まえがき
おつかれさまです。Mochiです。
今回はGoogle Cloudの自動スケーリングについて簡単にご紹介しようと思います。
現在私はACEを勉強しており、そこで自動スケーリングを活用したソリューション構築に関する設問が多く見受けられたので、ここに記録しておきます。
自動スケーリングとは?
Google Cloudに限らず、クラウドサービスを選択する最大のメリットのひとつが、自動スケーリング機能です。これによりシステムの負荷が増減した際に、必要なリソースを自動的に調整することができます。
Google Cloudではこの機能が『Compute Engine』や『Google Kubernetes Engine』等に実装されています。
基本的に、マネージドインスタンスグループとオートスケーラーを組み合わせて実装します。
使用例
・トラフィックが急増し、サーバがその負荷に耐えられない場合に自動でリソースを追加。
・トラフィックが減少した際に不要なリソースを削除し、コストを節約。
Google Cloudの自動スケーリング機能について
Compute Engineの自動スケーリング
マネージドインスタンスグループ(MIG)を使用してリソースの負荷に応じて、インスタンス数を自動的に増減できます。CPU使用率やHTTPのリクエスト数をその指標としてスケーリングします。
GKEの自動スケーリング
GKEではCompute Engineと少し変わり、クラスタ全体のノード数を自動的にスケーリングする『クラスターオートスケーラー』と、個々のポッドのリソース需要に応じてポッド数を調整する『ポッドオートスケーラー』の2つの機能を提供しています。
Horizontal Pod Autoscaler (HPA)とVertical Pod Autoscaler (VPA)が存在しますが、長くなるので別の記事でまとめようかと思います。
Cloud Runの自動スケーリング
Cloud Runは、サーバレスなコンテナサービスで、リクエスト数に応じてコンテナのインスタンスを自動的に増減させます。これによってサーバレスの特性を活かした柔軟なスケーリングが可能です。
App Engineの自動スケーリング
スタンダード環境とフレキシブル環境が存在しており、スタンダード環境はインスタンス数『0』からスケーリング可能。
自動スケーリングでどのようなメリットが生まれるか
パフォーマンスの向上
リクエストが急増しても、追加のリソースが自動でスケーリングされるため、アプリケーションの応答速度を維持することができます。
コストの最適化
トラフィックが減少した際はリソースを自動的に減少させるため、リソースの無駄遣いを防ぎます。それによってコストを削減できます。
Google推奨のプラクティスは、権限やコストを最小限に抑えることです。
トラフィックへの柔軟な対応
定期的なトラフィックの波や突発的なアクセス増加にも柔軟に対応できます。そのためアプリケーションに対するUXが維持できます。
適切なオートスケーリング設定をする
スケーリング指標について
CPU使用率やリクエスト数など、アプリケーションに最適なスケーリング指標を選ぶことが重要です。
インスタンス数の最大値・最小値を設定
スケーリングの範囲を適切に設定し、無制限にリソースが増減しないように管理することも重要です。
Cloud Runを使用する場合、インスタンスの最小値を0までスケーリング出来る為、トラフィック発生時のみにインスタンスを動かすことができます。その為、コストを最小限に抑えることができます。
スケーリングをスピーディに行う
スケーリングが遅いとアプリケーションのパフォーマンスに影響を及ぼすリスクがあります。対応策として、例えばCloud Runを使用して最小インスタンス数を『3』などに設定しておけばインスタンスの初期遅延を抑えることができます。
信頼性の向上
MIGのオートヒーリング機能を使用すれば、内部のCompute Engineインスタンス等が破損しても自動的に復旧をすることが可能です。
まとめ
Google Cloudの自動スケーリング機能を活用することで、効率的なリソース管理とコスト最適化を実現できます。Compute EngineやGKE、Cloud Run、App Engineといった様々なサービスでスケーリング機能を柔軟に活用することで、クラウド環境のメリットを最大限に引き出すことができます。
アーキテクチャを設計するうえで、自動スケーリングの知識は必ず必要になってくると思います。また、Compute EngineやGKE、Cloud Runなど使用するリソースによっても運用方法が変わってきます。状況に応じて適切なリソースを選択することが重要であると感じました。
参考サイト