いつも記事を読んでいただきありがとうございます!
モブエンジニア(@mob-engineer)です!
AWSのサービス一覧を見ていて、5G関連の面白そうなサービスをたまたま見つけたので、キャッチアップの一環として記事を執筆しました。
初学者でも読めるように平易な表現で執筆しておりますので、お気軽に読んでいただますと幸いです。
本サービスの利用料・条件を見る限り、法人向けサービスのため、実環境でのハンズオンは行わないため、その点ご了承ください。また、5Gに関する技術的説明(ミリ波、Sub6、周波数あど)に関しては割愛しております。
目次
- 想定読者層
- 前提条件
- 5Gとは何か
- プライベート5Gとは
- 5G利用に関する進め方
- AWSプライベート5G
- 概要
- アーキテクチャ概念
- 利用要件
- 提供リージョン
- 料金
- ビジネス視点での活用案
想定読者層
次のような興味関心を持っている読者向けに本記事を執筆しております。
- AWSを用いてプライベート5G環境を構築したい方
- AWSプライベート5Gに関してキャッチアップしたい方
- ローカル5G関連の事業に携わっている方
前提条件
AWSプライベート5Gに関して記事を執筆する前に、目線合わせとして5Gって何かを一度整理してみたいと思います。
5Gとは何か
分かりやすく説明しているサイトがありましたので、そちらを抜粋してみたいと思います。
第5世代を意味する5G。5Gの進化を交通手段で例えると、クルマでの移動が飛行機になったようなもの。より速く、より多くの荷物を最短距離で運べるようになったのです。5Gが始まると、今よりタイムラグがなくなり、さらに多くの通信ができ、身の回りのいろいろなものがインターネットにつなげられるようになるんです。
引用元
すごくざっくりというと、今まで用いていた通信環境(4G)より幅広く便利になった通信環境といったイメージを持っていただければわかりやすいかと思います。
そのうえで、5Gの大きな特徴として次の3点があります。
- 高速・大容量
- 読んで字のごとくですが、今までの通信環境より高速かつ大容量の通信が行えるといったイメージです
- 分かりやすい例だと、長編映画のダウンロード処理が速くなったといったところですかね
- 低遅延
- これも読んで字のごとくですが、通信を行う上で発生する遅延(いっこく堂の声が遅れて聞こえる芸がイメージしやすいかと)が解消されているといったイメージですね
- 例えば、遠隔地(北海道と沖縄)でのゲーム対戦を行ったときの自分の動きとゲーム画面での動きのずれが少なったところですかね
- 多数接続
- これも読んで字のごとくですが、今までの通信環境だと実現が難しかった複数のIoT機器の接続が楽に行えるようになったイメージですね
- 例えば、スマートハウスのような環境がイメージしやすいかと思います
これ以上深堀りすると本論からずれてしまうので、いったんここで止めておきますが、ざっくり言えば、大規模な通信が身近になったと思っていただければわかりやすいかと思います。
プライベート5Gとは
聞きなれない用語なので少し調べてみたところ、以下のような説明が出てきました。
プライベート5G(共有型)は、パブリックの5G基地局を活用し、ネットワークスライシングの技術でネットワークの論理分割を行い法人向けの閉域サービスとの接続を行う、安全でかつ品質の高いモバイルサービスとなります。
引用元
ざっくり言えば、企業が単独で5G通信を利用できることといったイメージが近いかと思います。
企業内の機密情報などをセキュアな環境で通信が行えるため、情報漏洩リスクを削減できると考えられます。
5G利用に関する進め方
といった感じで、5Gについてザックリと説明しましたが、企業で利用する場合は基地局を設置する必要があります。そのための条件として以下サイトで分かりやすく紹介されていましたので抜粋いたします。
- 要件の洗い出し
- 無線エリア設計
- 総合通信局との打ち合わせ
- 事業者間調整
- 無線従事者の選任
- 免許申請書類の作成
- 書類提出・審査
引用元
ざっと見た限り、割とめんどくさいイメージがあると思います。
