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ITエンジニアの転職。自分自身や他の方の転職の際に意識して大切にしたいこと。ポートフォリオの意味や日本から仕事がなくなっている所感。

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少し長くなりますが、IT系の仕事をしている人であればほぼ必ずといっていいほど巡り合う転職について整理をしておこうと思います。

何があっても絶対に考えたい3点セット

己の転職の際もそうですし社内の部下や同僚を送り出す際にも意識したい3点セットがあります。自分自身でなくても賛成か反対かという意見具申をする際にも考えることができるフレームワーク的なものです。これは山崎元氏が述べている3点セットでもありますが私の過去にもつながっていて書き留めておこうと思います。この方は東京大学を卒業されているので学歴としてはきれいな方ですが、転職を12回もした方です。ちなみに私は学歴も職歴もきれいかといわれるとレールを脱線しまくっているので汚いです。正社員のキャリアだけでも5社目です。山崎氏は今年で61歳ということなので「転職は悪」の時代から転職を重ねてきた異例な人だと思います。3点セットとは簡単に言うと次です。私は妙に納得してしまう内容です。
①転職者の市場価値(=会社の市場価値ではない)
②職場環境(職場で働く人々等)
③事業基盤

山崎氏はとにもかくにも「市場価値」は絶対に意識しないとまずいと主張されています。市場価値って一言でくくるのは難しいところがありますが、難しく考えないとすると次の次に行く先が相応の報酬で存在するかだと思います。転職時に転職理由の説明を聞かれることが多いと思いますしなぜ転職をするのかと悩むことがあると思います。私の場合は外資系を渡り歩いてきていたこともあり「日本で担当する業務が無くなりつつあった」(社内ITのお仕事もそうですが社内のバックオフィスはこの危険が日系以上にある)とか「目の前でリストラしていた」とかありましたが、ネガティブな理由を並べてもしょうがないので必ず市場価値を考えて次の選択をしてきたと(意識をしてきましたし)説明もするようにしています。
私の場合ではピープルマネジメント経験、会社のビジネスプロセス全体に部門横断的に携わる機会や一部結果論ではあるもののSalesforce, AWS, Azureなどクラウドを担当する経験、ERPやCRMに加えBIやECと担当領域を広げることができた経験などがあります。転職した先でアンマッチだったということもあると思いますし
事業撤退など必ずしも自己要因とはいえないところでどうにもならないときに新天地を見つけないといけない。その場合に市場価値が無いようでは身動きがとれなくなるからです。
もうすでに仕事が無いのであれば別ですが、現職があるのであれば市場価値を下げる転職は絶対にしない方がいいですし周りの人の転職に賛否を問われたらまずは市場価値で判断でいいのではないかと思います。
次に重要な要素として職場環境や事業基盤。
罵声が飛び交うような環境や右肩下がりの企業、キャッシュに困っている企業はやめた方がいい。スタートアップを選ぶ場合は事業基盤としてどうなのか、どうなるのかは本当に意識した方が良いと思います。10年で94%の会社がなくなる日本ですから。で、繰り返しになりますがもし見誤って会社がなくなったとしてもその時点で市場価値が高ければ次があるはずです。ちなみに私が期間雇用や派遣社員を採用することがありましたが、派遣社員であったとしても必ず市場価値を意識した採用、業務のお願いをしていました。うちの仕事が終わった後に経歴的に次がうちより高い給料で見つかってほしいという願いを込めた採用や業務の依頼の仕方をしていました。毎日が決して笑顔の日々だけではなかったですけど(ときには嫌われもしましたけど)私が採用してマネジメントしていたスタッフが契約期間の途中でやめたりとか正社員がやめたりということは起きなかったです。
本当にひどいマネージャーだと同じ職場でも翌日から来なくなる、しかも何人もそういう状況ということは見てはいましたから全てが全て納得できることはないけれど市場価値に軸を置く。この視点としては大きく間違っていなかったのかなあと思います。

自信を持つこと、それがポートフォリオ作成であり資格取得の意味ではないのか?

今の自分に自信を持つことは現職でも転職でも重要なことかと思います。最近よくポートフォリオを作成することについて就職や転職の重要性が語られることがありますが、正直なところほとんどの企業や案件では個人事業主がクリエーターとして営業活動でもしているのなら別ですが過去の職歴を優先的に確認しポートフォリオの出来栄えで採用の判断をすることはあまりないと思います(中高生がこれはすごい!と感動するシステムを作っている場合は別ですが・・・)。私は継続的に最新技術の動向をおっかけて世の中の動向の把握、資格取得をしてきましたがポートフォリオにしても資格にしても一番大きなメリットは他者がどう考えるかより自分自身が自信を持つことだと思います。自分自身に自信を持っていれば悩み事があっても楽になることが多いですし(転職時の)自己紹介にも自信を持てる。今までできなかったことができるようになるとか知らなかったことを知るようになって成長を感じることができた。これは他者がどう考えるかではなく、自分にとってどうかが重要です。自分に対する投資です。他者に対する投資ではないです。

日本の疲弊感とか40代以上が使えないとされてしまう根本的な問題は何なのか?

