1.はじめに
転職活動における最大の関門はやはり面接対策だと思います。
私も転職活動をする中で面接対策にかなりの時間を割きましたが、カジュアル面談をうまく活用することでその後の面接を進めやすくすることができました。
特に面接対策においては企業の情報収集が重要ですが、カジュアル面談をうまく活用して情報収集をすれば、企業研究と面接のクオリティをぐっと上げることができます。
ピンポイントですが今回の転職活動の中で一番おすすめしたい内容なので、少しでも参考になるようなことがあれば幸いです。
2.自分の転職活動について
本題と関連性は薄いので簡単に。(飛ばしても大丈夫です)
前職では大手SIerにてオンプレのインフラエンジニアとして働いていました。
今回の転職ではクラウドエンジニアとしてキャリアを積むことを目指しており、またこれまでとは異なるカルチャーの組織で働いてみたいという思いがあったため、クラウドインフラを扱うベンチャー系の企業を中心に応募をしていきました。
主に利用していた転職サービスは以下となります。
はじめは転職エージェントを中心に使っていましたが、エージェントから応募の場合はカジュアル面談を挟まず選考からスタートするのが通常です。
途中からカジュアル面談の利用価値に気づき、後半からはカジュアル面談をセッティングしやすいGreen、Wantedly、ビズリーチあたりをメインとして使っていました。
- 転職エージェント:リクルートエージェント、レバテックキャリア
- 転職サイト: Green、Wantedly、ビズリーチ、リクナビネクスト、Duda
カジュアル面談も含めると十数社程度、面接まで進めた企業は5社あり、最終的に3社から内定をいただくことができました。
転職活動期間は2021年12月〜翌2月となります。
3.カジュアル面談の活用
3-1.カジュアル面談とは
企業と求職者の間での情報交換を目的とする面談で、通常は選考フローの前に実施されます。
企業側から事業内容やポジションの説明をしたり、求職者側からも質問して疑問点を解消することで、お互いにミスマッチが生じることを防ぐ狙いがあります。
企業担当者と直接コンタクトが取れる転職サービスでは、選考の前にカジュアル面談から始めることができるケースが増えています。
また、選考には直接関係ないケースが多いので、そこまで力を入れて準備をしなくても大丈夫です。
3-2.カジュアル面談の活用
転職活動では時間がないケースが一般的なので、効率的に企業研究をすることが重要になってきます。
例えば、以下のような面接でありがちな質問については企業ごとに回答を用意しておく必要があります。
- 当社の経営理念についてどう思うか
- 当社に入社したらどのようなことをしていきたいか
- 当社の弱みはどこだと思うか
回答を用意するにあたり、公式HP/四季報/インタビュー記事/口コミサイトなどから情報収集をするのが一般的だと思いますが、企業ごとにコツコツと調べて仕上げていくのは手間です。
また、若い企業の場合は情報も簡単に見つからなかったり、アテにならないケースがけっこうあります。
(特に「弱み」「課題」といったネガティブな情報はそうそう転がっていない)
そこで、このような面接の想定問答に活用できる具体的な情報を カジュアル面談の場で収集していきます。
カジュアル面談であれば準備の手間もそこまでかかりませんし、何より実際その企業で働いている人から話を聞けるので、確実な情報を手にすることができます。
3-3.情報収集と面接への活用例
具体的には以下のような具合で、カジュアル面談で収集した情報を面接での問答に活かしていきます。
特にネガティブな情報(課題、弱みなど) はこちらから聞き出さないとなかなか出てきません。
欲しい情報を確実に引き出せるように質問を用意してカジュアル面談にのぞみましょう。
- 面接での想定質問1:当社の経営理念についてどう思いますか?
-
回答例
非常に魅力的だと感じています。
カジュアル面談の場で「〜〜」という考えを持つ方が多いと伺っていますが、「〜〜」という点は私のこれまでの仕事観とも一致しており、強く共感をしています。 -
カジュアル面談で収集する情報
カジュアル面談で聞いた経営理念やカルチャーなどに関する情報を 「〜〜」 の部分に使う
-
回答例
- 面接での想定質問2:当社に入社したらどのようなことをしていきたいですか?
-
回答例
御社の開発チームでは「〜〜」という取り組みを進めていると伺っています。
私は現職で「△△」という経験を持っていますので、御社にジョインすることができたら大きく貢献できると考えています。 -
カジュアル面談で収集する情報
「特に力を入れている取り組みは?」といった質問をして得た回答を 「〜〜」 の部分に使う
-
回答例
- 面接での想定質問3:当社の弱みはどこだと思いますか?
-
回答例
御社の課題は、急速に事業拡大や体制強化が進んだことによって組織としての力が十分に発揮できていない点にあると思います。
実際にカジュアル面談の場で「〜〜」という状況であると伺っていますが・・・ -
カジュアル面談で収集する情報
「開発チームで抱えている課題は?」といった質問をして得た回答を 「〜〜」 の部分に使う
-
回答例
3-4.その他の活用方法
口コミサイトで得た情報を、カジュアル面談の場で質問して真偽を確かめてみる、というのもおすすめです。
企業の情報収集のために口コミサイトを利用するケースは多いですが、情報の出どころが個人となるため信憑性が低いものもあります。
「会社の弱点」や「課題」など面接に活かせそうな情報を見つけても、間違ったものであればかえって心象を悪くしてしまうでしょう。
そこで口コミサイトで得た情報を、カジュアル面談の場で質問して裏取りしておけば、面接の場にも安心して持ち出すことができます。
カジュアル面談の場であれば多少フランクな質問でも答えてくれるケースが多いので、気になる情報があれば質問を用意しておきましょう。
4.さいごに
そんなに大した内容ではないですが、こういったカジュアル面談の活用の仕方という情報が意外になかったので、私なりにまとめてみました。
かなりピンポイントですが、少しでも参考になるようなことがあれば幸いです。
また、私は転職をする前提でカジュアル面談を受けていましたが、いろんな企業から事業内容や展望を聞くことができるので、単純に面白かったです。
取引先でもない企業からそういった情報を聞くことができる機会はそうそうないので、転職うんぬんは抜きにして興味深く話を聞くことができました。
個人的な理由で期限があったので企業の数はかなり絞ったのですが、もうちょっと前からカジュアル面談くらい積極的に受けておけばよかったなと少し後悔してます。
リモートワークが主体になったことで面談や面接を組むことのハードルが下がっているので、本格的に転職を考えていなくても、お試し程度の気持ちでカジュアル面談を組んでみるのもいいかなと思います。
仮に転職をしなかったとしても刺激を受けることで現職でのモチベーションが上がったりするかもしれません。
転職のハードルが下がっていくとともに、情報交換と転職活動の境界というのも無くなっていくのかもしれないですね。
働く側としては企業と繋がる選択肢やチャネルは多いに越したことはないので、いい傾向だなと感じています。