そのうえで、AWSから提供されているAWS プライベート 5Gも一つの手なのかと思いますので、簡単に紹介してみたいと思います。
AWSプライベート5G
概要
Amazon公式ブログを見ると、2022年にGA(一般提供)されたサービスとのことです。
公式ブログ
AWS Private 5G は、自社の施設にプライベートモバイルネットワークをセットアップしスケールするのに要する時間を、数か月から数日にまで短縮できるマネージドサービスです。AWS マネジメントコンソールを数回クリックするだけで、モバイルネットワークを構築する場所と、接続するデバイスの数を指定できます。その後は AWS がプライベートモバイルネットワークのセットアップとデバイスの接続に必要な、スモールセル無線ユニット、モバイルネットワークコアおよび無線アクセスネットワーク (RAN) ソフトウェア、加入者識別モジュール (SIM カード) を提供し、管理を行います。AWS Private 5G では、このようにネットワークのセットアップとデプロイが自動化されています。また、前払い料金やデバイスごとのコストは発生せず、料金は、お客様がリクエストしたネットワーク容量に対してのみ発生します。
あわせて、AWS のチーフエバンジェリストであるJeff Barr氏が分かりやすい解説ブログを執筆しておりますので、そちらもリンクを共有しておきます。
解説ブログ
内容を見る限り、AWSが管理している5G基地局のリソースをユーザへ共有しているといったイメージなのかなぁと思いました。
ちなみに、BUSINESS NETWORKからも紹介記事が上がっておりましたのでそちらもリンクを共有しておきます。
BUSINESS NETWORKの記事
アーキテクチャ概念
AWSのサービス紹介ページを見てみると仕組みについて図で示されていたので共有いたします。
サービス紹介サイト
そのうえで、本サービスのメリットについても次のように説明しておりました。
- 手間のかからない調達
- 予測可能な従量制料金
- 柔軟なポリシー管理
- 完全に統合されたハードウェアとソフトウェア
- オンデマンドスケーリング
- 組み込みのネットワークモニタリング
いろいろとメリットを説明していますが、ざっくり言えば、他のAWSサービス同様、組み合わせて使うことができるといったことを説明しています。
そのうえで、AWS プライベート 5Gのアーキテクチャ構成についてユーザーガイドで示されていたため、そちらも紹介したいと思います。
What is AWS Private 5G?
- プライベート 5G ネットワーク
- オンプレミス施設のプライベート モバイル ネットワーク
- プライベート 5G サイト
- プライベート モバイル ネットワークを設定する物理的な建物または場所。サイトは、モバイル ネットワークの設備、ネットワーク、および電源の要件を満たしている必要があります
- プライベート 5G 機器
- ケーブル、無線ユニット、SIM カード、AWS が所有および管理するその他のネットワークアプライアンスなど、プライベート 5G ネットワークへのアクセスを提供する物理ハードウェア
- 無線ユニット
- AWS が提供する物理ハードウェアで、エンドユーザーの機器がプライベート 5G ネットワークに接続するための RF 信号を発します
- SIM カード
- プライベート 5G ネットワークにアクセスするためにエンドユーザーの機器に挿入する、AWS が提供するカード。加入者識別モジュールまたは加入者識別モジュールとも呼ばれます
構成を見る限り、企業でよく利用される小型の無線基地局と同じような構成になっているのかなぁと思います。
ちなみに構成図に関してもユーザーガイドにまとめられていたので、取り上げておきます。
引用元
利用要件
では、ユーザは手放しで簡単に利用できるサービス化と言われたらそうでもなく、いくつかの要件がユーザーガイドに示されていたので、わかりやすい設備に関する条件を示しておきたいと思います。
引用元
- 施設
- 環境
- 無線ユニットは IP67 の侵入保護等級を備えており、屋内または屋外での設置が可能です。
- 動作温度
- 周囲温度は -40° F (-40° C) ~ 149° F (65° C) の範囲でなければなりません。