よく日本の多くの企業で起きている問題を語る際に「コスト面でアジア勢に勝てない」とか「昭和の時代の成功を引きずってきた経営者」とか聞くことがありますが根本原因はそこではない気がします。人口というマクロ的なあるにせよ本当のところは前述の「市場価値を一人一人が意識してこなかった」という一言にまとめられるケースが多いのではないでしょうか。公務員や日系企業に就職する人の多くは18歳ないしは22歳位で就職したのち、自分の仕事に直接関係しないことのキャッチアップや勉強の取り組みが止まります。外国勢の一流企業の働き盛りの人たちはキャッチアップ、勉強が止まることはあまりみません。問題なのは自分の仕事に直接関係することが客観的にみて付加価値がある、市場価値がある仕事やゼロイチで市場と戦ってみるとかであれば企業運営も何か起きても次の行き先に困ることはないと思うのですが付加価値、市場価値を意識していない状態が20年も30年も続いていたとなるとどうしようもない。これが日本の問題だと思います。護送船団方式がなくなったことではないです。増税で今も公共工事はむしろ増えているし護送船団方式は続いています。でも歯切れ悪く上手くいっていない。考えてもみてください。
ホンダが設立されたのが戦後1948年ごろです。多くの企業は戦後に設立されています。そのころ20代でゼロイチで集まった人たちが一生懸命頑張って60代になったのが1990年前後。それまではとにかく新しいことをやってみよう、市場で求められるものを供給していこうとゼロイチからやってこられた方々です。ゼロイチで市場を相手にやってこられた人が退職に入ったタイミングとバブル景気の終盤と完全に一致します。マクロでいろいろあったのはわかっていますが、これは偶然ではないと思います。1990年頃に「established」な環境で採用されゼロイチで考えることもしなかった、する機会もなかった20代で採用された人達が今何歳だと思いますか。
早期退職でターゲットになっている層(私もほぼ同じ層ですが)と一致しています。これも偶然ではないと思います。

製造業に向いた教育システム、人事システムだが製造業自体が日本から無くなってしまっている

日本の教育システムの背景というか日本国民大多数の前提条件丸暗記、マニュアル重視、正解がある教育で高校受験、大学受験、適性試験による偏差値主義(※多様性、自主性の試験ではなく暗記もののbraindump型)同調、同和の道徳/精神教育ゴールは「就社」の「就職」ですからいわゆる製造業、日本の官公庁にはピッタリの言われたことをもくもくとRepetitiveな繰り返し作業をやる人材をたくさん創出していますし、普通に考えれば経営者にしても人の採用をする人事もそういう意識の方が多いわけです。一方で今起きている問題は機械的な作業に向いた人材を創出しておきながら海外に工場が移転したりロボット化されたり外国人化したりして
日本国民が得意とする機械的な仕事が日本から消えていること。プログラマーだってオフショア開発だ!といって日本から開発の仕事がごっそり消えてしまっている。何かのフレームワークを勉強したところで仕事があるかというと本質的には怪しい。そして一昔前はデータセンターが日本からシンガポールなどに移転することが流行った。今はデータセンターすらなくなりどんどんクラウド化、自動化されてシステム運用の仕事も減ってきている。そしてGAFAのような企業は日本で生まれないというが、大多数の国民の教育や意識の持ち方からして生まれない方が自然。機械的な仕事がなくなり機械的ではない創造性豊かなこともできない。給料が上がらないといいますが、平和で何もかもすぐに手に入る状態で仕事が減って仕事の奪い合いになっており、そんな状況で最低賃金でもいいという外国人をバンバン受け入れていますから(日本人の)仕事が増えず給料が上がるわけがないというのが今の日本の構図だと思います。追い打ちをかけるように日本にいる100万人の外国人の給料の多くは日本で費やされることなく海外へ仕送りです。これが今の現状です。そして日本の企業が好まれる理由として挙げられる「雇用の安定」とか「みんな一丸」となって頑張る文化ですが、日系企業の多く、日本の官公庁の多くは縦割りが海外に比べて顕著だなあと思うことがありましたし、雇用に関していうと日本で真っ先に切られる肩たたきの対象は現場です。製造業の文化が根付いていることもあるのかほとんどの企業で現場から手を入れられます。これには減給や事業の切り離し、事業停止も含みます。外資系や海外なら上層部・マネジメントから切っていったりします。
人口減以上に仕事が日本からなくなっている現状を直視すべきだと思います。外資系はドラスティックですが日系だからといって安全ではないです。興味深いデータがあります。IT関係の従業者数です。定年近い年寄りはIT業務に専念している人は少ないです。一方でIT従事者数の人数としては既にピークが過ぎて減少しているようにしか見えません。これは需要に対する供給がないのではなくて(お役所はそう書いていますが)仕事の絶対数自体が既に減っていると私は考えます。
これは5年後、10年後どういうことを示唆しているのでしょうか。。。
●IT人材白書2017 https://www.ipa.go.jp/files/000059086.pdf
●IT人材の最新動向 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/27FY/ITjinzai_report_summary.pdf

