IoTシステム技術検定中級の出題パターンを徹底解説!サンプル問題から見る効率的な学習方法
この記事で分かること
- IoTシステム技術検定中級の出題形式と特徴
- サンプル問題から見える学習のポイント
- 効率的な学習方法のヒント
はじめに
IoTエンジニアのスキルアップを考えている方、IoTシステム技術検定中級の受験を検討されている方へ。
この記事では、公式サンプル問題を徹底分析しました。
また、出題される4つの問題形式について解説し、対策を紹介しています。
実際に合格した筆者が、効率的な学習方法を提案します。
なぜこの記事を書いたのか
IoTシステム技術検定中級は、IoT技術の実践的な知識とスキルを証明する重要な資格です。
しかし、以下のような課題があります:
- 公式の過去問や問題集が存在しない
- 唯一のテキストが読みづらい
- 合格体験記などの参考情報が少ない
このような状況の中、限られた時間で効率的に学習を進めるため、
公式のサンプル問題をもとに必要な学習方法を紹介します。
この記事の特徴
- 公式サンプル問題を4つの問題形式に分類
- 各問題形式の特徴と解き方を解説
- 実際の例題と詳しい解説を提供
本記事は、資格を受ける前に書きました。
後日合格しましたが、実際の試験内容については触れることができないこと、ご了承ください。
資格試験の基本情報
- 試験名: IoTシステム技術検定中級
- 試験形式: CBT方式(コンピュータベース)
- 出題形式: 多肢選択式
- 参考書・問題集: IoT技術テキスト 第4版
サンプル問題の分析と対策
1. 全体の特徴
- すべて4択問題
- 選択肢から正解を導き出せる可能性がある
- 細かな定義を完全に理解していなくても、選択肢の内容から判断できる場合がある
- バランスの良い出題
- サンプル問題は全10問
- 各問題形式が2〜3問ずつ出題される
2. 問題形式の分析
公式のサンプル問題はこちらから確認できます。
分析の結果、以下の4つの問題形式に分類できます:
① 単一正答の4択(穴埋め形式)
- 空欄に入る最も適切な語句を①〜④から1つ選ぶ
- サンプル問題1, 2, 3が該当
- 基本的な用語の理解を問う形式
② 組み合わせの選択(語句が2つ)
- 空欄が2つあり、それに対応する語句の正しい組み合わせを選ぶ
- サンプル問題4, 9, 10が該当
- 複数の用語の関連性の理解が必要
③ 正しい文の選択(複数の記述文から)
- a〜dの記述の中から正しいものの組み合わせを選ぶ
- サンプル問題5, 6が該当
- 幅広い知識と正確な理解が必要
④ 不適切な記述を選ぶ(誤り探し)
- ①〜④の中で誤っている記述を選ぶ
- サンプル問題7, 8が該当
- 細かな違いを見分ける力が必要
効率的な学習のポイント
1. テキストの構成に注目
- 複数の用語が紹介されている章
- 用語の違いを重点的に学習
- 表にまとめて整理すると効果的
- 単一の用語が詳しく説明されている章
- 定義と特徴を正確に理解
- 不適切な説明を見分けられるように
2. 問題形式別の対策
- 穴埋め形式:基本用語の確実な理解
- 組み合わせ問題:関連する用語の違いを整理
- 正誤問題:幅広い知識の習得
- 誤り探し:細かな違いを見分ける練習
具体的な問題例と解説
以下に、4つの問題形式それぞれの例題を示します。
実際の問題形式や難易度を体感してください。
(例1)単一正答の4択(穴埋め形式)
問題:世界的に普及しているオープンソースハードウェアのマイコンボードの例として【I】が挙げられる。
次の選択肢の中から、空欄【I】にあてはまる最も適切な語句を一つ選びなさい。① PLC
② ZigBee
③ Arduino
④ HTTP解答:③
解説:
① PLC: PLC (Power Line Communication) は、電力線通信方式を指し、オープンソースハードウェアのマイコンボードではありません。
② ZigBee: ZigBee は、近距離無線通信規格の一つであり、オープンソースハードウェアのマイコンボードではありません。
③ Arduino: Arduinoは、オープンソースハードウェアのマイコンボードの代表例として世界的に広く普及しています。安価で簡単に電子工作やプログラミングを学ぶことができる教材としても活用されています。
④ HTTP: HTTP は、Webページなどのデータを送受信するための通信プロトコルであり、オープンソースハードウェアのマイコンボードではありません。
