1. このページで目指すもの
「テトリスを参考にしたゲームを作り公表したいけど、どこまでオリジナルのテトリスから離れれば著作権の保護対象外となるのか」について調査・考察し、自分なりの結論を出します。
2.参考にしたもの
A) ゲームの「ルール(アイデア)/表現」の境目が示された!?米国テトリス事件ーTetris Holding, LLC v. Xio Interactive, Inc.ー 2023年1月7日
B) “砂テトリス”こと 『Setris』、テトリス社側より「タイトルと音楽似すぎ」と著作権侵害通知受けたとして配信停止。しかし改名などして配信マッハ再開
3.結論(括弧書きは参考サイト番号)
日本国内では、ソフトウェアの機能が類似していても著作権侵害にはならないようです。 (C)
米国ではドクターマリオ程違うと、テトリスの著作権に引っかからないようです。(A)
しかし、昨今ではAndroidアプリやiPhoneアプリの配信が世界中に行われることを考えると、厳しい方の基準に合わせることが重要なのでしょう。Playストアなどの審査も厳しくなっているようです。
- ゲームフィールドの大きさを変える
- 1つのピースの大きさを変える
- ピースの色彩、光沢感、質感を変える
- ピースのアクションの雰囲気を変える
- その他、ゲームのGUIを変える
- タイトルを変える(B)
- 音楽を変える(B)
- サービス名・アプリ名やドメインの一部(または全部)に、「テトリス」「テトリミノ」「Tetris」「Tetrimino」といった名称を使わない(テトリスの商標権侵害(C)
以下は単独では、侵害の認定に至らない可能性がありますが、他の要素で似通った表現を使っているとその限りでないようです(A)
- ガベージライン(※対戦モードで出てくる相手へのお邪魔ラインのこと)
- ゴーストまたは影のピース(※落下予定位置に出る影)
4.理由
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著作権法とは、「創作性のある表現(著作物)」を守る法律
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「ゲームのルールは著作物ではない」
GUIを構築することで「表現」となるが、万国共通の判断ラインは存在しない様子カードゲーム:著作権の適用は難しい
ブロックゲーム(落ちゲー):著作権の適用は検討しやすい
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ゲームのルール:著作権保護対象外
- 落ちゲー
- 幾何学形状で、幾つかの異なる形のものが落ちる
- 水平ラインが揃うと消える
- 画面の一番上までくるとゲームオーバー
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ゲーム表現:著作権保護対象内
- ブロックに明るい色、ブロックは個別に線引きされたレンガ形状、各レンガには質感を示す内側の境界線、色の陰影とグラデーションはほぼ同様、光がピースに注がれている
- ブロックは、4つの同じサイズの正方形をさまざまなパターンで組み合わせられている
- ブロックの動きと回転のビジュアル(アニメーション)
- ピットの寸法(20マス x 10マス)、
- 「ガベージ」ラインの表示、
- 「ゴースト」の出現、
- 次に落ちるピースの表示、
- 蓄積されたピースとロックするときのピースの色の変化、
- ゲームオーバーによりゲームボードに自動的に埋められる正方形の表示
4マスで構成されたピース、縦20×横10マスというのは、 ゲーム性 に深くかかわる部分です。これらの表現がアイデア(ルール)ではなく、表現なのか?という問題を通して著作物(表現)として認められたということは、 ゲーム性の一部は著作権として認められた ことを意味するようです。
この他、
- マージ理論(Merger doctrine)
- ありふれた情景理論(Scènes à faire)
など、勉強になりますが、この点は参考にしたページ(A)をご参照ください。
5. おわりに
決して法律の専門家ではありませんが、考察することに意味のあるテーマと思います。
誰かのお役に立ちますように。