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このブログはラクス Advent Calendar 2022その2の6日目です。2枚目のカレンダーなので気軽に書いていきます。

あらすじ

  • プライベートの創作活動でMDFボードの切り抜き、紙コースターへの刻印が必要になった
  • 中国製の安価な半導体レーザー加工機を利用
  • 加工時のレーザー出力パラメータの設定にChatGPTが使えた

使っているもの

  • NEJE Master 2s 20W
    • レーザーモジュール N30820
      • 半導体レーザーモジュール
      • 出力5.5W
      • 20Wの表記は入力電力らしい
    • いわゆる中華レーザー加工機
      • 購入時は2万ちょいでしたが、現在3万円代
    • 加工範囲は17x17cm
  • LaserGBRL
    • フリーウェアの汎用レーザー加工アプリケーション

レーザー加工機とは

レーザー加工とはレーザー光を使用して素材を加工する加工機械です。
ベクター画像を元にした精密な加工が可能で、紙、皮、木材、樹脂、金属といった素材に対して加工を行うことができます。
加工は出力によって刻印や切断を行うことができます。

ちなみに樹脂素材にはアクリルがよく使われますが、半導体レーザーでは黒色アクリルしか加工できません。透明アクリルの加工には半導体レーザーは透過してしまうため、より高価なCO2レーザーを利用したレーザー加工機が必要になります。

レーザー加工処理の流れ

レーザー加工の流れは以下のようになります。

  1. 加工寸法を指示するための画像作成
  2. レーザー加工アプリケーションでのレーザー出力指定
  3. 素材の位置合わせ
  4. 加工開始

それぞれ見ていきます。

加工寸法を指示するための画像作成

レーザー加工を指示する画像ファイルはSVGなどのベクター画像を利用します。

かっとやこくAdobe IllustratorやInkscapeで作成してもいいですし、私の場合はAffinity Designで制作していました。最終的に出力される寸法で作成する必要があるので、寸法をピクセルではなくミリメートルなどで指定できるアプリケーションが必要です。

またカットした後に箱組みなど組み立てが必要になる場合は、同様のアプリケーションでも良いですし、Fusion360などの3D CADでDXFファイルを作成し、InkscapeでDXFからSVGに変換して用いることも多いようです。

ちなみにAffinity Designで作成いたSVGでは、このあとの私が利用しているレーザー加工アプリケーションに読み込ませた時に曲線がなめらかにならず、直線の組み合わせのようになってしまいました。
Affinity Designで作成したSVGをInkscapeで変換すれば、期待通りの曲線になりましたが縦横の寸法がそれぞれ2倍になるなど変換に一手間かかるので、特にこだわりなどがなければ最初からInkscapeで作成することをお勧めします。

レーザー加工アプリケーションでのレーザー出力指定

画像が作成できたらレーザー加工アプリケーションに読み込ませます。

利用しているLaserGRBLでは読み込み時にレーザー出力の指定も行います。高級機に付属するアプリケーションや、有償アプリケーションのLightburnでは画像内の線の色ごとに出力を変えることができるようですが、LaserGRBLでは一度の加工で複数パラメーターを指定することはできないようです。
刻印と切断を併せて行いたいシチュエーションは結構多いので、近いうちにLightburnを購入したいと思っています。

出力設定は使用している機材の最大出力や、加工する素材によって異なるので試行錯誤が必要です。一度に複数パラメータを指定できるアプリケーションを利用している場合は出力を少しずつ変えて加工するテストピースを最初に作ると作業がスムーズかと思いますが、LaserGRBLではテストピースを作るのも一苦労なので適当に調整しながらパラメータを探ることになります1

ちなみにこの工程を少し楽にするために最近話題のChatGPTが意外と使えたりします。

image.png

ちなみに上記の例だと切断速度100mm/秒だと焦げが目立ちそうなので、切断速度を2倍にして2pass(2回繰り返し加工すること)で処理した方が綺麗になりそうです。

ちなみに同じMDFボードでもメーカーによってパラメーターが異なってくるので素材を仕入れる場合は同じお店で仕入れるようにしましょう。

素材の位置合わせ

パラメータの設定が終わったら、今度は素材の位置合わせです。

LaserGRBLではレーザーモジュールを「原点に戻す」「加工範囲の周囲を回る」「加工範囲の中心に移動する」といった操作ができますので、これらを駆使して素材の位置を合わせてください。また、原点位置を調整することもできます。
ちなみに何度も繰り返し加工を行っていると原点がズレることがあるので都度確認。

素材は直接作業台におくと加工時の焦げが目立つので、割り箸を挟むとか、ワイヤーネットを敷くとかしましょう。もちろんレーザー加工機用のハニカムベッドがあればそれが最良です2

繰り返し複数の素材に加工を行う場合は、素材の位置合わせのためのコーナーなどを配置すると良いでしょう。

加工開始

ここまで設定すればあとは加工スタートするだけです。この手の加工機はイメージよりも時間がかかるものですが、3Dプリンタに比べると処理時間は圧倒的に短いです。

私が使っているレーザー加工機の最近加工した例としては

  • MDFボードの15x15cmの範囲を塗りつぶすように刻印:約40分
  • 紙コースターに9x9cmの範囲に線画で模様を刻印:2分弱
  • 1mm厚の紙コースターから63x88mmの角丸長方形を切り抜き:2分弱

3Dプリンタだとちょっとしたものを作るにも数時間必要なので、これでもだいぶ早いです。


まとめ

レーザー加工は怖くない。

今はまだ刻印と切断しかやっていませんが、切断後に組み立てできるような設計図も作っていきたいと思います。

  1. 正直この工程が一番面倒くさく感じます。素材も無駄になりますし。テストピースを作りやすくするためにもある程度慣れたらLightburnを買ってしまうのが良さそう。

  2. 私の場合は2cm厚のMDFボードを使っています。ハニカムボード欲しい。

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