code for namie
6/10@東京
浪江住民のタブレット活用を考えるアイデアソン
http://codefornamie.org/post/88717200155/6-10-codefornamie
これに参加してきた。最終的なアウトプットは記事を見てもらうとして、1人のコード書きとして、このアイデアソンで何を考えたか、書き残しておく。過程が残っていて、後でトレースできないと、無駄が多くなると思うので。運営の人は、運営側視点で記録をまとめるだけでなく、参加者にもっとアウトプットを呼び掛けても良いんじゃないかな。まとめは必要だけど、その過程が捨てられると、なぜそこに至ったのかが分からなくなるので。
この日のワークで最初に示されたのは、過去のアイデアソンの結果を運営が16個のアイデアに集約した内容だった。
1 今日の"ふくしま"のローカルニュースが手にとるようによくわかるテレビ番組
2 避難先での生活を助けてくれる便利情報・嬉しい情報満載マップ
3 今のリアルな浪江の状況が 臨場感があるカタチで目で見える
4 機械が苦手な人でも毎日ついつい使えるヘルスケア+サポート
5 知りたい場所の放射線量と除染作業の進捗状況が知りたい時にすぐわかる
6 必要な申請手続きが簡単にシンプルにすぐできる
7 全国の浪江町民で地区対抗バトルができるオンライン対戦イベント
8 ご近所さんや知人の子供の成長を見守れる子供成長日記
9 手描きで書いて紙のハガキが届くお便りツール
10 離れている知人のライフイベントを共有して人生を共に歩むイベントカレンダー
11 浪江弁でしゃべれる可愛がれるペット的存在
12 同じ趣味をもつ人とおもいっきり会話ができる出会い促進サービス
13 困ったことや想っていることを何でも吐き出せる
14 同じ時間に一緒のことをして、ライブでつながるきっかけづくり
15 タブレットやアプリの使い方を町民どうしが教え合える仕組み
16 町民から町民へバトンを渡し、町民から配信するニュース
この中から投票で選んだ上位7つのブラッシュアップを行ったが、私は4と6に投票した、その際の評価について以下に示す。
まず、1、2、3、5については、基本的に町民が情報を受け取るメディアであり、タブレットの利用形態としてあまり新規性を感じなかった。既存のメディアを参考にすれば技術的な問題は起こらないだろうと思ったし、コンテンツの方が重要なので、技術的な観点から評価を加える必要を感じなかった。なので、自分が手伝う方向ではないと考え、投票候補から除外した。
次に、7、9、10、11、12、13については、7ならスポーツタイムマシン( http://sportstimemacine.blogspot.jp/ )、9ならお絵描きワークショップ( http://kgr-lab.ddo.jp/doku.php?id=%E9%81%8A%E3%81%B3%E6%96%B9 )の技術を応用できる、10ならSNSのカレンダやイベントの機能、11ならアルデバランロボティクスのNAO( http://www.aldebaran.com/ja/xiao-xing-robotutonaotoha )、12もSNSやゲーミフィケーションの道具立てを使えるだろう、13ならリグレト( http://rigureto.jp/ )など、既存のソリューションを想起出来たため、これらも投票候補から除外した。
14、15、16については、コンテンツそのものに利用者の能動的な関与が前提となるため、広く使ってもらうのは難しいと考えた。8については、利用者全員が能動的となる必要はないので、少し敷居は下がるが、能動的関与が必要であるので、同じ評価とした。ゆくゆくは、タブレットを能動的に使える利用者を増やし、こうした対称的な情報交換が行えることが理想だとは思うが、最初の一歩には難しいだろう。
というわけで、消去法で、4、6について技術的な観点から意見が出せれば、お役に立てるのではないかと考えた。
4、6は、やらなければならないけれども面倒なことを、タブレットで支援できるのではないかという意味で、同じタイプの問題である。タブレットで町民を繋ぐという理想のために、まずはタブレットを日常的に使ってもらうことが必要で、それをどうにかできるアイデアだと思った。
最終的に私がブラッシュアップに加わったのは、4のグループとなった。
アイデアソンに参加する前に、浪江町の人口ピラミッドについて考えてみた。いくつかのサイトで見てみたところ、60代がピークであり、今後も高齢者の比率が高まっていくだろうと考えられた。これは日本の田舎はみんな同じだろうが。
で、自分の実家を思い浮かべて、田舎の年寄りの生活の中でタブレットの居場所になり得るのはどこか考えてみたが、いきなりテーブルやコタツの上に居場所を得るのは難しいだろうと思った。電話の隣、FAX置くようなイメージを考えた。
このイメージを元に、動線脇に置いてあって、必要な時にそこで置いたまま操作するような利用シーンを念頭に、議論に入ったが、電話より置時計のメタファーで考えた方が良さそうだという結論が出て、これが非常に面白かった。思い立って能動的に操作しに行くのではなく、目覚まし時計のように、呼ばれて操作しに行く。キッカケをタブレット側が投げてくる、利用者は受け身でいられる、とゆーのが、リテラシのない人にも良さそうに思えた。
そんなことを考えてきました。