【新しい社内情シス】
トップダウンでしなければならないこともあれば業務サイドの要望もあればそれらを建設的にBPRも含めコンサルしノーコード、ローコードプラットフォームで外注化せず自社で今日求められているものは今日明日作ってしまうシステム開発する時代だと思う。Salesforceはそんな業務の在り方に向いているソリューションだということをあまり知られていない気がする。新しい社内情シスが今まさに私のいるところでも始まっている。(というか、そういう方向性に誘導している)
Lightning Platform Starter を使いライセンス費用を削減する
カスタムオブジェクト、ワークフローなどを活用しCRMも頭の片隅に入れつつ自社アプリ(経費精算、稟議申請、予実管理、などなど)を構築しようとするとSales Cloud EssentialsやProfessionalでは対応できず必然的にSales Cloud Enterpriseが候補となるがこちらのライセンスをそのまま買うと18,000円/月(税別)でプレミアサポートに入ると2割増しとなる。これを利用人数分買うとなると年間でみるととんでもない金額となりライセンス費用だけでもあきらめてしまう人も多いと思う。というか、これが原因でSalesforceを導入しない/できない理由でとん挫するケースが多いのではないだろうか。 そこでお勧めなのがSalesforce PlatformのLightning Platform Starter( https://www.salesforce.com/jp/editions-pricing/app-cloud/ )というライセンス形態でカスタムオブジェクトへのアクセスが10個までなど制限があるもののSales Cloud Enterpriseの大方の機能や取引先、取引先責任者、ToDo等の標準オブジェクトは使える。商談などSales Cloud Enterpriseに搭載の標準オブジェクトの一部は使えないがこちらは必要があれば同じようなものをカスタムオブジェクトで作成すれば事実上代替えは可能となる。カタログ価格は3,000円/月(税別)でプレミアサポートは2割増になる。言い方を変えるとLightning Platform Starterで実現可能な仕組みを作った方が結果としてコスト安となる可能性が高い。最初からSales Cloud Enterpriseでしか使えない標準オブジェクトで構築してしまうと全員Sales Cloud Enterprise以上のライセンスが必要となり(EnterpriseかUnlimitedしか)逃げ道がなくなる。
Sales Cloud Enterprise は必ず一本必要
Lightning Platform Starter/Lightning Platform Plus ライセンスでは「システム管理」ができない。権限をMaxでつけても管理系の機能が表示されない(レポートについては管理可)。ワークフローを作成・編集、ユーザー管理、権限管理、Sandboxの管理などはできない。そのため、システム管理用にSales Cloud Enterpriseは必ず一本は必要。この時点でSalesforceの組織のEditionはEnterpriseとなる。(EssentialsやProfessional扱いではなくEnterprise扱いになる)以前、前職で今と違う営業担当からLightning Platform 10本ごとにSales Cloud Enterprise1本買ってほしいと言われたことがあったが、実のところそういう必須条項があるわけではなくSales Cloud Enterprise 1本あればLightning Platformは10本であろうが100本であろうか1,000本であろうが買い放題であることは判明している。
値引き交渉はできるのか?
カタログ価格で考えると100本のLightning Platform Starter、1本のSales Cloud Enterpriseでは年間3,816,000円(税抜)となる。プレミアサポートに入ると2割増しとなる。普通に考えると100名規模のSalesforceで初期費用も払わず年間3,816,000円(税抜)でスタートできるだけでもSalesforceの導入プロジェクトに携わったことがある人なら安いと思う人が多いのではないかと思う。実事例としては約13本のLightning Platform StarterとSales Cloud Enterprise1本でほぼほぼカタログ価格で買ったところから始まり月額約6万円のスタート。初期費用無しなので大きい(私が一人で内作。VisualforceやApexの開発は一切せずコードを少し書いたとしたならばワークフローのメールテンプレート位で基本はマウスのクリックレベルで収まる開発作業。カスタムオブジェクト/カスタムフィールドの作成、sharing rule, public groupなどの設定、メールテンプレートを打ち込む程度で取引先&取引先責任者(標準オブジェクト)、案件管理、活動履歴、取引先申請書からスタート。ワークフローも標準機能を使い倒し。多言語化しやすく英語、日本語でスタート)。Office 365のSSO、Office 365のグループにユーザーを追加すれば大方のSalesforce側のライセンス付与やプロフィールが自動連携(azure ad user provisioning)されるように仕掛け。スモールスタートを機に100本を上回る横展開を実施し、次の展開は上手くいけばかなりの規模になる。
コロナ問題もありなかなか新たな取り組みは動きにくい中小零細企業も多いと思う。そんな中割引を期待したいところですが小ロットと言えども大きくは100本、1,000本単位で一括発注サイズのイメージで割引の限界もある様子。マイクロソフト(Power Platform)など他のSaaSと同じような割引率は期待できると思うが概ね3割~7割の割引を期待するとなると注文ロット単位が100本単位~1,000本単位となるし、見積もり入手時点でも相応のコミットが必要な様子。発注側の都合もあるだろうから、あまり焦らされずに注文できるよう見積もり入手時はそのあたりの意思伝達はしておいたほうがよいだろう。 一度注文して良い単価が決まると次の注文は1本単位でも前回の注文単価が原則適用できる(Checkoutという管理者機能で営業を介さずライセンスを発注し即日増やすこともたまにしているが、この機能では前回発注単価が自動条件表示されるので少量購入に向いている)。もし未来がある程度決まっていて稟議が通るのであれば小ロットで細かく買い重ねるより大きく一気に買う予定で良いディスカウントを得た方が先々良い。中長期的に500本~1,000本超えが少ない可能性といえどもあり得るのなら相談には乗ってもらえるはず。 Salesforceのグローバル決算は1月末とのことなので、四半期、半期、特に期末決算を意識した注文も割引が期待できるかもしれない。スモールスタートで数十本レベルの購入なら定価か気持ち程度の割引の期待が無難。
Salesforceという名前で誤解している人が多そう
Salesforceという名前というか企業の由来でもあるが「CRMでしょ」と思っている人が非常に多く、カスタムビジネスアプリのプラットフォームとしての活用を思い浮かぶ人はまだまだ少数派な気がする。名前はむしろ「Systemforce」の方がわかりやすい気がする。膨大なデータ量(データ量には制限があります)やマトリクスを中心としたデータインプット(マトリクスになるとVisualforceを駆使しなければいけない)でなければワークフローも考慮したビジネスアプリが簡単に組めるプラットフォームとして比較的安価に活用できるのでぜひ候補の一つとして今後の参考にしてみてください。Microsoftなど他のPlatformと異なりデータベースがサービスに内包されているのでDBMSを別に考える必要がないです。Azure Data FactoryでETLを実装しましたが基幹システム等他システム連携も簡単にできました。ローコード開発、ノーコード開発を耳にするようになってきたが、Salesforceもそのうちの一つであることは間違いない。Sales Cloud Developer Edition(無期限)で大方の機能検証、使い勝手の確認ができるのでお勧め。上述のLightning Platform Starter導入を前提とした検証も可能です。本ライセンス導入前であっても実際にライブで動くシステムを作って内製化の検討、稟議、開発方向性の合意を得ていくという新しい開発スタイルで動けるのは大きいです。