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業界外からやってくる未経験はなぜそこまでしてエンジニアになりたがるのか(30歳・既婚子持ち男性の例)

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はじめに

久しぶりにまとまった文章を書くことになり、最初どのように始めれば良いかわからなくなっております笑

記事をご覧いただき、ありがとうございます。

Kumasegawaです。

今回はちょっと遅くなってしまいましたが、2021年3月から業界・職種未経験からエンジニアとして転職することができましたので、その辺について振り返りがてら記事にさせていただこうと思います。

ただ、具体的な学習・転職活動の方法についてというより、そもそもなぜ「業界外から、個人的リスクを負ってまでわざわざエンジニアになろうと思ったのか」という点について、個人的な一例ではありますがご説明させていただこうと思います。

というのも、実際に先輩エンジニアからこういった質問を受けて納得の行く説明ができないことが多いのと、ストレートに業界に入って働かれている業界経験の長いエンジニアの方で、「こいつら(未経験からの転職組)って一体なんなんだ?」と思われる方も多いのではないかと思ったからです。

また、具体的な学習方法や転職活動の方法に関しては、勝又さんがYoutubeなどで示されているロードマップや、他の未経験からエンジニアに転職された方が書かれている転職エントリをご参考にしていただければと思います。

前置きが長くなりましたが、「こういうやつもいるんだな」くらいのご参考になれば幸いです。

(この文章は7000字あるので、適当に読み飛ばしていただければ幸いです泣)

最初に結論

・30才を目前にしてほとんどまともに世の中の役に立つことができて生活の糧としていけるようなスキルが身に付いていないことへの焦りを感じていた。

勝又さんYoutube動画堤さん発信を見て、「webサービスの開発エンジニアという職業があって、それなりに展望も明るく、自分にも向いていそうだ」「こんなこと(楽しいと思っていたプログラミング・webサービスの開発)でお金がもらえる職業があるなんて」と思った。

・経歴:コンビニチェーン社員→ブランク(専業主夫)→機械系の零細専門商社で営業→スタートアップでエンジニア

・話のスケジュール
2020年1月末~: 退職・独学 → 2020年4~6月: 就活1周目 → 2020年8月: 就活2周目 → 2020年9月〜アルバイト → 2021年3月〜正社員
(詳しい所要時間はこちらに記載)

キャリアに対する悩み

私はコンビニチェーン社員→機械系の零細専門商社で営業というあまりパッとしないキャリアを歩んできましたが、20代の間ずっとキャリアに対する悩みを抱えていました。

それは「やりたいことがない」とか「夢がない」といったふわふわしたものではなく、「具体的に何を職業として生きていったらいいかわからない」という、どちらかというと現実的な悩みでした(ふわふわしたものならむしろ持っています)

その時々で「おもしろそうだ」と思うことに手を出して、実際楽しく働かせていただいた(上司の方が上手だったんですね)こともありましたが、一方で、先行きに対する不安というか、「このままじゃまずい」といった危機感を持ち続けていました。

私は元々ひねくれ者なので、会社が「大きい」とか「一流である」とかいうだけでは安心できません(所属したこともないですが笑)

また、そういった危機感は、いくつになっても、どんな立場の人間でも抱く当たり前の悩みかもしれません。

しかし、「会社」に安心することも、「職業」を定めることもできなければ、一体どこに腰を落ち着けて、キャリアというか、人生の足場のようなものを形成していけばよいでしょうか。

また、配慮しなければならないのは当然ですが、家族がいたところで、ましてや自分が「男性」であるからといって、その足場が勝手に確かなものとなるわけでもありません。

そんな風に「どうにかしなければ」と思いつつ、英語と中国語が少しだけできて、店舗マネジメントと営業見習い的な業務経験があるだけの、実はただ中途半端なだけで専門的には何もできない人間が出来上がり、30才を目前にしてほとんどまともに世の中の役に立つことができて生活の糧としていけるようなスキルが身に付いていないことへの焦りを感じていました。

