いつも記事を読んでいただきありがとうございます!
モブエンジニア(@mob-engineer)です!
今回は2025.02.06(木)に開催したSun Microsystems 勉強会〜1994年頃から2000年頃の思い出もアリアリ〜オンラインへ参加しましたので、アウトプットとしてイベントレポートを執筆しました。
初学者でもサクッと読めるように平易な表現で執筆しておりますので、お気軽に読んでいただければ幸いです。
イベントページ
Solarisドキュメント
Sun Microsystemsニュース
誤字脱字、分かりづらい表現に関しては極力なくすように心がけていますが、リアルタイムで執筆しているため、誤字脱字があるかもしれません。
目次
- イベント概要
- LT
- Sun LT / Sun Microsystemsとはなんだったのか
- Sun LT : Sun/Solarisとの出会いから別れまで
- Sun LT : Sunの社内ジョークサイト『DaJaRe Web』から振り返る当時の世相
- ノンジャンルLT : もし90年代の地方住み小学生に14.4Kのモデムを与えたら
- Sun LT : Solaris コンテナのおもいで
- Sun LT : 自宅でSunと遊んだ日々
- Sun LT : シリコンバレーとSun Microsystemsの設立~そしてダークサイドとの闘い~
- Sun LT : 君はPostScriptなウィンドウシステム「NeWS」をご存知か?
- Sun LT : SunOS 4.1.4 の限界に挑んでみました
- Sun LT : (仮)外資IT系企業ライフはSunが教えてくれた! (なんだけれども・・・^ ^;)
- Sun LT : サポート一筋24+年のエンジニア、サポートのイロハは E4500に教わった。
- Sun LT :SCSAから学ぶセキュリティ
- Sun LT :大昔のSun/iPlanetで日本初フルJava国内最大級のインターネットバンキングと、グローバル金融電子認証基盤アイデントラスと911NYの話&今のクラウドに繋がる話。
- Sun LT : Sun Microsystems/Solaris OSと過ごした四半世紀
- まとめ
イベント概要
- イベント概要
1982年 から 2010年にかけて存在していた Sun Microsystems に関する
思い出や熱い想いを LT で語る勉強会です。
Sun Microsystems を好きだった人、今でも愛している人や
現在我々が使用している OSS や Linux の背景情報として UNIX, Sun の考え方
について興味のある方々の参加をお待ちしています。
- 経緯
2024年12月20日に開催された勉強会、Storage JAWS #6 で古林さんが
"FSx for OpenZFS Support Intelligent-Tiering" についてご登壇された際
ZFS と Sun Microsystems について語って頂いたのを見た河野が、
「古林さん!勉強会やりましょう!Sun Microsystems勉強会!」と
ご相談させて頂き開催に至りました。
LT
Sun LT / Sun Microsystemsとはなんだったのか
参考サイト
- Sun Microsystemsの歴史
- 1982年:ワークステーション向けに提供
- 1984年:NFS v2、SPARCアーキテクチャ公開
- (個人的考察)めちゃくちゃわかりみが深すぎる
- 1984年:The Network is the Computer
- ネットワークこそがコンピュータ
- 設計思想としてサービスに組み込まれていった
- ネットワークこそがコンピュータ
- 2000年:ドットコムバブル崩壊
- Sun Microsystemsが大赤字になってしまった
- 2006年:オンデマンドコンピューティング
- コンピューティングリソースの時間貸し
- 同時代にAWS S3が登場した
- イノベーションのジレンマに陥ってしまった
- 1982年:ワークステーション向けに提供
- まとめ
- おもちゃと思われているようなアーキテクチャが実は伸びる可能性も
Sun LT : Sun/Solarisとの出会いから別れまで
参考サイト
- 出会い
- 大学の計算機室/研究室が出会い
- SumのSPARCワークステーションが置いてあった
- SPARCを通じて出会ったもの
- ブラウジング、メーリングリスト、インターネット
- 大学の計算機室/研究室が出会い
- 再会
- EZwebサービス開始
- 立ち上げプロジェクトにシステム担当としてJoin
- プライマリベンダとしてSun Microsystemsが参画していた
- セルベースアーキテクチャを利用していたが
- Sum利用での課題
- 性能問題:メール受信、メール削除の性能問題