(例2)組み合わせの選択(語句が2つ)
問題:次の空欄1、2にあてはまる最も適切な語句の組み合わせを、①〜④の選択肢の中から一つ選びなさい。
エッジAIを実現するための方式として、【1】を組み込むことによるハードウェア拡張や、クラウドで作成した【2】をエッジ側に組み込む方法などがある。
【1】 【2】 ① CPU 予測モデル ② GPU 学習モデル ③ FPGA 分析データ ④ DSP アルゴリズム 解答:②
解説:エッジAIを実現するための方式には、GPUの組み込み、深層学習などの分析処理に特化したアクセラレータ、エッジAI向けのSoC(System on Chip)の製作・組み込みによるハードウェア拡張があります。また、クラウドで作成した学習モデルを最適化してエッジ側に組み込む方法も有効です。FPGAもAIのアクセラレータとして活用できます。
(例3)正しい文の選択(複数の記述文から)
問題:深層学習に関する記述として、最も適切な組み合わせを、①〜④の選択肢の中から一つ選びなさい。
a:深層学習は、多層構造のニューラルネットワークを基本とした機械学習の一つである。
b:従来の機械学習では専門知識を要した「特徴量抽出」作業を、深層学習は自動化できる利点がある。
c:深層学習は、入力データとしてピクセル値そのもののような生のデータを受け付け、そこから自動的に特徴量を学習・抽出する。
d:畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、画像認識や動画認識に特化しており、音声認識や自然言語処理には適用できない。① a、bが正しい
② a、b、cが正しい
③ a、c、dが正しい
④ b、c、dが正しい解答:② a、b、cが正しい
解説:
a:深層学習は、多層構造のニューラルネットワークを基本とした機械学習の一種です。これは正しい記述です。
b:従来の機械学習では、データの「特徴量抽出」作業が不可欠であり、高い専門性と経験が要求されるボトルネックでした。深層学習の大きな利点は、この特徴量抽出作業すらも自動化できる点にあります。これは正しい記述です。
c:深層学習は、入力データとして、画像データであればピクセル値そのもののような**「生のデータ」を直接受け付け、そこから特徴量を自動的に学習し抽出する**ことができます。これは正しい記述です。
d:畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、画像認識や動画認識に特に威力を発揮しますが、最近では音声認識や自然言語処理にもCNNが使われています。したがって、「適用できない」という記述は不適切です。
(例4)不適切な記述を選ぶ(誤り探し)
問題:SoS (System of Systems) の説明として不適切な記述を、①〜④の選択肢の中から一つ選びなさい。
① SoSは、システムとシステムを足したものはシステムであるという特徴を持つ。
② SoSを構成する各システムは、管理方針や操作方法がそれぞれ独立して設計されているため、独自で動作できる。
③ SoSを構築することにより、単体のシステムでは得られない成果を創出することが期待できる。
④ 各システムが独立して設計されていない場合でも、複数のシステムが統合されていればSoSとみなされる。解答:④
解説:
①は適切です。SoS(System of Systems)は、「システムとシステムを足したものはシステムである」という特徴を持ちます。
②は適切です。SoSを構成する各システムは、管理方針や操作方法がそれぞれ独立して設計されているため、独自で動作することができます。
③は適切です。SoSを構築することにより、単体のシステムでは得られない成果を創出することが期待できます。
④は不適切です。各システムが独立して設計されていない場合はSoSとはみなされません。SoSの重要な特徴は、構成する各システムが独立して動作可能である点にあります。
まとめ
IoTシステム技術検定中級の試験では、4つの問題形式が出題されます。
それぞれの問題形式の特徴を理解し、適切な対策を講じることが重要です。
特に以下の点に注意して学習を進めることをお勧めします:
- 各問題形式の特徴を理解する
- 選択肢の違いを正確に把握する
- 誤りの選択肢がなぜ間違っているのかを理解する
より詳細な例題と解説については、noteの記事をご参照ください。