エンジニアになろうと思った経緯

エンジニアになろうと思った直接のきっかけは、勝又さんのYoutube動画を拝見して、「この職業(webサービスの開発エンジニア)なら、明るい展望を持って、働いて行くことができるのではないか」と思ったからです(ちょっと悲壮過ぎますね笑)

当時私は、すでに前職を辞めることを決めて、退職の意図も会社に伝えていて、しかも「まだ次の仕事(というか方針すら)も決まっていない」というやばい状況でした。

というのも、当時私が勤めていた会社とは、あまりにもお互いの求めているキャリア像にミスマッチがあった(今考えればですが)と思われ、就業規則に「6ヶ月前までに申し出ること」と記載があったので、その旨をお伝えしていました。

流石に「6ヶ月前までに退職の意向を伝える」だなんて法的にはなんの意味もないし、一般の例に沿っているわけでもありません。

しかし、規模の小さい会社(従業員数名)でしたし、私も全くの異業種から転職してきて、勝手ながら恩義を返したいが気持ちがありました。

一方で、そんな綺麗ごとだけでなく、当然、私の方にも「まあ6ヶ月のうちに次を決めればいいか」という甘い考えがありました。

退職を控えて、「自分でなんかやってやろう」とさえ思いながら、結局はよくわからないまま中途半端にweb制作の勉強でLPの模写などをしていました。

そこからなぜエンジニア?

元々、20代中盤の時に、プライベートでAndroidのメモアプリを作ったことがありました。

後述しますが、その時は特にエンジニアを志望していたわけでもなく、当時使っていたスマホがAndroidで、「なんか作ってみたい」くらいの気持ちで、PaizaでJavaのコースを1周&ドットインストールでAndroidの講座を途中までやって、参考書を横にAndroid Studioでメモアプリみたいなものを作りました。

その経験があって、プログラミングやwebサービスを作ること自体は「楽しい」「自分に向いている」という確信があり、退職を決めた後、「プログラミングの方でなんかやってみたい」と思って、Pythonの入門書を一周したり、LPの模写なんかをしていました。

ここで違和感を感じられる方も多いと思いますが、PythonとLPの模写って、全然分野が違いますよね笑

その通りなんですが、業界外の私からすると、違いがわからないというか、むしろ、Pythonの方が職業に結びつくイメージがありませんでした。

というのも、プログラミングで何か職業にしたい、と考えると、ネットに転がってる情報って、web制作関係がほとんどであり、また、「webサービスの開発エンジニア」なんて、存在を全く知らなかったからです。

これは、2019年の話であり、今の方がプログラミングスクールも活況だと思われ(当時ですでにそうかもですが)るので、今は違うかもしれません。

ただ、当時の私もそうでしたが、一般のほとんどの人というのは、普段LINEやメルカリ、Twitterなどのwebサービスを当たり前のように使っていながら、それを開発する仕事が専門職として存在する、ということがよくわかっていないのではないでしょうか。

私は、いまでも「(webサービスの開発)エンジニアになったんだ」と言っても、「ああ、SEね」と返されます(決してどっちがいいとかの話ではありません)

これがどうしてなのかはよくわかりませんが、とにかく違いがよくわからないどころか、Pythonとweb制作では圧倒的にweb制作の方が職業に直結する認識でした。

勝又さんと堤さん

勝又さんは一度オンラインサロンでお世話になったくらい(とはいえオンラインサロンでのポートフォリオのレビューなど大変お世話になりました!)で、堤さんは直接ご面識もないので、お二人の名前を勝手にあげるのも恐れ多いのですが、私がエンジニアになろうと思った直接のきっかけは、勝又さんと堤さんの影響です。

退職を2,3ヶ月前に控えながら、なんとなくLPの模写なんかをしていて、その作業自体は楽しいんですが、恐れながら、web制作のフリーランスの特定の界隈って、ちょっと怪しい雰囲気があると思うんですね。。。

