Elixir・Nervesで複数のラズパイと通信したい

Last updated at 2023-08-13Posted at 2021-12-22

複数のラズパイと通信する方法は色々考えられると思いますが、せっかくElixir・Nervesでファームウエア開発をしているので分散Erlangに挑戦したいと思います。

準備

ラズパイのhostnameまたはIPアドレスを調べる

nerves_pack v0.5.0以降のバージョンをお使いであれば、nerves_motdで表示させるのが手っ取り早いです。

DNS Bridgeを設定する

ネットワーク関係に疎いので詳しくはよくわかりませんが、mdns_lite - DNS Bridge configurationドキュメントによると、Erlang/OTPのビルトインDNSリゾルバーにmDNSについての情報を教えてあげなければならないそうです。
Underjordのデモ（YouTube）が参考になりました。

Erlangノードを起動

やり方はnerves_pack - Erlang distributionドキュメントに説明されています。
ここでは2つのラズパイを用意しました。それぞれのホスト名はnerves-mn00.localとnerves-mn02.localです。
ホスト名の代わりにIPアドレスを使用することも可能です。
共通のErlang magic cookieを使用することが重要です。

ターミナルを開き、ラズパイA（nerves-mn00.local）にSSHします。

❯ ssh nerves-mn00.local

# OS上でepmdを起動
iex> System.cmd("epmd", ["-daemon"])

# Erlangノードを起動
iex> Node.start(:"nerves@nerves-mn00.local")

# クッキーをセット
iex(nerves@nerves-mn00.local)> Node.set_cookie(:securecookie)

新たにターミナルを開き、ラズパイB（nerves-mn02.local）にSSHします。

❯ ssh nerves-mn02.local

# OS上でepmdを起動
iex> System.cmd("epmd", ["-daemon"])

# Erlangノードを起動
iex> Node.start(:"nerves@nerves-mn02.local")

# クッキーをセット
iex(nerves@nerves-mn02.local)> Node.set_cookie(:securecookie)

Erlangノードを接続

nerves-mn02.localをnerves-mn00.localに接続します。

iex(nerves@nerves-mn02.local)> Node.connect(:"nerves@nerves-mn00.local")
true

iex(nerves@nerves-mn02.local)> Node.list()
[:"nerves@nerves-mn00.local"]

別のノード（別のラズパイで）関数を実行

nerves-mn02.localからnerves-mn00.localの中で関数を実行してみます。
例としてNode.spawn/2を使って、Toolshed.Nerves.uname/0を実行して、デバイスの情報を確認してみます。

Node.spawn(
  # 相手のノード名
  :"nerves@nerves-mn00.local",
  # 実行したい関数
  fn -> Toolshed.Nerves.uname() end
)

iex(nerves@nerves-mn02.local)> Node.spawn(:"nerves@nerves-mn00.local", fn -> Toolshed.Nerves.uname() end)
Nerves nerves-mn00 hello_nerves 0.1.0 (240d82e1-1e6c-5800-0ef9-63cba9efc212) arm
#PID<51667.6840.0>

やった〜　
分散Erlangを利用して別のラズパイで関数を実行することができました。

別のやり方として、phoenix_pubsubを利用して別のラズパイにメッセージを送りつけることも可能です。こちらのほうが扱いやすいかもしれません。

今回学んだ内容をkantan_clusterというElixirパッケージにまとめました。自分用のツールですが、もしよかったら遊んでみてください。

資料

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