はじめに
みなさんBlender使ってますか? 3DCGに興味があってinstallして立ち上げてみたことはあっても、あまりの難解さに諦めた人も多いのではないでしょうか。たしかにクセの強いInterfaceで日本語の情報も少ないということもあって、日本のユーザは少ないように感じます。そこで、この素晴らしいソフトの良さをわかってもらい、一人でも日本のユーザが増えたらと思いこの文章を書きました。
#Blenderと私
初めてBlenderに触れたのは2011年だったと思います。3DCGの知識のかけらも持たない私は手も足も出ず一蹴されました。なにやらパワフルなソフトではあるけれど私には使いこなせないと思いました。原付しか乗ったことの無い者がハーレーにまたがったようなもので、恐怖のあまりエンジンを掛けることもなく飛び降りたわけです。それでもBlenderは私の心の奥に何かを残しました。Uninstallすることはなく、思い出したようにBlenderを立ち上げました。そのたびに小さな進歩はあったけれど、いつも打ちひしがれて、そっとQuitを繰り返しました。
そんなことを1年以上続けたころにYoutubeで、あるTutorialを見つけました。英語もゆっくり喋ってくれて、操作も丁寧に説明してくれていました。数えきれないほど一時停止を繰り返し、コーヒーカップができました。それ以来、暇さえあればBlenderで遊んでいます。ただし、未だにNewbiesの域を出ず、全ての機能の20%ぐらいしか使えてないし、Tutorialでベテランが30分で出来るものも、3時間はかかってしまいます。それでも楽しくてしょうがありません。
Blenderはオープソースソフトウェアです。使用するのにお金は必要ありません。WindowsでもMacでもLinuxでも使えます。同様のソフトで世界中でスタンダードとなっているソフトは数十万円します。いまだBlenderを使っているプロは少ないようですが、その機能の差は日々縮まっており、機能によっては超えている部分も多くあります。ちなみに今年、Blenderで作成された短編アニメーションが米国アカデミー賞のノミネート候補となりました。残念ながらノミネートはされませんでしたが、その日は近いと思っています。
これほど素晴らしいソフトウェアに無償でチャレンジできることは大変な幸運だと思います。確かにクセのあるソフトであるし、日本語の情報も少ないことは確かですが、費やした時間と苦労以上のものを返してくれることも確かです。日本でも、もっともっとユーザが増えて才能ある人たちが素晴らしい作品をどんどん生み出す日が来ればと願います。
(もちろん今でも素晴らしい作品を制作している人も、Blenderの開発に参加している日本の方もいらっしゃいます)
他の素晴らしいOSSと同様にBlenderにも素晴らしいコミュニティがあります。牽引するのはオランダのTon Roosendaalという人です。Blenderの開発者であり、Blender Foundationの代表でもあります。私は単なるフォロワーですが、その強いリーダーシップと人間的な魅力には大変敬服しています。彼が良く使う
Blenderは私の人生を変えた。Blenderはあなたの人生を変える。
という言葉が非常に印象に残っています。実際にBlenderに出会ったことで3DCGにかかわる仕事をするようになった人はたくさんいるようです。これはプロの使用に耐える機能を持ったソフトウェアが無償で誰でも気軽に使ってみることができて初めて可能になることです。たまたまBlenderに出会った人が、その魅力に取り憑かれて数年後に多くの人を感動させる短編映画を作り、そのままプロになった。というようなことが起こりうるということです。残念ながら、私はプロになれる才能は無いのですが、みなさんのうち誰かがそうなる可能性はあります。年齢は関係ありません。60才で始めて70才でプロになるかも知れない。
毎年アムステルダムで開催されるBlender Conferenceにいつの日か参加して、Tonに直接「ありがとう」と言うことが私の夢です。
最後にこの文章を書く機会を与えてくれたQiitaチームとdaxanya1さんに感謝します。