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【Intune Suite】エンドポイント特権管理を試してみた!

Last updated at Posted at 2024-07-14

1.はじめに

本記事では、Intune Suiteの1つである エンドポイント特権管理 (EPM: Endpoint Privilege Management) を取り上げており、簡単な動作確認手順をご紹介します。

2.エンドポイント特権管理とは

エンドポイント特権管理の説明をする前に、少しIntune Suiteに関して触れておきます。

2-1.Intune Suite

Intune Suiteとは、Intune Plan 1に対するアドオンプランです。
現在提供されている主要なコンポーネントは以下となっています。
試してみたコンポーネントには、リンクを付けていますので、もしよろしければ。

①リモート ヘルプ
・クラウドベースで、ユーザの遠隔支援

②エンドポイント特権管理
・ローカル管理者権限を Just in Time で付与
・本記事でのご説明

③高度分析(Advanced Analytics)
・デバイスクエリや、分析ダッシュボードを提供

④エンタープライズ アプリケーション管理
・3rd Party アプリの配信と脆弱性、更新の管理

⑤クラウド PKI
・SCEP証明書の発行や失効管理


費用感に関しては、以下公式サイトに記載があります。

2-2.エンドポイント特権管理とは

エンドポイント特権管理とは、Intuneで管理されたWindows PCにおいて、一般ユーザ(管理者権限を有さないユーザ)において、管理者権限が必要なアプリケーションのインストールに、一時的な管理者権限の付与を行えるというものです。

これによって、管理者権限をユーザに与えることなく、Windows PCの運用をすることができます。つまり、権限昇格攻撃のように、一般ユーザを狙って侵入した後、管理者権限を奪取していくという攻撃に対して、有効な対策となります。

サポート対象

サポートされるOSは、Windows 10 , 11です。
Microsoft Entra Joined / Entra Hybrid Joined をした状態で、Intune登録が必要です。

サポートされている拡張子としては、.exe, .msi, .ps1 等になります。

拡張子msiとps1もサポート
以下、Microsoft Intuneの新機能のページに記載があるように、2024年6月17日の週から、拡張子exeだけではなく、拡張子msiとps1もサポートされました。

2024 年 6 月 17 日の週 (サービス リリース 2406)

エンドポイント特権管理 (EPM) 昇格規則 で、以前にサポートされていた実行可能ファイルに加えて、Windows インストーラーと PowerShell ファイルの昇格がサポートされるようになりました。 EPM でサポートされる新しいファイル拡張子は次のとおりです。

.msi
.ps1

3.手順

3-1.テスト環境

今回のテスト用の事前準備は、以下となります。

  • Hyper-V上に、Windows 11 PCを準備し、Entra JoinedとIntune登録を実施
  • 上記Windows 11 PCに、管理者権限を有さないユーザでサインイン
  • 利用するユーザに、EMS E3ライセンスと、Intune Suite (試用版)を適用済み

3-2.Intuneによるプロファイルの配信

それでは、対象のWindows 11 PCにIntuneによるプロファイルを適用していきます。
Intune 管理センターに移動し、「エンドポイントセキュリティ >> エンドポイント特権の管理」を選択し、「+ポリシーの作成」をクリックします。

image.png

「Windows 10以降」を選択し、「Elevation setting policy」をクリックします。アプリ単位ではなく、管理者権限を利用するときに、適用させる場合は、Elevation settings policyにします。

  • Elevation settings policy:標準ユーザが管理者権限での実行を要求したときに、昇格動作を実施する
  • Elevation rules policy : アプリ別に昇格要求の対応方法を管理

image.png

プロファイルに名前を付けます。

image.png

権限昇格時の応答を定義します。
選べる選択肢は、以下となります。権限昇格時には、承認者による承認を必要とさせたいため、「サポートの承認を必須にする」にしています。

  • すべての要求を拒否
  • ユーザーの確認が必要
  • サポートの承認を必須にする
  • 構成されていません

image.png

これで、対象のユーザにプロファイルを割り当てれば、完了です。

3-3.テスト用の実行ファイルのダウンロードと作成

テスト用のインストーラは、以下URLからダウンロードしています。

Wireshark
wiresharkは、.exe形式のインストーラをダウンロードします。

Google Chrome Enterprise
Google Chromeのエンタープライズ版には、.msi形式のインストーラがありますので、ダウンロードします。

powershell ファイル

管理者権限が実際に必要というわけではないので、単純なHello Worldのファイルを作成します。
なお、powershell実行時には、スクリプトに対する実行権限の設定が必要となります。必要に応じて、Set-ExecutionPolicy RemoteSignedをpowershellで実行しておく必要があります。

ちなみに、スクリプト実行ユーザの確認のため、whoamiを入れています。

hello.ps1
echo "Hello World!"
whoami
pause

3-4.テスト用のファイルの実行

Wireshark

まずは通常通りインストーラを実行してみます。
すると管理者権限を聞かれましたので、「いいえ」で閉じます。

image.png

次に、対象のインストーラを右クリックし、「管理者特権で実行」を選択します。

image.png

すると、申請画面が出てきますので、申請理由を記載し、「送信」を押します。

image.png

要求送信完了画面となります。

image.png

Intuneに戻り、「昇格要求」を見てみると、先ほどのファイルが確認できます。

image.png

対象のファイルをクリックし、「承認」を押します。

image.png

理由の入力画面が出てきますので、「はい」と入力し、承認完了です。

image.png

エンドポイントで数分待つと、承認の通知が出てきました。

image.png

再び、対象ファイルを右クリックし、「管理者特権での実行」を押します。
すると、今度は、「続行」を押すことが可能となっています。

image.png

残りは通常のWiresharkのインストール画面となります。

image.png

Google Chrome Enterprise

MSI形式となりますが、こちらも問題なく、エンドポイント特権管理が適用できています。

画面遷移は先ほどと、ほぼ一緒です...

image.png

Intuneに戻り、承認をしておきます。

image.png

少し待つと、承認の通知が発生しました。

image.png

対象ファイルを右クリックし、「管理者特権での実行」を押します。
「続行」を押すことが可能となっています。

image.png

powershell ファイル

Powershellのps1形式となりますが、こちらも問題なく、エンドポイント特権管理が適用できています。

画面遷移は先ほどと、ほぼ一緒です...

image.png

Intuneに戻り、承認をしておきます。

image.png

通知が発生した後は、対象ファイルを右クリックし、「管理者特権での実行」を押します。
「続行」を押すことが可能となっています。

image.png

無事、Hello worldを出力することができました。
気になるところとしては、whoamiの出力結果となるmem\azuread_[username]_$のところでしょうか。
EPMを利用しない場合は、azuread\[username]となりますので、管理者特権専用のドメインにあるサービスアカウントのように見えます。

image.png

4.おわりに

Intune Suiteのエンドポイント特権管理を試してみました。
.exe形式に加えて、.ps1や.msiも追加されたため、本格的に利用しやすくなったのではないでしょうか。実運用では、管理者権限を与えず、標準的なソフトはIntuneからの配信にして、その他は、エンドポイント特権管理を利用するとよいかもしれません。

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