- ハードウェア故障:同一RAID5で複数ディスク故障
- Oracle DB品質:DB起動が失敗し、障害が長期化した
- 再起動で救われた経験も
- 2002年にhn NonStop Seeverに切り替えたという面白い経験も
- EZwebサービス開始
- まとめ
- Sun/Solarisを通じてコミュニケーションサービスを作る意欲につながった
Sun LT : Sunの社内ジョークサイト『DaJaRe Web』から振り返る当時の世相
参考サイト
- DaJaRe Web
- ウルトラスパークフォーなどの時事ネタを入れていた
- 出落ちネタが集まっている
- 製品名にドーナツが入っている
- 退職挨拶メールも作成することが出来る
- (個人的考察)こういったWebサイトは面白いですね~
ノンジャンルLT : もし90年代の地方住み小学生に14.4Kのモデムを与えたら
参考サイト
- お話しすること・しないこと
- お話しすること
- 90年代の地方インターネットユーザから見たインターネットの景色
- お話ししないこと
- 90年代のSun Microsystemsの話
- お話しすること
- 1994年から2000年頃のインターネットの世界
- 1994年:IIJから日本初の商用ダイヤルアップ接続が開始
- 1997年:ADSLサービス開始
- インターネットとの出会い
- ダイヤルアップ接続から世界が広がっていった
- 1994年は従量課金だったため、遊びすぎると課金があった
- 時代は繰り返す
- 人類が早すぎたシリーズ
- サテラビュー:スーパーファミコンに衛星通信機能をつけた
- ピピンアットマーク:Apple社が開発したアプリ
Sun LT : Solaris コンテナのおもいで
参考サイト
- コンテナデータセンター
- 10年前に譲り受けたコンテナにいろいろ詰め込んだ
- コンテナサーバ
- XenでSun製のサーバを動かしていった
- (個人的考察)やはり物理サーバは面白いですね!!
Sun LT : 自宅でSunと遊んだ日々
参考サイト
- Staford Univercity Network時代
- いわゆるマイコン少年の方
- SUN-1の誕生
- 1984年にスタンフォード大学院生らによりSun Microsystemsが設立
- patents関連から始まった(?)
- 本社Menlo Parkにキャンパスがあった
- 現在はMeta社が所有している
- 夜にお邪魔することも可能だった
- 自由に包まれていた環境
- カンファレンスやTシャツなど自由さがあふれていた
- 自宅で稼働していたSun
- 適当に遊んでいたが、震災時に大型ゴミとして処分した
- 当時のEtherNetは10Base5と呼ばれていた
- SparcStation1の到来
- いわゆるピザボックスと呼ばれたモノ
- まとめ
- JavaなどのOSS提唱を行ってイケイケだったが
Sun LT : シリコンバレーとSun Microsystemsの設立~そしてダークサイドとの闘い~
参考サイト
- シリコンバレー歴史好きが高じてLT登壇
- Sun Microsystemsの歴史は続いている
- エヌビディア社の創業者でもSun Microsystems出身がいる
- 設立経緯
- 1970年代
- 1968年にIntel・AMDなどの半導体産業が急成長
- 半導体の材料が大量発掘されたことがきっかけ
- Intel 4004(世界初のCPU)が登場
- Apple、Microsoft、Oracleもこの時代に登場
- 1968年にIntel・AMDなどの半導体産業が急成長
- 1980年代
- Sun Microsystemsが設立された
- 1970年代
- 設立者
- Vinod Khosla
- インド・プネー出身の方
- 電気工学・医用生体工学を専門
- 1980年初頭にDaisy Systemsを設立
- CADに向いているワークステーションを探している中で出会った
- Andy Bechtolshem
- スタンフォード大学にてStanford University Networkというワークステーションを作成
- Scott McNealy
- スタンフォード大学時代にAndy Bechtolshemと友人でなった
- 最初は別会社で働いていたが、誘われて設立に参画
- William Nelson Joy
- コンピュータサイエンス・電気工学・UNIXを専門
- 16人目の入社だが設立者の扱い
- 設立者それぞれが持っている専門性を考え分業化した
- Vinod Khosla
- マイクロソフトとの戦い
- マイクロソフト社が独自Javaを開発した
- Sun Microsystems社が訴訟を起こした
- 結論和解はしたが、その時にはSun社は経営不振だった
Sun LT : 君はPostScriptなウィンドウシステム「NeWS」をご存知か?