業界や職業自体のことを言っているわけでは全くないですし、私が当時勉強法を参考にしていた方々の記事も、非常に有用でありがたかったのですが、やたら「儲かる」と連呼されているような(汗)

明るいことや「儲かる」を連呼されていると、私も素直な方ですけど、「それって逆に儲からないってことじゃない?」と思ったりで、いまいち職業としていくイメージが湧きませんでした。

そんな風にもやもやしている中で、プログラミングスクールを受講された方が投稿された記事の中で、「勝又さんのYoutubeの動画が参考になった」というのを目にしました。

勝又さん
https://twitter.com/momonoki1990/status/1203640265610653700

前述しましたが、私には一度Androidアプリをよくわからないまま作って、よくわからないまま転職活動をした過去があります。

その時は、最終的に「SESさんの無料のプログラミングスクール」にそれを持っていって、「ここってやばいところでは」と思い、当時はエンジニア職にこだわりがあったわけでもなかったので、結局はアプリとは全く関係のない業界に転職しました。

そして、「よくわからないままLPの模写をしていた」私は、また同じような失敗を繰り返すところでしたが、たまたま見かけた記事の中で勝又さんのことを知り、投稿動画を見る中で、「webサービスの開発エンジニアという職業があって、それなりに展望も明るく、自分にも向いていそうだ」、もっと言えば、「こんなこと(楽しいと思っていたプログラミング・webサービスの開発)でお金がもらえる職業があるなんて」と思いました。

勝又さんはYoutubeの投稿動画の中で、SIerとweb系企業の違いを明確にご説明されているなど、業界外の人にもわかりやすいようにwebサービスの開発エンジニアや業界に関してご説明されていて、おかげさまで、私は「webサービスの開発エンジニア」という職業を知り、志望するに至りました。

同時期に、堤さんのことを知りました。

堤さん
https://twitter.com/momonoki1990/status/1208957252134064129

いやほんと「儲かる」と連呼されている方が多い(汗)中で、「希望年収は200万円だった」「あの頃の自分はタダでも高い」と実感を述べられていて、しかも積極的にエンジニアやフリーランスという職業に関して発信(有料ですがこちらなど)されていて、非常に参考になりました。

具体的な情報ももちろん参考になりましたが、何より、お二人が「エンジニアっていう職業いいよ」と外部に向けて積極的に発信されていたその姿勢自体に、「わ、いいな」と思ったところが、私がエンジニアを志望する背景として大きかった気がします。

退職、独学、一次面接で全落ち

ちなみにですが、妻との間では、イギリスのEU離脱にならって、私が次の転職先を決めないまま会社をやめることを「合意なき離脱」と言っていました笑(私が勝手に言っていただけですが)

というのも、妻は(私もですが)エンジニアなんて職業は全くよくわかりません(お互い友人や家族にwebサービス関係の職に就いている人間はほとんどいないド文系の世界で生きてきた)し、何より「自分も働いているのに中途半端に仕事をやめて、全く信用ならない」という状態でした。

どう考えても私の方に非はありますし、全く私のわがままだとわかっていたので、弁解の余地はありません笑

しかしながら、妻の方でも、私の前職にはミスマッチがあった(どっちが悪いとかではない)ことはなんとなく伝わっていて、自分にどうすることができる問題でもないので、半信半疑ながら渋々認めていた、という感じでした。

期間中、家事は私がほとんどやりましたし、途中からは、アルバイト程度に全く関係のない仕事をしながら、独学でRuby on Rails+Docker+Circle CIでポートフォリオを作り、転職活動をしました。

コロナで初めての緊急事態宣言が出た頃でしたが、5月に入ると、書類が通りはじめて、面接の機会を持つことができました。

そして、全て一次面接で落ちました。。。

面接での失敗、再チャレンジ

この点に関しては、私ももちろん面接を受けさせていただいた全ての企業様に関して、一通り準備をして望んだつもりでした。しかし、原因は自分の経歴に関して「相手が受け入れづらい言い方をしていた」ことでした。

