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【PHP】SimpleXMLオブジェクトの不思議な挙動

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PHPのSimpleXMLオブジェクトに対してエラー処理をしようとしたところ、改めてこのオブジェクトの仕組みが分からなくなり、理解するのにだいぶかかった。「あれっ」となるところがあり一筋縄ではいかなかったので、まとめておきます。
※ 以下のコードの実行環境は、PHP 7.4 です

存在しないプロパティを参照すると「空のSimpleXMLオブジェクト」が返る

次の処理は、XMLから、ユーザ名を取得し配列にしています。

<?php
$xmlstr = <<<XML
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<users>
    <user>
        <code>001</code>
        <name>Yamada</name>
    </user>
    <user>
        <code>002</code>
        <name>Tanaka</name>
    </user>
    <user>
        <code>003</code>
        <name>Sato</name>
    </user>
</users>
XML;

$xml = new SimpleXMLElement($xmlstr);

$user_names = [];
foreach ($xml->user as $user) {
    $user_names[] = (string)$user->name;
}
print_r($user_names); // Array ( [0] => Yamada [1] => Tanaka [2] => Sato ) 

SimpleXMLオブジェクトの存在しないプロパティ(XMLにタグがない)を参照してみると
空のSimpleXMLオブジェクトが戻り値になることが分かります。
通常のオブジェクトは、Noticeエラーが発生しますが、SimpleXMLオブジェクトではそれが出ない。

print_r($xml->hoge); // SimpleXMLElement Object ( ) 

$std = new stdClass();
print_r($std->hoge); // Notice: Undefined property: stdClass::$hoge

存在しないプロパティを検証した時は、次のようになりました。

isset !empty !is_null
SimpleXMLElement false false true
stdClass false false false
※ stdClass の、!is_null では、「Notice: Undefined property: stdClass::$hoge」とエラーが出ます

issetは、プロパティを直接見に行き、存在しない(宣言されていない)ので、falseになる。
!emptyも、issetと同じく、プロパティを直接見に行き、空と見なすということだと考えられます。
!is_nullは、is_null()を実行するとき、存在しないプロパティへの参照が発生し、
空のSimpleXMLオブジェクトが返されるため、nullではないと判断されるようです。
stdClassは、存在しない値で、nullが返るため、逆の結果になります。
関数は参照が発生するので、発生しない言語構造のisset!empty とは動きが
違ってくるということでしょう。

##「空のSimpleXMLオブジェクト」は、オブジェクトだけど空
SimpleXMLオブジェクト と stdClass の比較では、空の時の検証結果が変わってきます。
空のSimpleXMLオブジェクトは、空とみなされるが、
空のstdClassオブジェクトは、空とみなされない。

isset !empty !is_null
空のSimpleXMLオブジェクト true false true
空のstdClass true true true

配列と同じように空のSimpleXMLオブジェクトは、empty で空とみなされます。
この辺りは、マニュアルにも記載がありました。
emptyは、「booleanへの変換」で結果を判断しており、
false(空)とみなす値に空のSimpleXMLオブジェクトも入っています。

属性がない空要素から作成された SimpleXML オブジェクト。つまり、子要素も属性もない要素です。

##「空のSimpleXMLオブジェクト」にみえるけどデータがあることがある

以下のようにXML名前空間が要素に付いているという時は、注意が必要です

<?php
$xmlstr = <<<XML
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<hoge:users xmlns:hoge="http://mokkii-hoge.org/2021/">
    <hoge:user>
        <hoge:code>001</hoge:code>
        <hoge:name>Yamada</hoge:name>
    </hoge:user>
    <hoge:user>
        <hoge:code>002</hoge:code>
        <hoge:name>Tanaka</hoge:name>
    </hoge:user>
    <hoge:user>
        <hoge:code>003</hoge:code>
        <hoge:name>Sato</hoge:name>
    </hoge:user>
</hoge:users>
XML;

$xml = new SimpleXMLElement($xmlstr);

print_r($xml); // SimpleXMLElement Object ( )
var_export(isset($xml)); // true
var_export(!empty($xml)); // false
var_export(!is_null($xml)); // true

$user_names = [];
foreach ($xml->children('hoge', true) as $user) {
    $user_names[] = (string)$user->name;
}
print_r($user_names); // Array ( [0] => Yamada [1] => Tanaka [2] => Sato ) 

中身があるはずなのですが、print_r() で中身を出力してみると、
みかけは 空のSimpleXMLオブジェクトと同じになります。
別のXML名前空間にデータが存在していても、プリフィクスなしの
デフォルトの名前空間にデータが無いと空と見なすようです。
もちろん、children()を実行し、名前空間を指定すれば、データを持ってこれます。

SimpleXMLオブジェクト、難しい

SimpleXMLオブジェクトは、かなり独特な動きをするように思いました。
普段のPHPを使っている時の動きとは異なる点があり、
もしかしたら、エラーが出にくいように配慮されているのかもしれないですが、
値の検証などをやりだすとなかなか難しいです。
ある程度、特殊なものとして認識して使うのがいいように思います。

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