記事を読んでいただきありがとうございます!
モブエンジニア(@mob-engineer)です!
12月と言えばre:inventですね!
掲題にもある通り、12/02にAmazon Elastic VMware Serviceがプレビューされました!
今後、大きな波乱を呼ぶと思われる大型アップデートですので、
記事としてアウトプットしたいと思います。
本記事は12/02時点でのアップデート情報をもとに執筆しております。
今後、気になるアップデートがありましたら、別途記事を執筆いたします。
あわせて、筆者の認識相違などで解釈違いなどがあるかと思いますが、遠慮なくコメントをいただけますと幸いです
目次
- 想定読者
- Amazon Elastic VMware Serviceとは?
- 利点
- ユースケース
- AWSコンソール上での表示
- (考察)ビジネスインパクト
- まとめ
- 参考リンク
想定読者
AWS利用ユーザの方はもとより、次のような読者層にお役立てていただければ幸いです。
- VMwareからAWSへの移行に関して考えているエンジニア
- Amazon Elastic VMware Serviceのざっくりとしたサービス理解を行いたいビジネスパーソン
- 本サービスを通じたビジネスインパクトの概要についてザックリと知りたい方
あわせて、想定読者の方でも内容をスッと理解できるように、極力平易な表現を用いて執筆したいと思います。
Amazon Elastic VMware Serviceとは?
AWSの公式ブログで分かりやすく説明されていました。
(原文)AWS and VMware (now part of Broadcom) have been investing and innovating since 2016 to help make it easy for VMware customers to migrate and modernize their VMware-based workloads on AWS to achieve the scalability, agility, and cost benefits of the cloud. In the hundreds of VMware-related conversations we have had over the past year, customers and partners alike consistently tell us they are looking for more options that enhance the experience of running VMware-based workloads on AWS.
(翻訳)AWS と VMware (現在は Broadcom の一部) は、2016 年から投資と革新を行っており、VMware のお客様が AWS 上で VMware ベースのワークロードを移行およびモダナイズし、クラウドのスケーラビリティ、俊敏性、コスト面でのメリットを実現できるように支援しています。過去 1 年間に VMware に関連する何百もの話し合いを行った結果、お客様もパートナーも、AWS で VMware ベースのワークロードを実行するエクスペリエンスを向上させるオプションをさらに求めていると一貫して述べています。
今までもVMwareからAWSへ移行すること自体は行うことができました。
以下ブログでAWS Application Migration Service Replication Agentを用いたEC2へ移行する方法がまとめられておりますので、参考にしていただければ幸いです。
そのうえで、AWSの公式ブログでは以下のように述べています。
(原文)We are committed to delivering VMware customers the most choice and flexibility when it comes to running their VMware-based workloads in the cloud and continue to expand our migration and modernization pathways, programs, and partnerships to support their needs. Alongside customers who have chosen Broadcom’s VMware Cloud on AWS managed service, we hear that others would prefer a first-party AWS offering that provides an easy on-ramp to the elasticity and scale of AWS coupled with familiar VMware tools.
(翻訳)VMware は、VMware ベースのワークロードをクラウドで実行する際に、VMware のお客様に最大限の選択肢と柔軟性を提供することに尽力しており、移行とモダナイゼーションの経路、プログラム、パートナーシップを継続的に拡大して、お客様のニーズをサポートします。Broadcom の VMware Cloud on AWS マネージド サービスを選択したお客様だけでなく、使い慣れた VMware ツールと組み合わせて AWS の弾力性と拡張性に簡単にアクセスできるファーストパーティの AWS サービスを好むという声も聞かれます。
AWSとVMware(Broadcom社)は別企業なので、移行を行うとしても企業間での調整が必ず発生します。また、提供しているサービスの違いなどで、移行を行うのが難しいといった課題がありました。
移行支援の一環として2024年01月に**AWS Migration Hub Journeys(テンプレート形式)**を導入しましたが、テンプレート外の移行要件が発生した場合は、従来通り調整が必要となります。
AWS Migration Hub Journeysに関する詳細は以下ブログでまとめられています。
VMwareからAWSへの移行に対する解決策として、今回のre:inventでAmazon Elastic VMware Serviceがプレビューされました。
(原文)Addressing VMware on AWS needs – Amazon Elastic VMware Service
I am pleased to share that we are launching a preview of Amazon Elastic VMware Service (Amazon EVS), a new, native AWS service for customers to run VMware Cloud Foundation (VCF) within their Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC). With this new service, customers can take advantage of VMware Cloud Foundation license portability entitlement to run their VMware-based workloads alongside other applications in AWS. Amazon EVS simplifies deployment and provides a ready-to-use VCF environment, allowing customers to quickly migrate VMware-based virtual machines to AWS, while using the same VCF software they already use on-premises.
