初心者の方から生成AIを本番へ導入検討されている方まで、役立つ情報が詰まった待望の書籍がついに出ましたね。🎉
これから初めてMicrosoftの開発プラットフォーム上で生成AIを動かす方には特にオススメの1冊です。
各プラットフォームのAI情報などをキャッチアップされている方にも情報収集として有益ですね。✨
それでは独断と偏見でこちらの書籍を紐解いていきたいと思います!
※ 個人の見解が多分に含まれます、あらかじめご了承ください🙇♂️
書籍・著者情報
『Azure OpenAI ServiceではじめるChatGPT/LLMシステム構築入門』
著者:永田 祥平、 伊藤 駿汰、 宮田 大士、 立脇 裕太、 花ケ﨑 伸祐、 蒲生 弘郷、 吉田 真吾
<目次>
- 第1部: Microsoft Azure での ChatGPT 活用
- 第1章: 生成 AI と ChatGPT
- 第2章: プロンプトエンジニアリング
- 第3章: Azure OpenAI Service
- 第2部: RAG による社内文章検索の実装
- 第4章: RAG の概要と設計
- 第5章: RAG の実装と評価
- 第3部: Copilot stack による LLM アプリケーションの実装
- 第6章: AI オーケストレーション
- 第7章: 基盤モデルと AI インフラストラクチャ
- 第8章: Copilot フロントエンド
- 第4部: ガバナンスと責任ある AI
- 第9章: ガバナンス
- 第10章: 責任ある AI
- 付録
- 付録 A: サンプルコード実行環境の準備
- 付録 B: ChatGPT の仕組み(詳細編)
ドーナツ美味しそう🍩😋..じゃなくて笑
Microsoft Azureは、ChatGPTをはじめとするOpenAIモデル(ちなみにオープンソースのモデルも使えます)を利用できる,現在唯一のパブリッククラウドサービスになります。
ChatGPT(生成AI)の本気の実用において、Microsoft Azureの採用はもはや必要不可欠となっている中で、その知見がギュッと詰まっている書籍なんですね!
まだまだ多くの情報が求められている生成AI界隈、専門知識が豊富な著者陣によって執筆された本書籍はまさに待望の日本語書籍と言えるでしょう!🙌
事前に知っ得と良いかも情報
- MicrosoftとOpenAIは強力なパートナーシップを結んでいる(なのでChatGPTなどのOpenAIのモデルがMicrosoftのプラットフォーム上でも使える)
↑最強のAIと最強の開発プラットフォームが手を組んだことでMicrosoftAzureで提供されているAI開発プラットフォームもさらに強力に!
各章の紹介
そもそも生成AIの知識ゼロの方、【1章,2章】で生成AIの概要・基本要素を学ぼう
書籍の冒頭に各章の想定読者の案内がありますが、本当に生成AI初めての方はやはり1章で生成AIの概要を掴んでいただくのが良いでしょう、1時間ぐらいで読めます。生成AIがどういう性質のものなのかある程度わかっていると実際に使う際の応用力とリスク回避に効いてきます。
2章の「プロンプトエンジニアリング」については概要だけ理解して3章を進めながらまた戻ってくるという読み方もありかもしれません。
とりあえず生成AI使ってみたい、初めてMicrosoftのプラットフォームでOpenAI使う方は【3章】を参照
この章からAzure OpenAI Serviceが登場してきます、せっかくなので実際にAzure OpenAI Serviceを触りながら読み進めることをオススメいたします。(2章の「プロンプトエンジニアリング」も参考にしながらだとより楽しめると思います!)
初心者の方もまずはこの章まで読み進めて、そして試してみるのが良いと思います!
応用、もっと本格的に使いたい!は【4章,5章】(10章も)をチェック
生成AIが抱える課題の1つにトレーニング時に使用した情報(データ)でしか対応でないというのがあります。
そのため、回避策として不足している情報(データ)を後付けで生成AIと連携させて回答させるというのをよく実施することになり、その手法がRAGです。この章ではRAGを取り扱っています。
この章から少々レベル感が上がってきます。しかし、生成AIの実用にあたっては必要不可欠な内容になっています。(2023年には多くの組織、事例でRAGは行われていたと思います)
また、Microsoftという開発プラットフォーム経由でAIが使える旨味として、強力に支援してくれる優れたツールが提供されていることも紹介されています。AIやるならMicrosoft Azure使った方が良さそうですよ!
<書籍で出てくる優れたAIのツールたち>
【6章,7章,8章,9章】を読めばあなたも最先端、LLMアプリ開発、CopilotとCopilot stack
現在、Microsoftでは「Copilot」という名前のアシスタントAIエージェント機能(LLMアプリケーション)が、Microsoftのあらゆる製品に導入されようとしています。
そして、なんとこのCopilot自分でも作れちゃうのです、つまりLLMアプリケーションが作れる。Copilot stackはLLMアプリケーション(Copilot)を効率よく開発するアーキテクチャです。
Copilot作成に限らず、LLMアプリ開発に汎用的に参考になるナレッジが詰まっているアーキテクチャでもあるようなので、2024年からはLLMアプリ開発が加速度的に盛り上がっていくことが予想されることから、この章は必見ですね!
AI沼への入り口?もっとハマっていきましょう【10章,付録B】
10章ではResponsible AI(責任あるAI)まで取り扱われていますね。AIの最新の取り組みや研究が見え隠れする情報に触れるのも中々楽しいです。この書籍に記載されている情報はほんの一部にはなりますが、AIに沼る良いキッカケになるかもしれません。
まとめ❗️
2023年の生成AI盛り上がりを大いに引っ張っていたChatGPTの実用に関するキャチアップを日本語で出来る良書だと感じました。(Microsoftのプラットフォーム上でChatGPTが使えること、それだけではなく強力な拡張を得られることも含む)
そして、情報の移り変わりが早いAIやITの分野において、書籍はあまり相性が良くない時があると思っていた時期が自分にもありました。
しかし、改めて見ると始めるキッカケとして、全体をパッと見渡せる書籍はハードルを良い感じに下げてくれるように感じました。
書籍とWebの公式ドキュメントで最新情報をキャッチアップする、ハイブリット形式がきっと良いんですね!
とはいえ、書籍の方は早く買うに越したことはないはずです。2024年はこちらの書籍で良いスタートがきれそうですね^^
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