参考サイト
登壇資料
- NeWSとは
- Sun Microsystemsが一時期推していたウィンドウシステム
- とても特徴的 and とても革新的
- James Gsoling氏が開発した
- 過去にAWSに所属していた方
- Network extensible Window Systemの略称
- PostScriptを元に開発された
- Sun Microsystemsが一時期推していたウィンドウシステム
- PostScript
- アドビが開発したページ記述言語
- スタック指向型
- 特徴
- サーバークライアント
- マルチタスク
- マウス・キーボードなどのイベントもPostScriptで対応可能
- 楕円形や文字グリフのウィンドウも作れる
- Displya PostScriptとの違い
- DPSは描画のみを行っている
- イベントハンドリングは別方式で実装している
- NeWSその後
- UNIXワークステーションのウィンドウシステムはX11が事実上標準に
- PostScriptをいい感じで使うため、NeWSprintを開発
- Adobeのライセンス料が高かったため、互換バージョンを利用
- PostScriptをいい感じで使うため、NeWSprintを開発
- UNIXワークステーションのウィンドウシステムはX11が事実上標準に
- まとめ
- NeWSは技術に全振りした実験的なWindow System
Sun LT : SunOS 4.1.4 の限界に挑んでみました
- 大学在学中のアルバイト先(書店)でUNIXを沢手板
- 1998年~1994年、1996年~1997年:
- ソフトウェアハウスでもSunを触っていた
- 1998年~2003年:
- 証券会社でインターネット接続とサーバー運用
- Ultra 1、Ultra 450などを利用していた
- その後AXMPの販売会社で働くようになた
- 現在:
- ZFSを使い倒している
- FreeBSDだけどLinuxでもZFSを利用
- おうちサーバーのZFSファイルシステムのdfはファイル数が多すぎて意味が無い
- ことの起こり
- Internet Explorere 3.0の配布
- Microsoftからβ版の配布の手伝いから
- 大多数のユーザはダイヤルアップ接続の時代
- ギガレベルbpsは無かった
- ソフトウェア配布はFTB利用が一般的
- inetdから起動するのが標準、HTTP通信なってもってのほか
- 当時は高機能なwu-ftpdを利用していた
- SunOSのintetd問題
- 接続数が増加すると音を上げてしまう
- 安全性を考慮した設計
- Internet Explorer3.0のサイズ数は5メガ未満
- Internet Explorere 3.0の配布
- まとめ
- 皆さんにIEをお届けできてマイクロソフト様に感謝されてめでたしだった
Sun LT : (仮)外資IT系企業ライフはSunが教えてくれた! (なんだけれども・・・^ ^;)
- 入社時の思い出
- ビビったこと
- オリエンテーション終了後に誰も来ない
- 所属部署もなかった、ブースに誰もいなかった
- たまげたこと
- ブースは自分の部屋
- 週一回はドーナツが食べられる、残業時に晩メシが食べられる
- 海外出張の壁も低かった
- ビビったこと
- Starfireの思い出
- スタートアップサービスの立ち上げだがドキュメント、Lab機がない
- 始末書対応などのトラブルもあったものの、なんとかうまく出来た
- Starfire搬入での困難も搬送業者(日通)とやりとりしてうまく処理していった
- 技術者としての自信につながった
- Starcatの思い出
- 最初はボロボロだったサービスがうまく立ち上がった経験が生かされた
- N1の思い出
- 製品開発を通じて様々な関係者とのコミュニケーションをはかることが出来た
- マーケターとしての自信につながったサービス
- 出張の思い出
- マネージャに話が通っていなかったこと
- 車が30分でなくなる治安
- 車が燃えることもあった
- まとめ
