メンバーシップ型採用をあきらめ未経験者募集で時給5千円でも応募が来ない。一体みんなどこにいるのか・・・
2007年から事業会社の情シスのキャリアを一貫して携わってきたが一時的な出向まで含めるとすでに7社の情シスを経験したことになる。日本を代表する大企業、外資系の日本法人、中堅中小企業と幅広く経験してきた。最近になってとにかく人が見つからないことが課題になっている。4月から、とあるグループの中堅会社の役員に就任しICT事業推進の責任者となる見込みだが自社のみならず、他のグループ内の別会社でも人を探しても探しても見つからず一種のカオスになっている。派遣会社、フリーランス紹介会社に求人募集しても事実上門前払い、無視されたことがだいたい7割~8割くらい。求職者へお支払う時給が4千円や5千円台(コミッションをさらに3割、5割増し)でも全く相手にされない。こんな時代になってしまった。1名ないしは2名程度の情シス(それ自体が多くの企業で問題のはずですが)だとやめてしまって代替人材が見つからないなんてときは特に顕著な問題だと思う。備忘録としてつらつらこういう採用アプローチもあるのではないかと書いておこうと思う。なんとかなりそうな気がしています。乱文お許しを。
働き方が変わった
フリーランスや人材派遣会社複数社に聞いてみたところ、事業会社の多くがオンサイト要員の求人になっており、それが理由で見つからなくなっている様子だ。フルリモートでハイレイヤーのコンサルから自社サービス、受託開発のプログラマーまで幅広くIT関係の仕事がわんさかあってなぜ(事業会社に)出社してPCの準備だの電話応対だのといった雑務をしなければならないのかというのが市場の相場の様子。
紹介会社X社・・・登録者のフルリモート希望8割、1割がときどき出社してもよい、1割が毎日出社してもよい
紹介会社Y社・・・登録者のフルリモート希望5割、残りの半分がときどき出社してもよい、あとの残りは毎日出社してもよい
それでもって大阪とか勤務地まで指定されると「出社してもよい」人材の中からさらに絞り込まれることになるので見つからないという話。関東圏ならまだしも今や関西圏で見つけることが困るようになってきている。
さらに事業会社の情シスって人気がないダブルパンチ。わくわくしない長時間労働、雑務のイメージもあるからだと思う。(私の環境はそうならないように常に変化をしていますが・・・)
ITのスコープが年々広がっておりそれが理由でも見つからない
私が情シスの仕事を始めた2007年の頃は正直なところ、企業のITシステムというものは勘定系のシステム・ERPシステムといった人・物・金管理系のシステムの導入や製造系のシステムの話だけがメインで、何か外だしでツールを作るにもExcelやAccessが良いところで正直他に大きなテーマはなかったと思う。今やERPなんてできていて当然で、BI、CRM、MA(マーケティングオートメーション)、SEO対策、ITセキュリティ強化、ワークフロー、AI、OCR、RPA、スマホアプリ、EDI、・・・と全社的に、俯瞰的に取り組むべき(もしくは少なくともテーマとして検討すべき)ITのスコープが広がっており、さらに経営戦略、BPRの推進といったところまで期待され始めている。最近はやりの「DX」というキーワードもそんなのりな気がする。特に1,000名程度までの中小・中堅企業、いや、200名まででもよいが、取り組みテーマが増えたからといって1~3名の「IT部隊」をいきなり10倍、20倍に社内に整える体力気力があるかというとそうでもないし、同じように外注化できるかというとそうでもないところが多く、結果として取り残されて行っている企業が多いと思う。取り残されいく期間が長ければ長いほど周り(特に体力のある大企業)のIT化が進み自社で対応しきれない世の中の動きに「人海戦術」で乗り越える悪循環が止まらない。最近ホットな話題のITセキュリティについてもITセキュリティ会社でITセキュリティ人材の採用ができない、対応リソースがひっ迫しているのに日本にある99.7%の中小企業はいったいどうすれば良いというのだろうか・・・次々工場が止まる、止まったことの連絡が半日、1日に遅れで周知されるというのはある意味自然で、電話帳、FAX帳に基づいた人海戦術での連絡なので致し方がない部分が大きい。
