身がやりたいこと」と「周囲が期待すること」が重なることでエンジニアだけでなく、人として価値が出てくる気がします。
現在はPMOという職にやりがいを感じています。もしかして「天職」かもとも感じています。
しかし今後も職種や立場にとらわれるのではなく「ものづくりを通して人の幸せに寄り添えるエンジニア」を目指して精進したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!!
感謝!!