では、ITエンジニアとすればどうしていけばいいのか

 
日本で「IT求人の絶対数」が増えるとは到底思えません。直近のIoTにしてもビッグデータにしてもAIにしても何百万人も雇用が日本で増えますか。そうは思えません。元に戻ると市場価値を意識して毎日変化していく市場価値に合わせて自分を毎日変化させていくしかないと思います。今日のことが明日陳腐化する時代です。アサインされた職務が市場価値の低下につながり改善の見込みがない場合はそういう仕事は市場価値を意識していないか意識しなくてもよい方(特に年齢層が高い方)に可能な限りお任せして1年、2年待たずして場所を変わった方がいい(まずは自己研磨するだけでも市場価値が高くなるならそれでもいいと思いますが、状況により転職した方がよい)というのが私の想いです。世の中の動きについていける環境に身を投じた方が自分自身の身動きがとりやすくなるというのが私の過去の経験です。(今のITの仕事という意味ではありますが)ITの仕事の絶対数としては日本からはドンドン無くなっていると考えるのが自然ではないでしょうか。

年収400万 vs. 1000万の思考の違い

4つの思考の違いの記事を視ました。
●得意な分野を伸ばす(苦手の克服 より 得意分野の成長)
●できるだけ手を抜く (与えられた仕事の消化 より 一気に仕事をこなす、複数事業)
●常識を疑う(社会はそういうものだ より 本当に正しいのか)
●仕組化のこだわり(やる気・モチベーションの管理 より 仕組み化)
https://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20191224-00014964-toushinone-bus_all
『Procrastination, Deadlines, and Performance: Self-Control by Precommitment』Dan Ariely, Klaus Wertenbroch <2002>

一つの企業の中での年収アップはほぼ難しいと思います。転職で100万円上げる、200万円上げるって簡単ですよね(一方で逆に100万円単位で下げることもできる)。私は何度か経験しています。大幅アップになる求人はその際に求められる市場価値があればけっこう簡単に見つかる気がします(年収1,500万円位までだったら)。キーとなるのはやはり現時点までの成長、一気に頑張る、今いる環境に疑問を持つ、がむしゃらに頑張るのではなくて道筋を決める。どれも市場価値を意識していることばかりかなあと思います。

頭の片隅に

企業選びの際の見方として頭の片隅に入れておいた方がよい区分的なものを書いておきます。これはどちらかというと市場価値より仕事の進め方とかライフスタイルに影響するものだと思います。現代の日本では外資系だから従業員の市場価値があるとは限らないし大企業だから従業員の市場価値があるとは限らない。上流だから市場価値があるとも限らない。

企業フェーズの分類
 ●ベンチャー:ゼロイチ創業期~ファンド資金投下前後
 ●ベンチャー:A/Bシリーズ~IPO時期
 ●中堅企業
 ●大企業

一般的にどちらかきれいに分かれる分類
 ●外資系 vs. 日系
 ●事業会社 vs. 受託開発会社/リセーラー
 ●委託する側か委託される側か
 ●身分(出身校等)/年齢重視かスキル/考え方重視か
 ●ワンマン vs. ワンマンではない(元気で成長がすごい会社は日系も外資もワンマンが多いのです。ワンマンだから成長するとは限りませんが。)

どちらかきれいにわかれない分類(オーバーラップすることが多い内容)
 ●上流 (企画・PM)vs. 下流(開発・運用)
 ●インフラ vs. 社内ビジネスアプリ(レコード系)vs. 社内ビジネスアプリ(イノベ系)vs. 社外向けアプリ/サイトvs.ガバナンス/セキュリティ
 ●丸投げか手足も動かすか

まとまりがない記事を最後まで見ていただきありがとうございます。
転職の際の何かの気づきとなれば幸いです。

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