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次元解析で考える

Last updated at Posted at 2017-04-18

次元解析とは(Wikipediaより)

次元解析(じげんかいせき、英: dimensional analysis)とは、物理量における、長さ、
質量、時間、電荷などの次元から、複数の物理量の間の関係を予測することである。
物理的な関係を表す数式においては、両辺の次元が一致しなくてはならない。この規則を逆に
利用すると、既知の量を組み合わせ、求めたい未知の物理量の次元に一致するように式を立て
れば、それは正しい関係式になっている可能性が高い。

要するに、欲しい量の 単位 から、与えられた量をうまく組み合わせなさいという話です。

簡単な例(速度とか道のりとか時間とか)

簡単な例として、小学校で習う"みはじ"を見てみます。

それぞれの単位

道のりの単位:m(メートル)
時間の単位: s(秒)
速さの単位: m/s (秒速Xメートル)

例題

さとるくんが時速100kmで30秒間ダッシュしたときに進む距離は何mか。

考え方

求める量は距離。単位はm(メートル)。
与えられた量は、時速。単位はkm/時(1時間あたりにXkm)
あとは継続時間。単位は秒(30秒)

求める量の単位になるように、与えられた量の組み合わせをとります。
そのための準備として、単位をそろえます。

時速100km = 100km/時 = 100 x 1000 m/時 = 100 x 1000m/時(3600秒/時)= 27.77 m/秒

求める量の単位は m 。一方、与えられた量の単位は m/秒 と 秒

答えは簡単で、

進む距離(m)=27.77 (m/秒) x 30 (秒) = 27.77 x 30 (m/秒 x 秒) = 833.1 (m)
※単位も数字と同じようにかけたりわったりする。 m/秒 x 秒 = m ➗ 秒 ✖️ 秒 = m

例題:29年度春期情報処理試験より。

本社と工場の間で専用線で接続してデータを伝送するシステムがある。
このシステムでは2000バイト/件の伝票データを2件ずつまとめて、それに400バイトのヘッダ情報を付与して送っている。
伝票データは1時間に平均100,000件発生している。回線速度を1Mビット/秒としたとき、回線利用率はおよそ何%か。

考え方

求める量は、回線利用率(%)ですが、これは 無次元量(単位なし量) です。
で、回線利用率を考えます。
どういう関係式で考えてもいいですが、問題に出てきている単位を見てみると
「バイト(ビット)」、「件」、「時間(秒)」があります。
単位なし量を求めるということは、すなわち、
同じ単位を持つ量どおしで割り算する
ということです。この問題の場合には、バイト➗バイトになるように式を組み立てるか、
件➗件になるようにするか、あるいは(件/時間)➗(件/時間)のようにするかいくらか考えられます。

出てきた量を並べてみる

  • 伝票データの容量:2000B/件
  • 1回の送信件数:2件/回
  • ヘッダーの容量:400B/回 (1回の送信で1個のヘッダをつけている)
  • 1時間あたりの伝票データ件数:100,000件/時
  • 回線速度:1Mビット/秒(1秒間で1Mビットのデータを流せる

二次的な量を求める

手近なところから、組み合わせて意味ある量を作る。

  • 1回の送信データ量(B/回) = [伝票データ量] + [ヘッダーデータ量] = 2000(B/件) x 2 (件/回) + 400 (B/回) = 4400 (B/回)

  • 1時間あたりの送信データ回数(回/時) = 100,000(件/時) ➗ 2 (件/回) = 50,000 (回/時)
     →1時間に50,000回データ送信をしている。

さらに高次の量を求める。

二次的な〜のところで、 B/回という単位を持つ量と、回/時 という単位を持つ量が出てきたので、
これをかけてみる。

  • 単位:B/回 x 回/時 = B/時 →1時間あたりの送信データ量!!!
  • 数値: 4400 x 50,000 = 220 (MB/時)

ここまでくれば大体わかってくるかなと。
回線速度は一秒あたりのデータ容量 → 3600倍すれば、1時間あたりのデータ容量になる

ということで、

最後の答え

利用率=使う量➗使える量=1時間あたりの送信データ量 ➗ 1時間あたりのデータ容量
 = 220M(B/時) ➗ (1M x 3600) (bit/時)= 220 M(B/時) ➗ 450M (B/時) = 0.4888

百分率に直すと49%になります。

おわり。

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