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Windowsフォームでの高DPI(Hi-DPI)対応のコツ

Last updated at Posted at 2019-07-29

はじめに

Windowsフォームアプリをなるべく簡単に高DPI(Hi-DPI)対応させるコツをまとめました。
Windowsフォームの自動スケーリング機能を活用します。

今回やらないこと

下記機能が.NET Framework 4.7でサポートされましたが、実装コストが高いので対応はしません。

  • 起動中のDPI変更サポート (Dynamic DPI)
  • モニタ別のDPIサポート (Per monitor DPI)

対応方法

アプリケーションマニフェストの設定をする

プロジェクトにアプリケーションマニフェストファイルapp.manifestを追加し、下記の設定を記入します。
この設定でWindowsが高DPIサポート済と認識してくれるので、表示がぼやけることが無くなります。

app.manifest
<application xmlns="urn:schemas-microsoft-com:asm.v3">
  <windowsSettings>
    <dpiAware xmlns="http://schemas.microsoft.com/SMI/2005/WindowsSettings">true</dpiAware>
  </windowsSettings>
</application>

フォームに高DPI対応のための一連の設定をする

フォームのデザイン時にはVisual StudioをDPI 100%モードで起動する

高DPI環境下で開発をしている場合、フォームデザイナを開いたとき、下記のような表示が出ます。
必ず毎回「100% のスケールでVisual Studio を再起動します」を選択してください
でないと、コントロールの配置が高DPI前提となり、DPI 100%環境で表示が崩れてしまいます。
※DPI 100%環境で開発している場合には何もしなくてOKです
image.png

AutoScaleModeプロパティをDpiモードにする

フォームのAutoScaleModeプロパティをDpiモードに変更しておきます。
AutoScaleModeプロパティは、Windowsフォームに備わっている自動スケーリング機能の挙動を制御するものです。
デフォルトのFontモードでは、DPIの比率ではなくフォントの大きさを基準にスケーリングが行われます。
ピクセル単位の座標を扱う処理がある場合、Fontモードは不適です。
デザイナの挙動にも変な影響があり(後述)、使わないほうがよいです。

フォームのFontはYu Gothic UIかMeiryo UIにする

MS UI Gothic、MS Pゴシック等、ビットマップ部分を含むフォントは高DPI環境下でレイアウトが崩れる原因になります。
Yu Gothic UI、Meiryo UIのようなビットマップ部分を含まないフォントを使いましょう。
フォントを変更する際、AutoScaleModeFontのままだと、フォーム全体のサイズが変わってしまうのでご注意ください。

ピクセル単位の操作をする箇所には係数をかける

ここまでの設定で、殆どのコントロールは自動でDPIの制御してくれますが、一部のコントロール(DataGridViewの列幅等)や、描画処理では個別に高DPI対応をする必要があります。
下記のようなコードで96dpiに対する現在のDPI比率を宣言しておき、補正が必要な個所で乗算します。
対応個所を洗い出すには、トライアンドエラーが必要になるかもしれません。

static readonly float DpiScale = ((new System.Windows.Forms.Form()).CreateGraphics().DpiX) / 96;

まとめ

Windowsフォームアプリは高DPI非対応と見なされることが多いですが、
コツをつかめば標準機能任せでも、いい感じに対応できることが分かりました。

拙作SsidWallpaperChangerは本手法で高DPI対応を行っており、ソースを公開しています。
https://github.com/mono1729/SsidWallpaperChanger

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