最近はあまりroot化需要がないかもしれませんが、Pixel9をroot化(bootloader unlock + Magisk導入)したので、その手順を残しておきます。
0.前提条件
- 失敗すると端末が起動しなくなる恐れがあります。作業にあたっては複数の情報を確認するとともに、自己責任により実施してください
- 作業工程で端末が初期化されます。データのバックアップ等は忘れずに実施してください
- root化したのはPixel9(無印)です。9Proや9Pro XLでの動作は未確認です
- root化時のAndroidバージョンは14、ビルド番号はAD1A.240530.047です
- 作業にはPCが必要です。今回の作業環境はMacでadbは当時(2024年11月)の最新版です。大まかな作業はWindows・Mac問わず変わりません
- 作業にはadbを使用します。adbの導入方法が分からない場合は他で調べてください
1.参考サイト
[Guide] Rooting your Pixel 9 [Tokay] (Magisk / APatch / KernelSU)
https://xdaforums.com/t/guide-rooting-your-pixel-9-tokay-magisk-apatch-kernelsu.4690837/
2.必要なファイル(2つ)
- ファクトリーイメージ(factory image)の中のinit_boot.img
Nexus デバイスと Pixel デバイスのファクトリー イメージから、Pixel9のビルド番号が同じfactory imageをダウンロード(Linkより)します。
今回の場合、「"tokay" for Pixel 9」の14.0.0 (AD1A.240530.047, Aug 2024)が該当しますので、任意の場所にダウンロードします。
解凍(展開)後、フォルダ「tokay-ad1a.240530.047」の中の「image-tokay-ad1a.240530.047.zip」を解凍し、その中に入っているinit_boot.imgを任意の場所に格納しておきます。
作業工程でPixel9を初期化した後、Pixel9の中の任意の場所に入れておきます。(初期化したら消えてしまうので。) - Magisk
githubのMagiskのページから最新のMagiskのapkをダウンロードしておきます。
私が実施した際は28.0(28000)を使用しました。
初期化後、Pixel9にインストールする作業があります。apkファイルのインストール方法について、この記事では触れません。
3.手順
大まかな手順は下記のとおりです。
1.開発者向けオプションを有効にする
2.ブートローダー(bootloader)をアンロック(unlock)する(※ここで初期化されます)
3.Magiskを導入する
(1)開発者向けオプションを有効にする
まずPixel9の「開発者向けオプション」を有効にします。
1.「設定」アイコンをタップ
2.「デバイス情報」をタップ
3.「ビルド番号」を7回タップすると、有効になる。
「設定」→「システム」の中に「開発者向けオプション」が出てきますので、オプションのうち「OEMロック解除」と 「USBデバッグ」を有効にします。
(途中で「実施しますか?」というようなことが聞かれた気もしますが、実施してください。)
(2)ブートローダー(bootloader)をアンロック(unlock)する
PCとPixel9を接続し、ターミナル(コマンドプロンプト)からbootloaderにアクセスする。
(初めての接続の場合はデバイス認証が入る場合があります。adb devicesで確認して、Pixel9を操作して認証してください。)
adb bootloader
bootloaderに入ったら、unlockします。
下記コマンドを叩くとbootloaderがunlockされるとともに、Pixel9が初期化されます。データのバックアップ等が必要な場合は必ずこの手順の前にバックアップを済ませてください。
fastboot flashing unlock
これでbootloaderのunlockは完了です。
下記コードでPixel9を再起動します。
(3)Magiskを導入する
Pixel9にMagiskをインストールします。
apkのインストールはadb pushでもPixel9から直接でも、別の方法でもインストールされていればOKです。
インストールしたMagiskを開いて、
Magisk「インストール」→「パッチするファイルの選択」で事前に用意しているinit_boot.imgを指定し、「はじめる」を押します。
少しの間処理が走り、「All done!」が出たら終了です。init_boot.imgが入っていたフォルダに、「magisk_patched-********.img」というファイルが作成されているはずなので、ファイルを作業用のPCのadbパスが通っている場所に移します。
再びPCとPixel9を接続し、bootloaderにアクセスします。
adb bootloader
bootloaderに入ったら、下記コードでinit_bootをflashします。
(Magiskでパッチを当てたファイルを、init_boot_aとinit_boot_bの両方にflashします。)
fastboot flash init_boot_a magisk_patched-********.img
fastboot flash init_boot_b magisk_patched-********.img
無事処理が済んだら、Pixel9を再起動します。
fatsboot reboot
これで、Pixel9のroot化は終了です。
4.雑感
以前(Pixel6あたりまで?)はinit_boot.imgではなく、boot.imgにパッチをあててflashしていましたが、今では手順が変わったようですね。