こんにちは、Engineering Manager Advent Calender 2021の13日目を担当するmnmandahalfです。
12日目のdskstさんのブログでご紹介されていたエンジニアリングマネジメントトライアングルでは主にTechnology - Team領域のお仕事(People Development, Recruiting, People Evaluation)を中心に、Team - Product領域の業務(Team Design, Resource Management)も少々行っています。
本稿では、私がEMになってから今まで大切にしている心構えについて記載してみたいと思います。
自分自身が納得感を持って人に伝えること
大きい組織になると人からの伝聞でコミュニケーションを取らなければならないタイミングがよく発生します。例を挙げると、会社の方針、事業の方針、組織の方針、予算についてなどです。そのような場面では自分自身が納得感を醸成できるまで質問し、人に伝えるときは事実と意見を分けて伝えることを意識しています。
しかし全ての事象に自分がアカウンタビリティを持つ必要はないので、わからないことが出てきたら「わからないので、直接聞いて欲しい/確認します」と正直に伝えたらよくて、自分の解釈や意見を付け加えるなら「私の解釈/意見では」という枕詞を付けます。
また意外と忘れがちですが温度感もセットで伝えるとあとあと期待値のズレが発生しづらいように思います。人によっては未確定の事項を伝えると混乱してしまう場合や意思決定のプロセスに積極的に関与してもらったほうがいい場合など色々なケースがあるので、情報伝達の方法にもアレンジが必要です。
フォーカスすべき課題を見極め、細かいところは気にしないこと
これも当たり前のことですが、大切にしているもののうまくできているとは言えず。とても難しいと感じています。プロダクトのRMや予算を達成することは大前提にあるとして、メンバーの興味、技術的課題を把握しどこに取り組むことがレバレッジポイントになるのか考える必要があります。
この辺りは、もちろん私個人でできることではないのでメンバーに相談して課題発見してもらう必要があります。行動規範や抽象的な課題感の共有がなされることで自律的に行動する組織が理想だと思い、時にチーム全体で集まって話したり分科会で課題定義したりと、N人N+1脚みたいな感じで試している最中です。また、多少全体から見て優先度があまり高くないと感じられるようなことでも、育成への貢献度が高く長い目で見て必要なことならばやる価値は大きいと感じています。
セルフコントロールすること
何が起こってもなるべく感情に影響を及ぼさないことがとても大事だと思います。いわゆる中間管理職的な役割を担う場合、どうしても色々な事象の板挟み状態になってしまうためストレスを感じることもあります。が、その状態でメンバーに向き合うと心理的安全性を損ねてしまいます。そして大変な時ほど少しでも課題解決に向けての行動をするほかありませんし、その行動を積み重ねることで結果的に楽になります。
私の先輩の受け売りになるのですがセルフコントロールもあくまでスキルのひとつであるため、この辺りは少し工夫すれば身についていくものかと思いますし非常に大きな武器になるはずです。
同時に、程度によりますがストレスが発生する機構は改善の余地があるので自分の上司やEMの仲間に正直に相談することも忘れてはならないですね。
まずありのままを受容すること
時には想定外の出来事が発生したり、時には理想から遠い状態から物事に取り組まなければならないこともあるかもしれません。セルフコントロールの話にも似ていますが、ありのままを受け止め、まずはそこから何ができるか考えることが大事だと思います。
結局はスキルの問題であると気楽に考えること
EM自身の課題を含め、個人やチームの課題らしきものを紐解いていくと、構造的な問題でなければスキルや経験の問題に収束することが多いかと思います。ここで問題と言っているのは、「スキルがないことが悪」という意味ではなく、大半のことはスキルさえ身につければ解決に近づくということです。
ではどのようにスキルを獲得するのか?ここの解決方法のバリエーションがEMのスキルかもしれません。
EMから直接教えられるようなスキルは限られているかと思います。
適切な業務のアサインをする、前向きな人の肩をちょっとだけ押す、シニアメンバーに相談する、ちょっとだけDeep Diveを促す問いを投げかける、ちょっとだけ新たな点を置くようなインプットをしてみる、理想状態を定義してマイルストンを置く壁打ちをする、そんな行動をここぞというタイミングでやっていくことがEMとしては大事なのではないかと思います。という私自身全然うまくできていないため、EMとしてのスキルは伸び代しかありません。
最後に
こうして改めて言語化してみるとどれもEMに限った話ではなく広く大事なことで当たり前のことかもしれませんが、自分なりにEMの経験の中で身につけてきた考え方や行動を内省する良い機会となりました。
これからEMを目指す方の参考になったり、悩めるEMの皆様に少しでも共感いただけるような部分がありましたら幸甚です。
そして以前Meetyでカジュアル面談のお声掛けをいただいた & 本アドベントカレンダーを主催されているHidenori Gotoさん、本カレンダーを紹介してくださったTaku Unnoさん、このような機会をありがとうございました!