ExifToolでIllustratorファイルのバージョンを調べる方法の続きです。
各バージョンのIllustratorファイル(ai、eps、下位バージョン保存)を用意して、上記の方法で情報を取得してみました。
その結果を整理してみます。
##CreatorTool(作成バージョン)
- .aiはv9以降、.epsはv11以降に存在する。
- 記述は保存バージョンというより保存アプリ名。とくにv16以降はCSやCCの呼称で記述される。
- v16以降はOSの情報(MacintoshまたはWindows)がある。
- 例:Adobe Illustrator 10.0.3/Adobe Illustrator CS2/Adobe Illustrator CC 2014 (Macintosh)
- Bridgeの「アプリケーション」に表示されるのはここの記述。
- 要注意 別名保存をしないと更新されない致命的な欠点がある。
##AI8_CreatorVersion(作成バージョン)
- v8以降に存在する。
- v8未満でも、v8以降で下位バージョン保存したものには存在する。
- aiとepsの両方に存在する。どちらも同じ記述。
- 詳細なバージョン情報。
- 例:8.0.1/13.0.3/15.1.0/18.1.1
##Creator(保存バージョン)
- すべてのバージョンに存在する。
- aiとepsの両方に存在する。どちらも同じ記述。
- 記述は保存バージョンというより保存アプリ名。CreatorToolと違い、呼称ではなくバージョン番号で記述される。
- v9以降のepsファイル。
- Creatorは2箇所あり、「1番目=作成バージョン、2番目=互換バージョン」と考えられる。
- 下位バージョン保存した場合、2番目は実質的に保存バージョンと見なせる。
- しかし、同バージョン保存した場合、例えば「1番目:v15.1、2番目:15.0」となるので、2番目を保存バージョンと見なすのは不可。
- 2番目のCreatorのメジャーバージョンが作成バージョンと同じなら、保存バージョンは作成バージョンと同じと見なせる。
- aiファイル
- Creatorは1箇所のみで、互換バージョンである。
- 下位バージョン保存した場合、実質的に保存バージョンと見なせる。
- 同バージョン保存した場合、保存バージョンと見なすのは不可。メジャーバージョンが作成バージョンと同じなら、保存バージョンは作成バージョンと同じと見なせる。
- 例:Adobe Illustrator(TM) 5.5J 95.01.01/Adobe Illustrator(R) 8.0/Adobe Illustrator(R) 15.0/Adobe Illustrator(R) 17.0
##考察
- CreatorToolはCS以前の作成バージョン取得に難がある。さらに別名保存をしないと更新されないのが致命的。
- AI8_CreatorVersionは作成バージョンを詳細に安定して取得できる。
- Creatorをそのまま保存バージョンと見なすことはできない。
##その他
- ExifToolを利用したバージョン取得は、aiなら速いが、epsはファイルサイズが増えると幾何級数的に遅くなる。
##Mac版アプリ
この記事を書いた後に、Illustratorファイルのバージョン情報を検出するMac版アプリを作って公開しています。