Belnderユーザインターフェース(UI)のなりたち
BlenderのUIは「わかりにくい」「変態的だ」などとdisれらることが多いのは事実です。しかしBelnderのUIはマーケティングの結果で生まれたものではありません。もともと3DCGの製作会社のCGアニメータたちが、自分たちが使うため自ら作成したソフトウェアで、自分たちが効率よく作業を進めるために考えられた合理的なUIなのです。
誰もが最初に面食らうのは、RMB(右マウスボタン)による選択です。通常、選択はLMB(左マウスボタン)で行うのが常識ですが、Blenderでは逆なのです。これにも理由があります。一般的なマウスの使用では左ボタンの使用が圧倒的に多いので、指の疲労を平均化するために選択を右ボタンに割り付けているのです。
(この話は出展を覚えていないのですが、他にも理由があったと思います。また、設定で左ボタンを選択に割り付けることも可能です。)
#Blender UIの基本
Blenderのあらゆる機能は当然メニューから選択可能なのですが、その機能のほとんどにショートカットが割り付けられています。最初はメニューから選択しても良いと思いますが、良く使う機能からどんどんショートカットに切り替えていくと良いと思います。
Blender操作時の基本スタイルは「左手をキーボードの左側に置き、右手でマウスをつかむ」というものです。このスタイルに慣れると、このUIは以外は考えられなくなります。
#最初に覚えるショートカット
Blender操作時に一番良く行うのは「なにかを選択して、どうにか(移動・回転・拡大縮小)する」というものだと思います。
まず「選択」ですが、これは前述のRMBによるクリックで行います。(他にもいろいろ選択の方法はありますが、とりあえずは右クリックです)
次に「移動」です。ショートカットは「G」です。「Grab:つかむ」の頭文字です。なぜ「Move:移動」の「M」ではないのか? それは「M]だと左手でタイプしにくいからです。これがBlender UIの思想です。「G」をタイプしたと同時にマウスで自由に移動できるようになります。気に入った場所でLMB(左マウスボタン)をクリックすると移動完了です。LMBではなくRMBをクリックすると「移動」のキャンセルです。LMBで「決定」RMBで「キャンセル」というのは共通ルールです。
次は「回転」です。ショートカットは「R」です。「Rotate:回転する」の頭文字です。これは覚えやすいし、左手でタイプしやすい位置です。ラッキーです。操作は「移動」と同様でマウスで回転させてLMBで「決定」RMBで「キャンセル」です。
最後に「拡大縮小」です。ショートカットは「S」です。「Scale:縮尺」の頭文字です。これも覚えやすいし、左手でタイプもしやすい位置にあります。またまたラッキーです。マウスを選択した物に近づけると「縮小」離すと「拡大」で、LMBで「決定」RMBで「キャンセル」です。簡単ですね。
G:移動/R:回転/S:拡大縮小の応用
これで「選択」「移動」「回転」「拡大縮小」「決定」「キャンセル」を覚えました。これを応用します。
「移動」は「G」でしたが、「G」「X」と連続してタイプすると「X軸に沿って移動」となります。Y軸、Z軸も同様です。さらに「G」「X」「X」とタイプすると「ローカルのX軸に沿って移動」になります。すでに回転している物体だと自身から見たX軸は基準のX軸とはずれています。この自身からみたX軸が「ローカルのX軸」です。(基準のX軸はグローバルのX軸と呼びます)
「回転」「拡大縮小」もまったく同様にローカル・グローバル軸に沿った操作が可能です。
まとめ
基本中の基本を簡単に説明しましたが、いかがでしょうか?
Belnderは簡単に使いこなせる道具ではありません。無限の可能性を秘めた非常に強力な道具であり、日々開発が続けられ、機能もどんどん増えています。完全に習得するには非常に時間がかかります。しかし、それだけの価値がある道具なのです。 とはいえ、難解と言われるUIでも、しっかりと合理的な思想に裏付けられており、慣れればどんどん習得は進みますし、全てを理解しなくても十分楽しめる道具でもあります。じっくり腰を据えて挑戦してみてはいかがでしょうか。