(翻訳)AWS上のVMwareのニーズへの対応 – Amazon Elastic VMware Service
お客様がAmazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)内でVMware Cloud Foundation(VCF)を実行するための新しいネイティブAWSサービスであるAmazon Elastic VMware Service(Amazon EVS)のプレビューを開始できることを嬉しく思います。この新しいサービスにより、お客様は VMware Cloud Foundation ライセンスのポータビリティ資格を利用して、VMware ベースのワークロードを AWS の他のアプリケーションと一緒に実行できます。Amazon EVS はデプロイを簡素化し、すぐに使用できる VCF 環境を提供するため、お客様はオンプレミスで既に使用しているのと同じ VCF ソフトウェアを使用しながら、VMware ベースの仮想マシンを AWS に迅速に移行できます。
さらに、AWS公式ブログでは次のように述べています。
(原文)Amazon EVS unlocks the agility, cost-savings and scale benefits of AWS without having to refactor or re-platform. Customers can set up a complete VCF environment in just a few hours using EVS’ guided configuration and automated deployment, allowing them to move, extend, and scale applications on AWS. EVS provides customers the flexibility and control to configure infrastructure that is highly optimized for their specific workloads, and gives them the freedom to extend on-premises networks and migrate workloads without having to change IP addresses, retrain staff, or re-write operational runbooks. EVS customers can use the same VCF features and tools they are familiar with for management, monitoring, and automation, including third-party tools for backup, disaster recovery, and storage. Customers can easily enhance these workloads using other native AWS capabilities and explore modernizing over time.
(翻訳)Amazon EVS は、リファクタリングや再プラットフォーム化を行うことなく、AWS の俊敏性、コスト削減、スケールのメリットを解き放ちます。お客様は、EVS のガイド付き設定と自動デプロイを使用して、わずか数時間で完全な VCF 環境をセットアップできるため、AWS 上でアプリケーションを移動、拡張、スケーリングできます。EVS は、特定のワークロードに対して高度に最適化されたインフラストラクチャを構成するための柔軟性と制御をお客様に提供し、IP アドレスの変更、スタッフの再トレーニング、運用ランブックの書き直しを必要とせずに、オンプレミス ネットワークを拡張してワークロードを移行する自由を提供します。EVS のお客様は、バックアップ、ディザスタ リカバリ、ストレージ用のサードパーティ ツールなど、管理、監視、自動化に使い慣れているものと同じ VCF 機能とツールを使用できます。お客様は、他のAWSのネイティブ機能を使用してこれらのワークロードを簡単に強化し、時間の経過とともにモダナイゼーションを検討できます。
情報が出そろっていないので何とも言えないですが、ざっくり言えばVMwareへの移行をAWSでもお手軽に移行+リソース管理が行えるといったイメージかと思います。
また、製品ページも公開されていたので利点なども見ていきたいと思います。
利点
AWSへの容易に移行できる
移行の摩擦を排除し、サブスクリプションの移植性とクラウドでのVCFの自動デプロイにより、運用の一貫性を確保します。オンプレミスネットワークを拡張し、IPアドレスの変更、スタッフの再トレーニング、運用ランブックの書き直しを必要とせずにワークロードを移行できます。
AWS環境のみでVMwareリソースを管理できる
VMwareアーキテクチャを完全に制御し、アドオンやサードパーティソリューションなど、アプリケーション固有の要求を満たす仮想化スタックを最適化します。
