パラメータレポート及びユーザープロパティが総称して「カスタム定義」という機能になりました。今回は新しい「カスタム定義」について、書きたいと思います。
ユーザープロパティについては機能は変わらず設定方法が変わったのですが、変更された直後は「ユーザープロパティが消えた!?」と少し焦りました。機能としてはなくなっていないのでご安心ください^^;
カスタム定義とは?
カスタム定義には、カスタムディメンション/カスタム指標の二つが存在します。
カスタムディメンションを設定する際に、スコープの指定が必要になりました。スコープには「イベント」と「ユーザー」の指定が可能で、「イベント」スコープを指定した場合が旧パラメータレポート、「ユーザー」スコープを指定した場合が旧ユーザープロパティです。
旧パラメータレポートとの違い
設定方法が違うということは上で述べた通りです。その他に機能として違いがあるかを記載していきます。
「イベント」スコープを指定したカスタム定義は、これまで通りイベントレポート上で値を確認することができます。
以前はイベント毎にパラメータレポートを追加する必要があったので、共通するイベントパラメータでも、一つ一つイベント毎にパラメータレポートを設定する必要がありましたが、現在は共通するイベントパラメータのカスタム定義を1つ設定すれば、そのパラメータを持つ全てのイベントでレポートを確認することができるようになりました。
また、旧パラメータレポートの設定では、文字列か数値か、数値の場合は測定単位が設定できるという設定方法でしたが、カスタム定義ではパラメータ値が文字列の場合は「カスタムディメンション」、数値の場合は「カスタム指標」に設定します。「カスタム指標」を選んだ場合は、これまで通り測定単位が設定可能です。
アーカイブする際の注意点
「カスタム定義」がイベントを跨いで値を収集するようになったことで、以前設定していたイベントパラメータも新しい仕様に対応するように自動で移行されているはずです。
例えば、"eventA"と"eventB"は"param"というイベントパラメータを持っていて、それぞれのイベントでパラメータレポートを設定していた場合、移行後のカスタム定義はparam[eventA]とparam[eventB]という名前で移行されます。
新しい仕様では、"param"というカスタム指標を設定することで、"eventA"でも"eventB"でもレポートで値の確認ができるようになっており、ヘルプにはどちらか一方を削除して構わないと書いてあります。
ですが、ちょっと待って欲しい。。
移行後のデータは確かに共通化されており、それぞれのイベントパラメータの値がparam[eventA]、param[eventB]どちらでも確認が可能です。
しかし、新しい仕様へ移行前のデータは、param[eventA]、param[eventB]それぞれで保持しているため、移行されたカスタム定義を削除すると、以前のデータが消える場合があります!
ヘルプにデータが消えるとは書いていないし、"重複したカスタムディメンションとカスタム指標を削除することをおすすめします"と書いてあることに恐怖を覚えます。。
旧ユーザープロパティとの違い
設定場所と名称が変わったこと以外に、仕様は変更されていないのでは?というのが現状です。
ヘルプは2021年2月現在変更はなく、「ユーザープロパティの設定」となっています。
GA4やFirebaseAnalyticsではこれまで通りに比較の追加でフィルタとして利用ができ、GA4の分析レポートではディメンションやセグメントとして利用が可能です。
アプリ側の設定方法
イベントパラメータも、ユーザープロパティも実装方法は変わっていません。
イベントパラメータはlogEventメソッド、ユーザープロパティはsetUserPropertyメソッドを利用して設定します。
ユーザープロパティの設定後は、明示的に消去しない限り全てのイベントに設定したユーザープロパティが紐付くという仕様も変わりません。
まとめ
今回はパラメータレポートとユーザープロパティの画面上での設定方法が変更になったという内容をまとめました。
カスタム定義の設定上限があるため、パラメータがイベントを跨いで計測されるようになったことは大変嬉しい仕様変更だと言えると思います。
ただ、上記にも書いた通り、パラメータレポート時代から利用していた場合、アーカイブしてしまうと失われるデータが存在するということに注意してください。