- 外資IT系ライフの楽しさを教えてくれた会社
- 何もしなくても社員がCEOと同じことを言う会社
- 会社を渡り歩いてSun Microsystemsが特殊だと気づいた
Sun LT : サポート一筋24+年のエンジニア、サポートのイロハは E4500に教わった。
参考サイト
- MySQLサポートエンジニアの方
- 自由なソフトウェアの普及をライフワークとしている
- ミッションクリティカルサービスとは
- 重要度が高い戦略顧客へのきめ細やかなサポート行う
- 専任エンジニアが1名付く
- 複数コンポーネントが含まれているため故障率が高い
- Sun社のビジネススタイル
- パートナービジネスを展開していた
- パートナー企業へ常駐して働いていた
- 用賀オフィスは半年ほど
- 現場のイロハはパートナー+先輩社員から教わった
- トラブル時の切り分け対応など
- メモリ交換のコツ
- とにかく位置あわせが重要
- スロットがきっちり入っているか、目視と感触で確認
- とにかく練習あるのみ
- 障害の切り分け=対象をよく知ることが重要
- 構造理解、正しい動作の理解
- サーバーなら図面見ろ
- エラーメッセージを覚えていく
- 夜な夜なCPU交換に出かける日々
- クラスターのパラメータチューニングを行う
- とにかく位置あわせが重要
Sun LT : SCSAから学ぶセキュリティ
参考サイト
- SCSAとは
- Sun Certified System Administratorの略
- サーバー試験なのにSolarisネットワーク環境が多すぎる
- Whoコマンドでログインユーザを確認
- 事前にファイル作成を行なわないとロギングファイルが作成されない
- ftpアクセス制限の話
- .rhostsファイル起因のセキュリティリスク(パスワードなしでログインできる)
- 最近では、CVE-2023-22003・cve-2024-20999が出ている
- まとめ
- いつもセキュリティを
Sun LT :大昔のSun/iPlanetで日本初フルJava国内最大級のインターネットバンキングと、グローバル金融電子認証基盤アイデントラスと911NYの話&今のクラウドに繋がる話。
参考サイト
- 90年代後半のIT業界
- 金融機関でオープンシステム化
- iPlanet(東京三菱銀行)がまさにSunが利用していた
- SunとNetScapeがアライアンスして生まれた
- iPlanet
- Javaを採用した大規模な開発事例
- どこでも利用することが出来る
- 日本最大の契約数を誇るインターネットバンキングになった
- アイデントラスとは
- 金融機関向けの共通基盤構築に関するプロジェクト
- (個人的意見)セコムも関わっていたのか(驚き)
-
インターネットの先にいる人たちはだれもおれらが犬だとはおもっていないぜ
- 20年前からインターネットでのアイデンティティが議論されていた
Sun LT : Sun Microsystems/Solaris OSと過ごした四半世紀
参考サイト
- 新卒でSolaris OSのテクニカルサポートを担当されていた
- SPARC売っていた会社のグループ会社へ転職
- SPARCとVMwareのおもりを行っていた
- 現在はオンプレとクラウドのインフラエンジニア
- SPARCエンタープライズの思い出
- Panicを通じてクラッシュのトラブルシューティングを学んだ(バイブル)
- まとめ
- 四半世紀ともにしたマブダチ
まとめ
Sun Microsystemsのシステムについてちょこっと触ったことがありますが、すごく奥深い話を聞くことが出来たので、非常に有意義でした。
そのうえで、現在のシステム開発でも活用できる考え(システム構築の泥臭さ、切り分けお作法など)が多数ありましたので、自身の知識として蓄えていくとともに、言語化してアウトプットしていきたいと考えています。
最後まで、お読みいただきありがとうございました!!
PS:
- MaxさんのLTお焚き上げ
- MDはミサイル防衛じゃなくてModular Datacenterのこと
- 仕入れ先から価格は出さないでくれと言われた