電気通信設備工事担任者とは? 爆速で取得できる免許かな
最近本屋に寄る機会があってIT系資格の現状を見ていたところ、基礎的な話が満載で情シス担当やインフラ系エンジニア必見の免許があった。工事担任者(第2級デジタル通信)になる。※上位免許として総合通信、第1級デジタル通信がある。
https://www.dekyo.or.jp/shiken/charge/about
第2級デジタル通信は 1 Gbps までのインターネット回線(大半のインターネット回線)を会社や自宅に接続する(回線引き込み)工事に必要だが、工事担任者の監督下であれば資格を持たない者でも接続工事に携わることができる。回線設置業者の誰か1人は必ず必要な資格になるが、会社の誰か1人が持っていればよくなくてもなんとかなるケースが多いらしい。他にも業者が設置した回線機器(責任分界点)まで自分達で必要な設備(ルーター等)をお手製でケーブル等を加工して接続する場合や接続口を設けて自分たちで配線をするような場合は資格または資格を保有した者の監督が必要とのことだ。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000829038.pdf
配線業者より情シスやネットワークエンジニアの方が知っていてほしい当然の知識が多くあるので、これらの人が勉強できるならしたほうが良いのではないかと思う。この試験の良いところは日々の業務で必要なあたりまえのことを問われる比重が高いことだ。下手したら情報処理推進機構 IPAのITパスポートや基本情報技術者などのIT系試験よりPCやネットワークが存在する現場で必要な知識が問われる資格に見える。Comptia Network+, Security+ をかいつまんだ感じに見える。
取得までの2.5週間の道のり、試験の受けやすさ
2023/2/2 ・・・ 本屋で立ち読み、本を2冊購入したが、試験問題の9割以上というかほぼ全てがそのうちの1冊から出ていた。
現時点ではこの1冊で十分合格できるレベルでした。
Amazonで同じ本を購入する場合:
https://amzn.to/3IPheLS
※同一出版社(リックテレコム社)から標準テキストと実践問題集と発行されているようだが、
第2級デジタル通信については私の経験上では標準テキストのみで十分でした。
2023/2/11 ・・・ 試験代をコンビニで払い込み
2023/2/13 ・・・ 試験申し込み
2023/2/18 ・・・ 試験日
試験日まで本を入手してから2.5週間でしたが、本に書いてあることを覚えれば(本文色付け部分、重要と書かれているところと練習問題をできるようにしたところ)ほぼほぼ全ての問題で大丈夫でした。学習時間は40時間もなかったと思いますが、電気回路やネットワークの一般的な知識について全くの知識が無い人の場合はネットのブログでは50時間から100時間かかったとされるものも散見されます。
2023/3/10 ・・・ 合格発表(なぜか試験翌月10日まで待たないといけない)
2023/3/10~ 忘れず資格者証申請(3ヵ月以内期限あり・・・万が一忘れた場合は受験から3年以内であれば科目合格による全科目免除申請ができる様子だがお金も時間もかかるので合格発表で直ちに資格者証申請が良いだろう)
第2級デジタル通信(と第2級アナログ通信)は現在はCBTによるテストセンター試験になっている。
全国で1年中実施しているので受けやすい。
総合通信や第1級は年2回の試験なのでまだ受験しにくい。
試験で問われる内容
3科目合格が必要(学校課程や取得済免許によって科目免除がある https://www.dekyo.or.jp/shiken/charge/guide/1277 )。第2級デジタル通信は3科目受験者でも合格率が50%程度あるようで無理やり受けさせられた人ではなく試験慣れしていて本に書かれていることを覚えれば合格は可能でした。第2級デジタル通信は全問選択式で3択の問題が多いのでわからなくてもとりあえず選択肢をチェックすれば3分の1の確率で当たる問題も多い。科目合格した場合は不合格な科目のみ受験ができる制度があり、試験の行われた月の翌月の初めから起算して3年間の科目合格制度があり、CBT方式は有効期間の最終日の30日前までに申請が必要のようだ。