管理方法についてAWS管理 or ユーザ管理かを選べる
自己管理するか、AWSパートナーの専門知識を活用してAWS上のVCF環境を管理および運用し、人材、時間、コストにわたるビジネス目標を達成するかを選択できます。
スケーラビリティ(可用性)を向上させることができる
VMwareベースのワークロードの移行と運用のために、最も安全でスケーラブルで回復力のあるクラウドでビジネスを中断から保護し、スケーラビリティを強化します。
ビジネス変革を実現することができる
AWS ネイティブのサービスである Amazon EVS は、200+ 以上のサービス (マネージドデータベース、分析、サーバーレスとコンテナ、ジェネレーティブ AI など) を使用して VMware 環境の拡張と拡張を簡素化し、ビジネスを変革します。
ユースケース
クラウドへの迅速な移行とスケーリング
ワークロードをAWSに迅速に移行し、老朽化したインフラストラクチャを排除し、運用コストを削減し、シームレスで戦略的なデータセンターの出口戦略により、重要なビジネスタイムラインに対応します。
データセンターの拡張
スケーラブルなAWSインフラストラクチャを使用して、使い慣れたVMware環境を維持しながら、データセンターの容量をシームレスに拡張します。
自分のペースでモダナイゼーション
Amazon EVS は、VMware ベースのワークロードのクラウドへの第一歩です。スケーラブルで信頼性の高いグローバル インフラストラクチャと 200 を超える AWS サービスを使用して、VMware 環境を拡張、拡張、モダナイズし、イノベーションを推進します。
ワークロードを保護
バックアップとリカバリの計画をAWSに実装する際に、ダウンタウンとデータの損失を最小限に抑えます。
ざっくりといえば、AWSリソースのようにVW Wareリソースを拡張させることができるといったイメージを持っています。
利用可能リージョンについては製品ページに公開されていなかったですが、コンソールを見る限り**米国東部 (オハイオ)のようです
AWSコンソール上での表示
検索画面の表示イメージは以下の通りです。
クリックすると、製品ページへ飛ばされます。
ちなみに、米国東部 (オハイオ)以外だと以下表示となります。
なお、Amazon Elastic VMware Serviceを利用する場合は申請フォームから申請する必要があります。
申請フォーム入力項目
- ビジネス用メールアドレス
- 名前
- 苗字
- 電話番号
- 会社名
- 国・地域
- 郵便番号
- 職務
- 業種
- 役職
- AWS使用歴
- ユースケース
- 申請意図(ビジネス目的 or 個人利用) ※ビジネス目的以外通らないと思います
- Amazon EVS使用例
- データセンターからの切り替え
- クラウド移行
- ディザスタリカバリ(災害対策)
- データセンター拡張
- 移行期間
- 0~3か月
- 3~6か月
- 6~12か月
- 12か月以上
(考察)ビジネスインパクト
AWS公式ページでも示していますが、VMwareからのマイグレーション需要が最も大きなビジネスインパクトとしてあると考えています。
そのうえで、災害発生時の別クラウド拠点の確保といった面もあるのではないかなぁと個人的に考えています。
現時点で、どのようなビジネスを実現できるのか?や事象者としての利用シーンについて情報が出そろっておらず、解像度があまり高くない状況です。
本アップデートは、AWS利用ユーザだけでなく他クラウド事業者に対しても大きなインパクトを与える、大規模アップデートだと考えられます。
私のブログ内でも引き続き、ウォッチしていきたいと思います。
まとめ
現時点で個人利用は難しいサービス+AWSでのサポート粒度、料金体系などの情報が未知数なので、何とも言えないのが事実ですが、私たちのビジネスにおいて大きなインパクトを与えるアップデートであることは間違いないと思います。
本記事を通じて、Amazon Elastic VMware Serviceについて少しでも知っていただければ幸いです。
あわせて、参考サイトについてもまとめたいと思います。
AWS公式ドキュメント
Announcing Amazon Elastic VMware Service (Preview)
What’s Next for VMware Workloads on AWS?
AWS for VMware at re:Invent 2024 – Attendee Guide※参加者がレポート共有してくれるはず...
参考サイト
VMwareワークロードの救世主? Amazon Elastic VMware Service (EVS)が発表されました!
[小ネタ] Amazon Elastic VMware Serviceのサービスページが公開されていたのでプレビューに申し込んでみた
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。
本記事を通じて、読者の皆さんがAmazon Elastic VMware Serviceの解像度が1%でも上がっていただければ幸いです。