正解がない仕事の教育システムではない弊害
最近、事業会社で求められる話でどこも求人をかけ続けても未経験者ですら一向に見つからない人材の一つに正解がない仕事を推進してほしいという求人がある。いろんなステークホルダーと話をしてBPR、ペーパーレス、RPAしてみたいな。決められた解がある仕事ではない、何をいつやるのか時間も明確にひかれているわけでもなく予算があるとも限らない。プロジェクト体制、指揮命令系統も定かではない。日本の教育システムに染まってきた人からすると大変違和感のある仕事だと思う。PCやスマホくらいは渡されるかもしれないが各システムのログイン方法すら教育されることもなくとにかくみんな困っているからなんとかしてみたいな話。面談で何ができますかと求職者に聞いても求職者は回答しようがないしロードマップがあるのかと事業会社に聞いてもなんのこっちゃって話になる。日々のPCの準備だのユーザーのセットアップだのしながら、そういうこともできる人材大募集中の企業は本当に本当に増えてきている。前述したカオスを整理していくには俯瞰的に物事を整理すると同時に世の中のソリューションを幅広く把握していないと何が提案できるのかすら創造、想像できない。でも、そのうちのソリューションの一つであろうAzureだのAWSだのSalesforceだの一つのソリューションを把握していればジョブ型で年収1,000万円超えのフルリモート案件が見つかる時代。その3割4割の年収で、ぜひあなたに期待してるから頑張ってほしいとか言われてもね・・・というのが相場感のようだ。
結局、採用難の企業はどこを狙えばいいのか?
私なりの結論としてはいわゆるTier 1(自社サービス、ベンダー、事業会社、コンサル・・・)にもTier 3-4(多重下請けの受託開発等)でも採用ニーズのない人を採用するという戦略がよいのではないかという結論にはなった。「未経験者募集で時給5千円でも応募が来ない」という前振りと矛盾しているようで矛盾はしていない気もしている。未経験者募集だが、Tier 1にもTier 3-4でも難しそうな層にフォーカスをあてた採用とすることで。具体的にはこんな感じで考え始めたら、応募や面談の感触はよくなってきた。プロフィールとしては
●最重要ファクターとして元気があるね
●ときどき出社はできる範囲に住んでね、毎日来なくてもいいしフレキシブルに対応するよ、最初のうちは来てもらった方がキャッチアップはやいと思うからうれしいな、雑務はまとめて片付けて・・・
●ITというものに何か可能性を感じているよね
●大人数の環境より少数精鋭が魅力にみえるよね、頼りにします
●広範囲に興味津々、機会があれば勉強しまくる性格、最新のテクノロジーや企業経営に興味があるね
●決められたものを納品するプログラマーをしたいわけではないね
●他社が望む業務経験がないからはやく築きたい
●重要なファクターとして大企業や外資系にありがちなガチガチにしばられた環境ではなく自由闊達な裁量が欲しい、とにかく2~3年で成果を出したい、リファレンスを作りたいその後は・・・まあお互い好き勝手に道を歩みましょう
という感じ。
給与面で見合うだろうし、人材を教育して教育したことで・業務経験を積んだことで他社と給与で数年後に負ける心配をしなくてもいいし。んでもって、とにかく広範囲なことに興味を持ってくれていればERPのみならず、CRM、BI、EDI、RPA、AI、・・・大丈夫だよね?ある意味、フルスタックじゃないですか。つぶしがきくだろうし99.7%の中小企業のみならずこんな汎用的な経験大企業でも求められているからTier1にいくチャンスもあるだろう唯一無二の存在にもなれるよね!ということで・・・
さて、興味がある方、応募お待ちしております。