「防人の詩」、いい歌ですよね。
「海は死にますか 山は死にますか」
この世のありとあらゆる具象に対して、あまりに愚直に直球に問いかけるこの歌に、私含め衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。
この歌は、万葉集に蒐集されている詠み人知らずの歌がモチーフとされています。
鯨魚(いさな)取り 海や死にする 山や死にする
死ぬれこそ 海は潮干(しほひ)て 山は枯れすれ
現代流行曲の世界に、万葉集の時代に歌われた詩から着想を得て曲を書く、そんなさだまさし氏は知的ですし、とてもロックな感じがします。
しかし、この曲は当時 (1980年) の軽薄短小がもてはやされた時代にはあまりに重すぎ、あまりに真摯過ぎ、「さだまさし=暗い」という世間的なイメージを決定づけてしまった歌でもあるようです。
時代は変わり、主に NHK での某生放送番組の影響でさだまさしを暗いという人は皆無になりました。歌手というより、話の上手い芸人(たまに歌をうたう)と思われている...?
そして今の時代、twitter などでも**「〜は死にますか」**というフレーズをつぶやくときのある種テンプレートとして、「防人の詩」のフレーズは用いられることを良く見かけます。その程度には、さだまさしの価値観が世の中に普及しているともいえます。
ということで、短い詩の世界では表現できなかったであろうあらゆる具象に対する問いかけを、twitter の力を用いて収集し、「防人の詩」を拡張してみたいと思います。
デモサイト
https://sadatech.herokuapp.com/sakimori
twitter の API を用いて、「防人の詩」っぽいフレーズが含まれているつぶやきを抽出し、それを表示しているデモです。
アイコンをクリックすると、元のつぶやきのページに飛びます。
また、皆が抱える問いは恐れ多くも人類には知り得ない壮大なものも多いのでしょうが、現在は集合知の力を用いることでもしかしたら答えにたどり着けるものもあるかもしれません。ということでフレーズをクリックすると**「Yahoo! 知恵袋」**へリンクするという親切設計になってます。
実装
正直今回は大したことをやっていません。
twitter search API
情報ソースとして、twitter search API を使用して情報を取得します。
クエリーは "は死にますか"
防人の詩っぽいフレーズの解析
取得した文字列を kuromoji
を用いて形態素解析をし、その結果を元に判定します。
- 文字列を文節単位に分解
- 「海は死にますか 山は死にますか」⇒「海は死にますか」「山は死にますか」のような感じで
- 「~ますか」「~ですか」で終わるセンテンスを抽出
- 余計な記号等の文字は取り除く
- 「防人の詩」の歌詞とまったく同じ内容しかつぶやいてないつぶやきは除外
HTML, CSS
以下のサイトを参考にして若干手を加えました。
http://vdeep.net/css-chat-design
本当は、最新のつぶやきがあったら JS から自動的に取得して表示する、といったところまでやろうかと思ったのですが、正直そこまで更新頻度が無いのでページロードのタイミングで読み込むのみにしています。
まとめに変えて
以上、ネタでした。