##はじめに
社内で開催された、初心者向けのTableau説明会に参加しました。
こちらの説明会ではTableau社の方に、「そもそも、Tableauって何?という人」を対象に、概要、メリット、製品ラインナップをご紹介いただきました。
今回は、説明会のざっくりとした内容と、Tableauを始めるにはどうしたらよいのか?という部分をつらつらと書いていこうかと思います。
##そもそも、Tableauって何?(概要)
Tableauとは、BIに特化したデータ分析プラットフォームです。
https://www.tableau.com/ja-jp
**BIって何?**
BIとは…ビジネス・インテリジェンス。データから有用な情報を引き出し、意思決定の迅速化を支援するシステムのこと。Tableau Softwareはスタンフォード大学のメンバーにより2003年シアトルで設立されました。
グローバルでの導入実績は86,000社。日本国内でも導入実績は4,000社にのぼります。
Tableauの理念
We help people see and Understand Data
「人々がデータを見て理解することを手助けする」
「人々」と「見る」という部分がキーワードになっているそうで、
- 「人々」:誰もがかんたんに利用できる
- 「見る」:視覚的で、直観的に分析できる
と、アナリストのような専門家だけではなく、いろいろな部署で、いろいろな立場の人がデータ分析ができる環境をTableauで作ることができます。
また、コミュニティが活発なことも特徴で、500以上のユーザーグループ、150,000人以上のオンラインコミュニティメンバーがあります。
Tableauを導入するといいことがある(メリット)
説明会では、Tableauを導入後、企業にどのようなメリットがあったのか、事例をいくつかご紹介いただきました。
某社の例
【導入前】
- データが散在しており、データの取得・整理がたいへん。
- 部署を超えたデータ活用ができなかった。
[そこで]
- Google Big Query にデータをETLしてデータウェアハウス、データマートを作成。
- Tableauを導入し、社内の誰もがデータ活用をできるようにした。
**ETLって何?**
ETLとは…複数のシステムからデータを抽出・加工してまとめること。Extract(抽出)とTransform(加工)とLoad(搭載)。**データウェアハウスって何?**
複数のシステムからデータを抽出し、時系列でまとめたデータベース。データの更新や削除を(基本的には)おこなわず保存する。データの巨大な倉庫のイメージ。**データマートって何?**
データウェアハウスの中から「目的」に合わせて抽出されたデータ。【導入後】
- 社内でのデータ活用者が増えた!(1期目で社内全体の2~3割、2期目で5割ほど)
- データが正しく活用されることで、データの質と量がさらに向上した!
そのほかにも
- ECサイトのデータと実店舗のデータを統合、探索的なデータ分析が気軽にできるようになった!
- 自社開発のレポートシステムからTableauに切り替え、レポート作成時間が1時間から0.2時間に短縮できた!
などの事例をご紹介いただきました。
Tableauの強み
事例を通して、Tableauの強みとして、データソースにさまざまな形式のファイルを使用できるということと、グラフを直観的に作成できるということがあげられるなと思いました。
データソースにさまざまな形式のファイルを使用できる
Tableauでは、データソースにさまざまな形式のファイルを使用できます。Excel、テキストはもちろん、SQLデータやJSONデータ、統計データ、空間データなどなどを接続(データソースとして読み込むこと)することが可能です。
さまざまな形式のデータに対応しています。たのしそう。
グラフを直観的に作成できる
Tableauでは、グラフを直観的に作成することができます。
たとえば、RowsとColumnsにアイテムをドラッグアンドドロップすれば、自動的に集計され、集計結果がグラフ表示されます。
また、カテゴリによってグラフの色を変えたい場合は、[カテゴリ]のアイテムを[色]にドラッグアンドドロップする、など簡単な操作でグラフを作成することができます。
製品ラインナップとライセンス
さて、そんなステキなTableauですが、製品体系は かなり ちょっととっつきにくいものになっています。
目的・環境に応じた「製品」とその製品を使用するための「ライセンス」があり、ユーザーは使いたい製品が使用できる 「ライセンス」を購入する ことになります。
製品ラインナップ
実は他にもオプション的な製品がありますが、ひとまず肝心なのは以下の4種類です。
###Tableau Desktop
[ データの取り込みからVizの公開・共有まで行いたい ]
基本となる製品。一般的にTableauという場合は、この製品を指している場合が多いです。Tableauでデータ分析をはじめるためには、Tableau Desktopを必ず1名は使う必要があります。
データの接続(グラフ作成に使用するデータを取り込む)や、グラフ・ダッシュボードの作成、作成したVizのパブリッシュ(作成物の公開・共有)が行えます。
Tableau Online
Tableau Server
[ 共有されたVizの分析を行いたい ]