私には、20代の中盤にブランク(専業主夫をしていました)期間があります。この点に関して、マイナスとして捉えられたくないばかりに、強気な発言をしていたことが原因でした。

通常というか、そこまで人気のない業界や職種であれば、「まあ、ちょっと変わってるな」と思われるくらいで、面接はパスできていたかもしれません。

しかし、未経験からのweb系開発エンジニアという職種は、圧倒的に買い手市場・採用が強い市場です(とこうなって初めて体験として理解しました)

何社か面接を受けさせていただきましたが、「あれよあれよ」と全落ちです泣

流石にこの時期は「なにか間違ってるんだろうか」とめちゃくちゃ落ち込みました(色々と間違ってますね笑)

ただ、技術的にはいくらでも先に進める自信がありましたし、大枠としてはそんなに変なことを言っているわけでもないことはわかっていたので、とても諦められず、志望企業の技術スタックに併せてポートフォリオ(React+Express+TypeScript, 詳しい勉強過程はこちら)を作り、妻に対しては期限を切って、再チャレンジしました。

アルバイト、正社員

2周目の転職活動では、1周目での失敗を反省(弱みは、取り繕ったり逆に強く出て誤魔化したりしようとせず、そのまま弱みとして認めるだけでよかった)し、修正して臨んだ結果、感触よく進みました。

Expressはほぼ言及がありませんでした笑が、主にReactの引きがよかったです。

Reactに関しては、タイミングが合わなかったのでお断りしましたが、大手企業の開発案件で書類が通ったこともありました(最低時給で、他の条件も私にはよくわかりませんでしたが)(またReactに関しては最後に後述)

結果、第一志望の会社にもう一度トライして技術試験で落ち、そちらの会社がアルバイトも募集していた(どちらも募集が閉じようとしていましたが)ので、「アルバイトでもいい」とお伝えしました。

他の選考も進んでいたので、また妻ともなんやかんやありましたが、なんとか合意を得てそちらの会社でアルバイトとして採用していただき、ご推薦もいただいて(こちらからプッシュしなければいけないかと思っていたので気持ちの面で本当にありがたかったです)、半年後に正社員となり、現在に至ります。

エンジニアになった感想

アルバイトからではありましたが、すでに半年くらいエンジニアとして働いています。

ただ、「エンジニア」という職業がなんなのか、肌感ではよくわかっていません笑

一定の界隈では「エンジニア」と言ったら「webサービスの開発エンジニア」を指すと思いますが、機械系の業界に行けば「エンジニア」と言ったら「機械系のエンジニア」だと思うので、「エンジニア」という呼び方も適切なのか、よくわかっていません。

ただ、服装をはじめ些細な自由が業界外の人間であった私には非常に心地が良いですし、コードを書くのも勉強することも、何よりインターネットさえあれば無限に勉強して何かができるようになること自体が楽しいです。

おまけ

再現性の薄い話だと思うので、「こういうやつもいるんだな」くらいのご参考になれば幸いです。

Reactに関しては、2周目の就活でも結局第一志望の会社に技術試験で落ちていて、これはHTMLやJSの基礎に対する知識不足が原因だったと思われる(課題はReactでしたが、うまくできなかったのはこれら)ので、基礎をおざなりにして先に進みすぎるのも、よくないかもしれません(かといって、目を引かないことにはどうしようもなかったりするので、迷いどころではありますね)

未経験でエンジニアを志望される方は、基本的には仕事を続けながら学習する時間を確保してポートフォリオを作り、転職活動されることをお勧めします。

もし会社をやめて独学・転職活動を検討される場合は、少なくとも半年〜1年間かそれ以上の生活資金を貯めてから実行されることを個人的にはお勧めします。

なんだかんだ言って、生活資金に影響が出るくらいまでお金がなくなってしまうと、どうしても精神的にも不安になり、妥協してしまう(それでいいと思いますが)かもしれません。

逆に言うと、生活資金と健康さえ保てれば、どうにでもなるのではないでしょうか笑

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