- 重量サポート
- ポールに取り付ける場合は、マウントの重量に加えて 5.5 ポンド (2.5 kg) の構造サポートが必要です。
- 電源
- Power over Ethernet (PoE) を使用して無線ユニットに電力を供給する必要があります。
- 運用国
- 無線ユニットは米国内で運用する必要があります。米国からプライベート 5G 機器を輸出したり持ち出したりすることを第三者に許可したり承認したりすることはできません。
- 連邦通信委員会 (FCC) の制限
- 機器は、制御されていない環境における FCC の放射線被曝制限に準拠する必要があります。この機器は、無線ユニットと身体の間に最低 7.8 インチ (20 cm) の距離を置いて設置および操作してください。
- 環境
それ以外にもネットワークに関する帯域要件なども示されておりました。
提供リージョン
提供リージョンに関してサービスサイトに説明がなかったため、コンソール上で利用可能なリージョンを見てみたところ、以下リージョンで利用可能とのことでした。
- 米国東部 (バージニア北部)
- 米国東部 (オハイオ)
- 米国西部 (オレゴン)
提供リージョンは米国のみといった感じですね。そこまで数も多くない印象を持ちました。
料金
料金サイトを見る限り以下の通り示されていました
料金サイト
- CBRS LTE RU 屋外
- 1時間あたり10ドル
- (1年間契約の場合)1時間あたり5.35ドル
- (3年間契約の場合)1時間あたり3.50ドル
- 1時間あたり10ドル
このコストを見ただけで分かるかと思いますが、個人利用のサービスではないなぁといった印象を強く持ちました。そのうえで、ユースケースに対する料金例も示されていたので共有いたします。
- イベントでの POS およびアクセス管理デバイス
- AWS プライベート 5G 無線ユニット
- 1 x 7,200ドル x 2か月
- 月額:7,200ドル
- 総コスト:14,400ドル
- 1 x 7,200ドル x 2か月
- AWS プライベート 5G 無線ユニット
2か月換算で約200万円なのでなかなかいいお値段するサービスだと思います。
そのうえで、それ以外のユースケースも見てみると、なかなかいいお値段がかかる印象を持ちました。
そのうえで、一から無線基地局を構築するよりかは安上がりなのかなぁと思いました。
ビジネス視点での活用案
これだけだと、AWS プライベート 5Gのサービス紹介にとどまってしまい、面白くないので、私なりにビジネス視点でどのような活用案があるか少し考えてみました。
以下活用案はあくまで個人の意見となります
- 活用案1
- アメリカに拠点があるIoT製造メーカのネットワーク足回りとして活用
- あくまでアメリカのネットワークに限定しておく
- アメリカに拠点があるIoT製造メーカのネットワーク足回りとして活用
- 活用案2:
- アメリカに展開している企業向けへの無線ソリューション提案の材料として活用
- 5Gをクラウドで気軽に使えるといった触れ込みだと刺さるユーザがいるかと
- アメリカに展開している企業向けへの無線ソリューション提案の材料として活用
- 活用案3:
- アメリカ本土で複数拠点を持っているゲーム開発企業のプラットフォームとして活用
- 低遅延・大容量を生かした臨場感あふれるゲーム体験を実現できるかと思います
- アメリカ本土で複数拠点を持っているゲーム開発企業のプラットフォームとして活用
ざっと、調べてみましたが日本国内で利用するサービスというよりかは、アメリカに本拠地を置く企業向けのサービスといった印象を持ちました。(無線免許関連も異なると思うので、国内利用は難しい印象を持ちました)
もし、より深堀して知りたい方はよくある質問のリンクを共有いたしますので、チェックしてみると良いかと思います。
よくある質問
今回は、AWS プライベート 5Gについて少しだけ調べてみました。
最後に参考ブログをいくつか見つけましたのでそちらを共有いたします。
参考ブログ
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!