Tableau Desktopで作成したワークブック・データソース・フローなどを共有・管理できます。また、共有されたデータを分析・編集できます。(ただし、Desktopよりも編集機能は貧弱なようです。)
Tableau OnlineとTableau Serverの違い
Tabreau Onlineは、SaaS版のTableau Serverです。ようするに、保守やセキュリティの管理などなどをTableau社が実施してくれるバージョンです。
Tableau Serverは、自社のサーバーにインストールして利用します。セキュリティ要件がきびしい場合などなどではこちらを選択することになります。
Tableau Prep Builder
[ データのクリーニングをしたい ]
Tableau Prep Builderでは、使用するデータを使いやすい・見やすい形にクリーニングすることができます。
実はデータクリーニングの機能自体はTableau Desktopにもあるのですが、Tableau Prep Builderでは、データフロービューをはじめ、データを俯瞰してみる事ができ、より効率的にクリーニングを行うことができます。
ライセンス
ライセンスは3種類あり、それぞれ利用できる製品・機能が異なります。ライセンスはサブスクリプション方式となっており、1年単位で更新されます。
Creator | Explorer(Online利用) | Viewer(Online利用) | Explorer(server利用) | Viewer(server利用) | |
---|---|---|---|---|---|
Tableau Desktop | ○ | × | × | × | × |
Tableau Online | ○ | ○ | △(閲覧機能のみ) | × | × |
Tableau Server | ○ | × | × | ○ | △(閲覧機能のみ) |
Tableau Prep Builder | ○ | × | × | × | × |
価格 | 102,000円 | 60,000円 | 22,000円 | 51,000円 | 18,000円 |
最低購入数 | 1 | 5 | 100 | 5 | 100 |
*2019.12時点での情報です。 |
わかりづらっ
余談ですが、2018.04に現在のライセンスプログラムに変更され、製品とライセンスが1対1で紐づかない形になったようです。
Creator
データの接続~作成したワークブックなどのパブリッシュ(公開)まで、一連の製品をすべて使用できるライセンスです。
Tableau Desktopを使用できるのはこのライセンスのみなので、利用する組織の中で、必ず1人はこのライセンスを持つ必要があります。
Explorer
Creatorが作成したビジュアライゼーション(Viz)を元に、データの分析を行うことができるライセンスです。また、パブリッシュされているデータソースを元に新しいビジュアライゼーションを作成することもできます。
Viewer
ビジュアライゼーション(Viz)の閲覧・分析ができます。名前のとおり、完全に閲覧に特化しているライセンスです。
ちょっと触ってみたいときにはどうしたら良いのか
とはいえ、実際の使い心地はどうなの?というのがわからない事には導入するのに不安があります。
Tableauをちょっと触ってみるには、以下の方法があります。
無料トライアル
各製品の14日間の無料トライアルが版が用意されています。
こちらをダウンロードすると、14日間フル機能を試すことができます。
Tableau Public
https://public.tableau.com/ja-jp/s/
Tableau Publicなるサイトがあります。750,000人を超えるユーザーが作成したViz作品を閲覧できるコミュニティサイトとなっています。
ここから、Tableau Publicをダウンロードすることができます。無償です。
期間制限もなく、気軽にいろいろ試してみるには最適かなと思います。
また、他ユーザーのVizがたくさんあるので、データをどのような見せ方ができるのかの参考にもなりそうです。
ただし、製品版にはない以下のような制限があります。
- データをローカルに保存できない
データの保存はTableau Publicへのパブリックに限定されています。Tableau Publicは誰でも閲覧可能なので、機密データは扱えない ≒ 商用利用は難しいです。
- 接続できるデータソース形式に制限がある
グラフの作成にはデータソースに接続する必要がありますが、接続可能なデータソースの形式が製品版よりも少なくなっています。
接続可能なデータ形式は、Excel、テキストデータ、JSON、Access、PDF、空間ファイル、統計ファイルとなっています。
おわりに
説明会に参加するまでは、ほんとうにTableauって何?状態だったのですが、さまざまなデータをつなげてデータを見やすくヴィジュアライゼーションするのは、純粋に楽しそうだなと感じました。
できることが豊富な分、使いこなせるようになるまでには時間がかかりそうなので、まずはTableau Publicに登録をして、地道に触っていってみようかな、と思っています。
果たしてわたしは美しいヴィジュアライゼーションを作成することができるようになるのでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました!