はじめに
この記事では、USB-シリアルケーブルを Raspberry Pi に接続するための、簡単かつ実用的な方法を紹介します。この方法では、ジャンパーワイヤーと 3 ピンコネクタハウジングを使用し、ケーブルを改造せずに安全に接続できます。特に初心者の方にとって取り組みやすく、配線ミスを防ぎつつ、シンプルかつ整理された接続が実現できるのが特徴です。
経緯
先日、東京の秋葉原で開催された 秋葉原でパーツお買い物&そのまま Nerves 入門! というイベントに参加しました。このイベントは、@myasu (Myasu) さんと @nako_sleep_9h (Nako) さんが共同企画し、電子工作や Elixir に関心のある人たちが集まって、楽しい学びの時間を共有しました。参加者みんなで秋葉原の電子街でパーツを探し回った後、Raspberry Pi 4 で Nerves を動かして実験を楽しむという内容でした。
Myasu さんは、Elixir や Nerves を活用した IoT 開発に関する著書『Elixir ではじめる IoT 開発入門 Nerves プラットフォームで組み込み開発にトライ!』を執筆されています。この書籍は、Elixir と Nerves を用いた組み込み開発の基礎から応用までを詳しく解説しており、初心者から上級者まで幅広い層に向けた内容となっています。特に、実践的なサンプルコードやプロジェクト例が豊富に含まれており、実際の開発現場で役立つ知識を習得することができます。また、Nerves を使ったプロジェクトのセットアップ方法やデプロイ手順など、実務で直面する課題への対応方法も詳しく紹介されています。この書籍を通じて、Elixir と Nerves を活用した IoT 開発の魅力と可能性をぜひ体感してみてください。
イベント中に、私は「配線のピン番号を覚えるのが苦手で、接続ミスが多い」という悩みを Myasu さんに相談しました。すると、Myasu さんは「ジャンパーワイヤーと 3 ピンコネクタハウジングを使うと便利だよ」と、この方法を教えてくれました。このテクニックを試してみたところ、配線ミスの不安が解消され、接続が非常にスムーズになったので、この記事でその方法を紹介します。
この技の利点
- 接続の簡単さ:3 ピンコネクタハウジングで配線を整理し、誤配線やショートのリスクを軽減します。
- 再利用性:USB-シリアルケーブルを改造しないため、他のプロジェクトでもそのまま使えます。
- 整理されたセットアップ:ワイヤーがきれいにまとまり、作業がしやすくなります。
- 初心者向け:はんだ付けや特別な工具が不要で、手軽に始められます。
参考になる資料
以下の資料は、USB-シリアルケーブルの接続や Raspberry Pi の GPIO ピンに関する理解を深めるのに役立ちます:
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Adafruit による USB-シリアルケーブルガイド
USB-シリアルケーブルを使用して Raspberry Pi と PC を接続し、ターミナルからアクセスする方法を詳細に解説しています。初心者でも分かりやすい手順がステップごとに示されています。 -
Pinout.xyz
Raspberry Pi の GPIO ピン配置を確認できるインタラクティブなガイドです。ピンの機能や役割が色分けされており、視覚的に理解しやすくなっています。
必要な部品と工具
3 ピンコネクタハウジング
- ジャンパーワイヤーを整理するための小型プラスチックハウジング。
USB-シリアルケーブル
- Raspberry Pi を PC に接続し、ターミナルにアクセス可能。
ジャンパーワイヤー
- USB-シリアルケーブルのピンを Raspberry Pi の GPIO ピンに接続。
小型ドライバー
- コネクタハウジングの組み立てに役立つ。
手順
このセクションでは、USB-シリアルケーブルを安全に Raspberry Pi に接続する方法をステップごとに解説します。電子工作に慣れていない初心者の方でも安心して取り組めるよう、手順を分かりやすく説明します。
ジャンパーワイヤーを準備する
GND、RX、TX に対応する 3 本のジャンパーワイヤーを選びます。
ジャンパーワイヤーの一方の端からプラスチックコネクタを慎重に取り外します。 小型ドライバーやピンセットを使うと簡単です。
金属ピンを曲げたり傷つけないよう、慎重に作業してください。
取り外したピンを整え、「GND、RX、TX」の順序で並べておきます。
色分けを決めておくと、後の接続時に迷わず作業できます。たとえば、以下のような色分けが考えられます。
- 黒: GND(グラウンド)
- 白: RX(受信)
- 緑: TX(送信)
このルールを決めておくことで、再接続時や他のプロジェクトでもスムーズに配線が行え、トラブルシューティングも簡単になります。
コネクタハウジングを組み立てる
プラスチック製の 3 ピンコネクタハウジングを用意しジャンパーワイヤーの金属ピンを以下の順序で挿入します:
- 1 ピン目(左端): GND(黒)
- 2 ピン目(中央): RX(白)
- 3 ピン目(右端): TX(緑)
各ピンが「カチッ」とはまる音がするまで、しっかりと押し込みます。
USB-シリアルケーブルに接続する
用意したジャンパーワイヤーを以下のように USB-シリアルケーブルに接続します:
- GND(黒) → GND ピン
- RX(白) → TX ピン
- TX(緑) → RX ピン
RX(受信)と TX(送信)は交差する形で接続します。
Raspberry Pi の GPIO に接続する
Pinout.xyz を参照して、GPIO ピンの役割を確認します。
作成した 3 ピンコネクタを Raspberry Pi の GPIO ピンに慎重に挿し込みます。以下の順序を守ってください:
- GND(黒) → Ground(グラウンド)ピン
- RX(白) → TX(送信)ピン
- TX(緑) → RX(受信)ピン
ピン配置を間違えると正常に動作しないため、Pinout.xyz で GPIO 配置を再確認してから作業してください。
動作確認
- Raspberry Pi の電源を入れます。
- PC でシリアルターミナルを開き、通信が正常に行われるか確認します。
おわりに
この記事では、Raspberry Pi に USB-シリアルケーブルを接続するためのシンプルな方法を紹介しました。この方法は、初心者でも手軽に取り組めるだけでなく、配線を安全かつ再利用可能な形で整理できます。
私自身、秋葉原でパーツお買い物&そのまま Nerves 入門! で Myasu さんから教えていただいたこの方法を実践し、その便利さを実感しました。この方法を活用することで、デバッグ作業や Nerves の設定、新しいプロジェクトへの挑戦がさらにスムーズになるはずです。
この記事が、同じような課題を抱える方や、Raspberry Pi の活用をさらに広げたい方にとって参考になれば幸いです。ぜひ一度試してみてください!