(科目1 22問)電気通信技術の基礎
・情シスやネットワークエンジニアが使う知識かどうかはさておき、直流、交流、直列回路、並列回路、半導体とは、半導体の活用方法とは、回線で発生する反射や漏話といった通信低下・障害や論理演算の基礎的なところが問われます。文系出身者の難関だとすると、この科目かなと思いますが、6割正解で良いので全てに自信がなくても他を抑えれば何とかなるかも。私の場合、高校や大学で少しばかり電気回路の勉強していましたし以前入手した航空無線通信士等無線系試験で問われる内容とかぶるところがありましたので学習時間は少なくて済んでいます。最近半導体不足など半導体の話題が多いです。半導体の基礎知識を把握するためにも頑張ってほしいです。
(科目2 20問)端末設備の接続のための技術及び理論
・ADSL回線や光回線、ケーブルテレビ回線などで登場するONUやスプリッタ、LANの概要や内部動作、IP電話の動作やIPネットワーク技術(L2スイッチ、L3スイッチ(ルーター)、ping、IPV4 / IPV6 ネットワークアドレス帯など)、情報セキュリティ(攻撃やウイルスの種類など)が問われます。情シスやネットワークエンジニアとして必要不可欠な知識ばかりが満載です。
(科目3 20問)端末設備の接続に関する法規
・電気通信事業法及びこれに基づく命令の大要、有線電気通信法及びこれに基づく命令の大要、不正アクセス行為の禁止等に関する法律の大要などが問われます。不正アクセス禁止法はニュースでもよく聞く身近な法律です。また、法律に書かれていることでアナログ電話、携帯電話、IP電話など自動再送信の制限回数など法的に決まっていると意外に知らなかったことが問われるものもであり、身近なことが多く学べました。法律の条文に関して問われることが多いので文系出身者であっても何とかなるところだと思います。
工事担任者養成課程
試験を申し込んだ後に知ったのだが国家試験を受けずにeLPITというオンライン形式の工事担任者養成課程があって
こちらの場合は中間テストや最終の修了試験(テストセンター受験)に合格することでも資格者証につながることを知った。
修了の合格率は87%(2022年12月)と書かれているので、国家試験をそのまま受験するより合格しやすいようだ。
どうも制度的に自動車教習所に似ている気がする。
とはいえ、(科目免除が得られない場合)第2級デジタル通信の場合、67,100円ということで
国家試験を受験するのに比べて上述の教科書や受験料を入れておおよそ 7倍の料金 がかかる。
第1級デジタル通信は134,200円、総合通信は168,300円 ということで修了試験の受験1回がセットになっているとはいえ安くはない。
第1級デジタル通信や総合通信は現時点では年間の受験回数が2回に限られていることもあり、
eLPITの方が取得はしやすい気がするが自己啓発の一環ということであれば、
ここまでのお金を払って取得すべきかは悩ましいところだ。
少なくとも第2級デジタル通信については本に書かれていることをとにかく覚えきってCBT受験する方が良い気がする。
よほど物覚えが悪い、教科書の独学に自信が無いとかであればeLPITの方が良いのかもしれませんが・・・
資格・免許一覧が増えました
https://bit.ly/cert20230310
IT/通信系の試験では他に航空無線通信士、海上特殊無線技士1級、陸上特殊無線技士2級、AWS試験2科目、Microsoft試験20科目、Oracle試験7科目、ITIL V3, CompTIA試験8科目、CIW Foundation, CATIA(CAD)試験2科目、富士通試験4科目、HDI試験1科目、IBM試験1科目、UMTP試験1科目、XMLマスター試験1科目、情報処理技術者1科目となります。
最後に
もしこれを機に工事担任者資格ゲットを考えられた人がいましたら、ぜひ頑張ってください!
応援しています。