今回の範囲
Chapter4 Choosing Technologies Across the Data Engineering Lifecycle
Cost Optimization and Business Value
- Total Cost Of Ownership
- Total Opportunity Cost of Ownership
- FinOps
要約
[はじめの部分]
- 正当な、データアーキテクチャ・技術の選択をするうえでは、コスト(費用)は主要な制約になる
- あなたが制御できる基本的なコストについて、理解することが必要
- 技術は、コストがかかるものなので、あなたの技術に関わる選択と戦略は、予算におおきな影響をあたえる
- コストを、三つのレンズ(視点?)で見ていく。(その三つが、各セクションのタイトル)
[Total Cost Of Ownership]
- TCO は「イニシアティブの全体的な見積もり」
コスト2種類
- ダイレクトコスト
イニシアティブに対して取り組むチームの給料のような、直接イニシアティブにつながるコスト - インダイレクトコスト
オーバーヘッドとしても知られており、イニシアティブとは独立してかかるコスト - どちらの場合も、どのように購入されたかが、コスト計算方法に影響する
支出2種類
- capex
資本的支出、設備投資にかかるコスト。
クラウド登場以前は、ハードウェアやソフトウェアを事前に、大きな金額で購入することが典型的だった。($ 100,000 - 1,000,000 規模)。
Positive ROIを達成するための長期計画に伴う大きな資本支出であり、前払いの出費。 - opex
運営・運用するためのコスト。
段階的に、時間が経つにつれて広がる(capexとの特徴の違い)。
capex=長期的、opex=短期的。
従量課金(pay-as-you-go)に近く、柔軟な対応(flexibility)が可能になる。
opexは「ダイレクトコスト」に近い。
- クラウドの出現による変化
- Data platform services により、使用した分だけ支払うモデルが可能になった。
- Cloud-based services があることで、データエンジニアは様々なソフトウェアと技術の設定を、素早く繰り返すことができる。高い費用をかけずに。
- 著者としては、データエンジニアがクラウド上で、opex-first なアプローチ を中心に据えることを、強くおすすめする。
[Total Opportunity Cost of Ownership]
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TOCO は「わたしたちがなにかを選んだ時に受ける、機会喪失のコスト」
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この状況では(TCO settingとは異なり?)、ハードウェアやライセンスの長期間の購入は要求されない。
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データエンジニアは、しばしば、TOCO の評価に失敗する。(著者らの意見では、TOCO は、おおきな盲点。)
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もし、Aというデータスタックを選んだなら、それは事実上、B, C, D というデータスタックを除外したことでもある。
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新しい技術・製品がどんどん出てくる中で、素早く、お金を安く、よりよい選択肢に移れるようにできると良い。
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現時点では良く見える技術に、はまってしまう無数のデータチームを見てきた。
[FinOps]
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“Principle 9: Embrace FinOps” にて既に触れている。
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クラウドの支出は、大抵、本質的には、opex
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FinOps の目的は、完全に、会計責任・事業価値を、操作・運用すること。(DevOps のような監視の実践を適用し、システムを動的に調整していくことで)
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引用部分。FinOps がお金を節約するためだとおもったなら、考え直してほしい。FinOpsはお金を作り出すためのものだ。
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素早くサイクルを回し、動的にスケールすることは、事業価値を作り出すためにとても貴重なこと。このことは、データ作業負荷を、クラウドに移す際の、主要な動機でもある。
英語について、学んだところ、不明なところ
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initiative (p.205)
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cost driver (p.206)
コストドライバー、原価を増減させる要因(原価作用因?) -
in certain respects (p.207)
とある点においては(?)
※respectには「点」という意味があるようだった。「in some respects」=いくつかの点で -
Opex is closer to a direct cost, making it easier to attribute to a data project. (p.207)
make it easier の「it」に attribute to a data project が入る形とおもってみると
「Opex は、よりダイレクトコストに近く、
それは、データプロジェクトに起因することをより簡単にする」(?) -
pragmatic (p.207)
実用的、実利主義(再登場) -
in this setting (p.208)
この状況では、くらい?(再登場)
※In our setting of data engineering,(p.209) のほうでは、想定、くらいの意味? -
effectively (p.208)
効果的、ではなく、事実上? -
are either not flexible for future growth or simply obsolete.(p.208).
「flexible for future growth」と「simply obsolete」のふたつが、どちらもない? -
invaluable (p.209)
かけがえのない、評価できないほど貴重な(無価値な、ではない)
技術について(経済用語?)
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Positive ROI
Return on investment.
投じた費用に対して、どれだけの利益を上げられたかを示す指標。Positive=「正の数」<(_ _)> -
Total Cost Of Ownership(TCO)
企業がITシステムを導入する際に必要となる、
ソフト・ハードの購入や維持管理にかかわるすべての費用の総額 -
Total Opportunity Cost of Ownership(TOCO)
わからないながらに調べてみて、以下ブログを見つけました。
(Google検索で先頭にでてきただけなのですが。)
https://josephreis.com/2021/01/26/total-opportunity-cost-of-ownership/
上記ブログにて、Jeff Bezosさんの「two way doors」の話に触れられていて、
この本でもJeff Bezosさんの話あったなとおもい、関連するかもとおもったので以下引用してみました。
(TOCOの話に、Two way doors後戻りできる選択(?)、の話がでてくるのですね、とおもったりしたり・・・)
Total opportunity cost of ownership (TOCO) is
the cost of being captive to Technology X and Paradigm Y,
while no longer benefiting from new Technologies and Platforms.
It’s the price you pay by going all in on Technology X and Paradigm Y,
and not being able to make the transition to new paradigms.
Jeff Bezos urges people to opt for decisions with “two way doors”,
meaning you can reverse course or take another direction.
Lowering your TOCO allows you to move fast, experiment,
and introduce new technologies and paradigms
that can greatly improve your business.
- capex opex
別分野だとちがいそう・・・とおもいつつですが、
https://www.netone.co.jp/knowledge-center/blog-column/knowledge_takumi_052/
うえの、ネットワン社のブログ記事で、以下のような、わりかしシンプルな説明されてるようで引用してみました。
CAPEX(設備投資)、OPEX(運用費)
CAPEX、OPEXはROI測定に通常用いられる項目だが、
当社の場合はOPEXに社員の工数(時間×給与)も含めている。